さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

「地水師」(卦辞)

2024-09-16 | さわやか易・講座
「師は貞。丈人なれば吉。咎无し。」
序卦伝に、「訟には必ず衆の起る有り。故に之を受くるに師を以てす。師とは衆なり。」とあった。争いが大きくなると、必ず多数の人が集まって来る。多数の人が集まることの代表が軍隊である。師は衆であり、軍隊の意味である。軍隊には優れたリーダーが必要である。
「師は貞。」リーダーは先ず正しく堅いことが第一である。「丈人なれば吉。咎无し。」リーダーは有徳の大人であれば吉。咎めはないだろう。
 
「地水師」では2番目の陽爻がそのリーダーである。六五は天子と見る。残りの陰爻は全て部下の将校、兵士である。
卦の形を見ると、上に地があり、下が水である。これは地の下に地下水が集まっている象である。地下水は自然の成り行きに順って出来るものなので、軍隊も無理することなく、自然に優れたリーダーの元に集まることが求められる。
 
孔子の解説によれば、「師は衆なり。貞は正しきなり。能く衆を以て正しければ、王たる可し。剛中にして応じ、険を行うて順なり。此れを以て天下を毒すれども、民、之に従ふ。吉にして、又何の咎あらん。」と述べている。ポイントは「剛中にして応じ、険を行うて順なり。」これは主爻である九二が剛であり、中徳を得ており、天子の六五に正しく応じている。険難を行うが、順当な行動であること。戦争という非常手段を持ちうるが、民は理解して従う。吉にして、何の咎めはないだろう。という意味である。

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