昨日のテレビニュースでセマングム干拓地の防潮堤が完工したという報道がありました。
以前このブログでも書いたことのある韓国西海岸で勧められている大型の干拓工事です。
実はこの防潮堤、すでに<完成>はしていたのですが防潮堤の上に道路があるのですが、展望がよくないということで改良工事を行い、完成が遅れたそうです。さいきん、4大河川事業にたいする反対の声を抑えるために、この時期に完工の記念行事が行われたのではないかなと勘ぐりたくなります。
ただ、防潮堤が完工したからといって、セマングム干拓地の問題が終わったわけではありません。これから、防潮堤の内部の埋め立てを本格的に始めるわけですが、おおきな課題が二つあると思います。
ひとつは経済的な整合性があるか。具体的に言えば、埋め立てた後干拓地を購入する企業があるかということです。セマングムより交通の便がずっといいインチョンのソンド新都市(ここも干潟の埋め立てで作りました)ですら、企業の進出が進んでいません。赤字が出たとき、誰がどのように埋め合わせるのか、ちょっと疑問です。観光開発も行うといっていますが、人工的に作った観光地には限界がありますし、どこも同じような姿になってしまいます。まさか、セマングム-4大河川ツアーでも開発するのでしょうか。まあ、集客には限界があります。
つぎの問題は、防潮堤内部の水質維持の問題です。2006年4月に防潮堤がつながって、外界と切断された後、防潮堤内部の水質は悪化しているそうですが、水質を改善するために錦江の水を引き入れいるという計画があるそうです(もしかすると、もう完成したかもしれませんが…)。かつて始華湖という防潮堤によってできた湖の水質が悪化して社会問題になったことがあります。果たして、セマングムでは水質をどうやって改善するつもりなのでしょうか?
どちらにしても、これからもセマングム干拓問題にはこだわって行こうと思います。
参考までにおとといのニュースを引用します。
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セマングム防潮堤きょう完工、着工から19年
【ソウル26日聯合ニュース】世界最長全長33.9キロメートルの防潮堤、セマングム干拓地防潮堤が1991年11月28日の着工から19年を経て、27日に完工する。セマングム防潮堤の中間に位置する全羅北道群山市の新侍島一帯で、午後2時から完工式が行われる。
政府関係者は、「セマングム防潮堤の完成は、国の未来成長エンジンとなるセマングムが北東アジアの経済中心地として本格的に跳躍することを国内外に広める行事となる」と評価した。
セマングム防潮堤は、全羅北道・富安の大項里から群山市の飛鷹島を結ぶ超大型の堤で、全長33.9キロメートルにおよび、「海の万里の長城」と呼ばれる。オランダの世界最長防潮堤の記録を1.4キロメートル更新した。ギネスブックにも間もなく登録される予定だ。
政府はセマングム防潮堤の完成を機に、本格的な内部開発に着手し、セマングムを「北東アジア経済中心都市」に育成する構想だ。1月に発表した「セマングム内部開発基本構想および総合実践計画」に基づき、干拓地内部を大きく農業用地、産業用地、観光用地、生態・環境用地、科学・研究用地、再生可能エネルギー用地、都市用地の8つに区分し開発する。2020年までを1段階、2021年以降を2段階として進め、1段階では全体面積の71.4%を開発する予定だ。
<注>33.9キロで世界一という主張は、ちょっとインチキです。ネチョ島付近から2キロほどは以前に埋め立てたところですが、この2キロプラスして33.9キロになっています。ギネスブックの事務局も、このことを知っているのでしょうか?
以前このブログでも書いたことのある韓国西海岸で勧められている大型の干拓工事です。
実はこの防潮堤、すでに<完成>はしていたのですが防潮堤の上に道路があるのですが、展望がよくないということで改良工事を行い、完成が遅れたそうです。さいきん、4大河川事業にたいする反対の声を抑えるために、この時期に完工の記念行事が行われたのではないかなと勘ぐりたくなります。
ただ、防潮堤が完工したからといって、セマングム干拓地の問題が終わったわけではありません。これから、防潮堤の内部の埋め立てを本格的に始めるわけですが、おおきな課題が二つあると思います。
ひとつは経済的な整合性があるか。具体的に言えば、埋め立てた後干拓地を購入する企業があるかということです。セマングムより交通の便がずっといいインチョンのソンド新都市(ここも干潟の埋め立てで作りました)ですら、企業の進出が進んでいません。赤字が出たとき、誰がどのように埋め合わせるのか、ちょっと疑問です。観光開発も行うといっていますが、人工的に作った観光地には限界がありますし、どこも同じような姿になってしまいます。まさか、セマングム-4大河川ツアーでも開発するのでしょうか。まあ、集客には限界があります。
つぎの問題は、防潮堤内部の水質維持の問題です。2006年4月に防潮堤がつながって、外界と切断された後、防潮堤内部の水質は悪化しているそうですが、水質を改善するために錦江の水を引き入れいるという計画があるそうです(もしかすると、もう完成したかもしれませんが…)。かつて始華湖という防潮堤によってできた湖の水質が悪化して社会問題になったことがあります。果たして、セマングムでは水質をどうやって改善するつもりなのでしょうか?
どちらにしても、これからもセマングム干拓問題にはこだわって行こうと思います。
参考までにおとといのニュースを引用します。
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セマングム防潮堤きょう完工、着工から19年
【ソウル26日聯合ニュース】世界最長全長33.9キロメートルの防潮堤、セマングム干拓地防潮堤が1991年11月28日の着工から19年を経て、27日に完工する。セマングム防潮堤の中間に位置する全羅北道群山市の新侍島一帯で、午後2時から完工式が行われる。
政府関係者は、「セマングム防潮堤の完成は、国の未来成長エンジンとなるセマングムが北東アジアの経済中心地として本格的に跳躍することを国内外に広める行事となる」と評価した。
セマングム防潮堤は、全羅北道・富安の大項里から群山市の飛鷹島を結ぶ超大型の堤で、全長33.9キロメートルにおよび、「海の万里の長城」と呼ばれる。オランダの世界最長防潮堤の記録を1.4キロメートル更新した。ギネスブックにも間もなく登録される予定だ。
政府はセマングム防潮堤の完成を機に、本格的な内部開発に着手し、セマングムを「北東アジア経済中心都市」に育成する構想だ。1月に発表した「セマングム内部開発基本構想および総合実践計画」に基づき、干拓地内部を大きく農業用地、産業用地、観光用地、生態・環境用地、科学・研究用地、再生可能エネルギー用地、都市用地の8つに区分し開発する。2020年までを1段階、2021年以降を2段階として進め、1段階では全体面積の71.4%を開発する予定だ。
<注>33.9キロで世界一という主張は、ちょっとインチキです。ネチョ島付近から2キロほどは以前に埋め立てたところですが、この2キロプラスして33.9キロになっています。ギネスブックの事務局も、このことを知っているのでしょうか?