韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

5万人を突破!!!

2010-12-31 03:10:38 | 韓国あれこれ
 いやあ、ついに5万人を突破しました。思った以上、長く続いていますね。僕自身驚いています。まあ、これからも軽いフットワークでブログを続けていきましょう。

 というわけで、2010年最後の記事は<韓国雑記帳>の10大ニュースで閉めることにしましょう。

1位:4大河川日韓市民調査団
 すごいメンバーでした。来年4大河川について何をするか、いま構想中です。

2位:名古屋生物多様性CBD-COP10
 今回も通訳での参加、話したいことをしゃべれない、お酒を飲んでも通訳!

3位:ウポ沼トキ野生復帰のために佐渡の現地調査
 わずか1泊2日で、あった人は20人以上。これほど中身の濃い調査も初めてです。

4位:WWF黄海写真展を開催
 1ヶ月でチラシの印刷、写真パネルの作成、写真集の印刷まで。そうそう、オープニングもやりましたね。

5位:有明訴訟の集会に参加
 国は上告をあきらめましたが、地元での意見の集約はこれからですね。まだまだ、闘いは続きそうです。

6位:藤前干潟の子供たち訪韓
 ガタレンジャージュニアのパワーはすごかった。

7位:ムアン干潟で泥干潟の体験
 嵌ってしまった。抜けないぞ。ムアンの泥干潟は半端じゃないよ。

8位:鳥インフルエンザの調査に通訳&コーディで参加
 おかげで色々勉強になりました。今、出水のナベヅルが心配です。

9位:南北の緊張高まる
 ペンニョン島のゴマフアザラシやクロツラヘラサギの棲息地は大丈夫でしょうか?

10位:日韓環境情報センター、HPオープン
 最近、鳥インフルのHPみたいですが、もっと色々な環境問題や保護活動の情報交換の場にしましょう。どんどん、情報を送ってください。
 
 と言う感じです。今年もあとわずか、来年もよろしくお願いします。

口蹄疫、韓国全土に広まるか?

2010-12-26 04:30:09 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
  鹿児島の出水での鳥インフルが問題なように、韓国では口蹄疫が大問題です。もしかすると、韓国全土に広まり、全国で牛や豚の殺処分が始まるかもしれません。

 

 この地図でも分かると思いますが、200キロ以上はなれた京畿道でも発生しています。別ルートによるものなのか、あるいは糞尿処理の車がウイルスを運んだのか、まだはっきりしていません。どちらにしても、他の地域でも発生する可能性がとても高く、毎日のように新しい場所で発生したと報道されています。すでに、慶尚北道、京畿道北部、江原道、そして江華島。50箇所近くで発生し、すでに30万頭以上が殺処分されています。

 そのうえ、今日もソウルは朝の最低気温が-10度以上の寒い日が続き、ポイントに置かれている検疫所で消毒液が凍ってしまい、十分に消毒できない状態です。寒いため、ウイルスも長生きしているのではないかという判断もあります。韓国の場合でも殺処分を担当するのが公務員ですが、心のケアも考えないと、あとで大きな問題になりそうです。

 僕の住んでいる南揚州もアパートと農家が半々ぐらいのところで、牛を飼っている人も多いです。ちょっと細い道に入って、田圃や雑木林の中に行くと、あちこちで牛や豚を見ることが出来ます。まだ、南揚州では発生していませんが、これからが心配です。

 昨日から、ワクチン接種が始まりましたが、ワクチンも万能ではありません。これから、口蹄疫がどれだけ広がるか、あるいは収束していくか、注目したいと思います。

チンドアリラン

2010-12-25 04:23:44 | 僕の韓流~ソング&シネマ
チンドアリラン


 僕が韓国に来たきっかけのひとつが、韓国の伝統音楽に魅せられたためで、まさに芸は身を滅ぼしてしまったわけです(笑)

 韓国の伝統音楽にはすばらしいものがたくさんありますが、そのひとつが各地に伝わる民謡です。このチンドアリランもそのひとつ。初めて聞いたのは、たぶん在日韓国YMCAでチャンゴを習っていたことだったと思います。それまで聞いたことのあったアリランとは、また違った面白さがあり、みんなで歌にあわせて踊ったような記憶があります。

 この映像はソピョンジェという映画の1シーン。5分ぐらいの長いシーンでも有名になりました。この場所は、青山島。じつはこの道、セメントで舗装されていたので、その上に土をかぶせたと、地元の人に聞きました。

 この場面ではありませんが、ソピョンジェの撮影に見学をしたこともあります。今から思えば、いろいろなことを経験しましたね。

鹿児島出水平野のナベヅル、鳥インフルに感染

2010-12-25 02:46:40 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 心配していたことが現実になりました。
 
 鹿児島県出水は毎年、1万羽以上のツルが越冬するところとして有名ですが、21日のニュースで死んだナベヅルから高病原性の鳥インフルエンザが検出されたそうです。

 JNNニュース

 まだ韓国では報道されていないので、こちらのHPにも概要を載せました。

 日韓環境情報センター

 ナベヅルは、10月から11月の間、韓国のナクトンガンのヘピョン湿地などで1~2日、一休みして日本に向かうそうです。また、最近はスンチョン湾で越冬する個体も増えてきました。
 
 ただ問題だったのが、越冬地が一箇所に集中している点。出水だけで1万羽以上越冬し、これが全世界のツル、とりわけナベヅルの場合は、80%以上がここに集まっているのですから、心配です。鶏やカモのように、鳥インフルエンザに弱かったら、本当に大変な話になってしまいます。

 そういえば、トクスリ(ハゲワシ)をコソンで見たと書きましたが、コソン以外にもイムジン江が越冬の地として、知られています。今年、このイムジン江でトクスリが30羽以上死んでいたそうです。いま、解剖して原因を調べていますが、まだどのようなことで多くのハゲワシが一度に死んだのか、こちらのほうも心配です。

 

テレビのコマーシャルから

2010-12-19 03:30:20 | 韓国あれこれ
ある製薬会社のコマーシャル



 どこかで見たことのある<絵>だなと思ってよくよく考えると、小林薫が主演の「深夜食堂」と雰囲気がそっくり。
 こちらの食堂の主人はキム・ガップス。最近はテレビドラマで活躍していますが(ドラマの中で死ぬシーンが多いので、有名)、以前「箪笥」というスリラー映画でお父さん役で出ています。

 今回、じっくり見たら、CMの中の台詞がいいですね。

“(食堂のカウンターでうどんを食べている男)
 あれほど、嫌いだった親父だけど
 いつの間にか
 親父のようになってしまった
 (父親と写っている写真を取り出す)
 好きな食べ物まで

 「人生を消化する(分かる)には、時間がかかるじゃないか」

 懐かしさを飲み込む
 心の消化剤
 フェスタル・プラス”

 ちょっと宣伝になってしまいましたが、よくこんなCMを作ったなと、感心しました。カウンターだけの食堂というのは、韓国ではまずお目にかかれません。それだけで、普通の韓国人は、あれ、と思うのかもしれませんね。あるいは、日本的な雰囲気が、すぐに分かる人もいるでしょう。

 でも、このCMの台詞、僕もまったく同じなので、愕然としています。好きな食べ物だけでなく、食べ方も同じ。食べている途中で、よく咽るのも同じだし、困ったものです。



開門、おめでとう!

2010-12-18 04:29:32 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 このタイトルで、どんな内容か分かった人は、このブログをきちっと読んでいる人ですね。たぶん、日本のテレビで大きく報道されたと思いますが、諫早干拓訴訟で国が上告をあきらめ、潮受け堤防の常時開門をすることになりました。

 特に、10月に長崎に行って実際に裁判を傍聴し、また11月にはスンチョン湾ツアーで弁護団や支援の人たちと韓国を一緒に旅行したので、いっそう身近に感じる勝利です。

 弁護団や漁民市民ネットワークの声明文が<日韓環境情報センター>のHPからダウンロードできますので、ぜひ見てください。

 <日韓環境情報センター> 海、湿地を守る

 ぜひ、この裁判のことを、じっくりと韓国のみんなに伝えたいと思います。まだまだ、この裁判のすばらしさ、ものすごさ、勝利への貪欲さが十分に伝わっていない気がします。例をひとつとると、スンチョン湾ツアーの言いだしっぺの後藤先生は、今まで月に2回は上京して、東京の仲間と一緒に国会議員にチラシを渡すという地道な活動(その上、お金のかかる活動です、全部自腹なので)をしてきています。

 これが当たり前のように行われた「有明訴訟」。来年、ぜひ韓国の弁護士や環境保護の関係者といっしょに、じっくりと話し合う場を作ろうと、いま準備をしています。もちろん、有明の再生まで、まだまだ多くの試練があると思いますが、この勝利は韓国の運動にも大きな励みになりますし、どこか&いつかプラスになるはずです。

 韓国は4大河川関連の裁判で、ハンガンもナクトンガンも負け、パルダンで測量に反対した地域の人に有罪判決(罰金300万ウォン)が下りました。また、京畿道を名誉毀損で訴えていた訴訟もダメでした。ちょっと、いま、正直言って、厳しい状況です。でも、どこかに展望があるはずです、諫早の闘いでもこんな局面はあったはずです。僕たちは絶対勝つんだ、なぜなら、勝つまで闘い続けるからだという、弁護団の言葉をもういちど、心に刻もうと思います。


日韓トキシンポジウム(2)

2010-12-17 01:26:13 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 さて、ハゲワシ観察の後は、お昼ご飯。

 

 キム・ドクソン先生の紹介のお店。タラやビクニン(カサゴの仲間、韓国語では물메기と言いました)のスープがおいしいです。さっぱりして、体が温まります。(すみません、食事の解説と通訳と食べるのに忙しく、写真がありません)コソンに行ったら、ぜひどうぞ。

 

 

 さて、その後、コソン郡が作った農業技術関係の研究所を訪問。ここではお金のかからない有機農業を目指しています。というのも、韓国では有機農業で使う肥料も専門の業者(だったと思います)から購入するため、かなり高いそうです。有機肥料を購入するという話はパルダンでも聞いたことがありますが、どうなんでしょうね。堆肥を作るにしても無農薬の草木や葉を集めるのですから、大変なのは分かりますが。
 また、ここでは除草剤や農薬の代わりに漢方薬を使っています。農業もやっている土谷さんや植物生態学が専門の本間先生、いろいろ聞きたかったようですが、時間がなく、残念でした。ぜひ、次の機会にどうぞ。(もしかすると、この研究所のスタッフが6月に佐渡に行くかもしれませんね)

 

 

 その後、コソン郡の役場に行って、郡知事と挨拶。実は、名古屋のCOP10のとき、飲み屋であった方で、有機農業や環境にとても関心がある知事です。
 下の写真は、コソン郡役場の前庭にある恐竜の模型。コソンには世界でも有数な恐竜の足跡が化石で残っているところ。このあと、恐竜エキスポの会場にも立ち寄りました。

 

 さて、コソンでは田圃に入って、トキの餌場になるかどうかのチェックをして見ました。
 
 

 根っこの周りにミミズが作った穴があったり、モグラが通った後があったりすればOKです。また、わらを敷いておくとその下にクモが棲みつき、クモを食べるほかの生物がくるので、トキの餌場になるそうです。

 また、水路を点検してみました。この写真の水路よりちょっと幅が広ければ大丈夫だそうです。ただ、壁の部分が90度に近いのはだめで、トキが歩いてあがれるぐらいの傾斜が必要です。もちろん、水路がコンクリートで固められているのもだめです。

  

 やはり、こうやって経験者と現場を歩くと、よく分かりますね。ウポ沼に行かなくても、どんな田圃にトキが来るか、トキはどんなやりかたで餌を食べるのかも調査しましょう。
 
 

 さて、翌日の10日がシンポジウム。PGA湿地生態研究所のハン・ドンウック所長から10月の佐渡での調査を踏まえて、どのような基準でウポ沼周辺の餌場つくりをするかという報告があり、そのあとは、日本からの発表が中心に行われました。

 
  
 トップバッターは新潟大の本間航介教授。トキはアジアの鳥だという言葉が印象的でした。放鳥のあと、トキがどのようなところに暮らしているかがよく分かりましたね。

 

 次が環境省野生復帰ステーションの笹渕保護官。今までの放鳥の方法とその後の様子を具体的に説明してくれました。特にハードリリースとソフトリリースの違いで、その後のトキの生息の状況がまったく違うのに驚きました。

 

 三番打者が土谷さん。毎朝、モニタリングを行い、夕方にはモニタリング担当者で報告会をして、その間に働いているという、ものすごい方です。中学生ぐらいからトキや鳥を追いかけ始めたそうで、本当にトキをよく知っています。でも、いつもトキから教わっているそうです。

 
 
 最後が佐渡市役所の池さん。エンターテーナーというか営業部長というか、この方もすごいですね。善意やボランティアでは長続きしない、生業(この言葉は使っていませんが)と結びつかない限り、トキの餌場つくりは失敗すると言う話には説得力があります。この発想は、僕たちが関わっている湿地保全の<賢明な利用>にも繋がりますし、僕がやろうと考えている<日韓環境情報センター>も生業としてやらない限り長続きしないでしょう。
 このことを<認証米>という形で実現させた佐渡の人たちの底力には圧倒されました。でも、みんなでわいわいやりながら始めたみたいで、土谷さんをはじめとする佐渡の人たちがバス1台で豊岡に行ったのがきっかけだったというのも、興味深い話でした。(こんど佐渡でゆっくり聞かせてください)

 

 

 最終日は移動日。早めにソウルに戻って、延世大学、インサドン、清渓川公園や広蔵市場(クァンジャン・シジャン)を見学。夜、18時の飛行機で新潟へ帰国。お疲れ様でした。ということで、嵐のような4日間でした。(それなのに、通訳費は3日分とはいったいどんな計算なんでしょう?)

 さて、韓国でのトキの放鳥ですが、来年中には国の保護鳥に復活する予定です。そうすれば政府予算も付くので、僕も通訳費だけでなく事前の打ち合わせ費やネットワーク運営費などもちゃんともらえるように、ならないかな…。

 それはさておき、6月の第2日曜日に佐渡で行われる<田圃の生き物調査>に、ウポ沼やコソン、慶尚南道や環境部の担当者なども参加して、懸案事項を一気に解決するのが早そうです。日本の環境省の担当者も参加すれば、いろいろ突っ込んだ話もできるわけで、これが当分の間、ポイントになりそうです。まあ、僕個人としては、20名から30名ぐらいのメンバーで参加できれば良いなと、思っています。

 今後、多くの人の協力や支援が必要になると思いますが、ぜひよろしくお願いします。

日韓トキシンポジウム(1)

2010-12-16 01:57:46 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 日韓トキシンポジウムが終わって、数日立ちましたが、まだ余韻が残っています。いままで、いろいろなシンポジウムに参加してきましたが、今回のはいろいろな意味で、ヘビー級でしたね。

 まず、写真の紹介からしましょう。

 

 インチョン空港に着いたのが12月8日の12時ごろ。新潟空港からプサンへの直行便がないので、インチョンからキンポ空港へ移動して、そこから国内線に乗ってプサンへという移動にまるまる1日かかるルートです。左から、環境省の笹渕保護官、佐渡市役所の池係長、地元でモニタリングを毎日やっている土谷さん。僕と新潟大学の本間先生は、窓に写っています。

 

 おなじみのインチョン空港の干潟。やっぱり始めてみると衝撃ですね。干満の差が10メートル近くあるというのは、すごいです。窓から見えるのが江華島です。

 

 

 この日、チャンウォンに着いたのが6時近くです。新潟空港が朝9時半の飛行機でしたから、本当にお疲れ様。というわけで晩御飯はこれ、ポッサムキムチ。韓国の食事で疲れも飛んでしまったようです。

 

 

 さて、翌日の9日は現地調査。無事にチャンニョンに行って…といいたいところですが、実はこの写真はコソンという街です。今回、韓国の慶尚北道では口蹄疫、日本の島根のほうでは鳥インフルエンザのダブル・パンチでウポ沼の近くには行けませんでした。
そのため、急遽、ハゲワシの越冬地になっているコソンに行って、見学をすることになりました。

 

 遠いですが、えさの豚の骨を食べているハゲワシです。毎日、400キロほどの量を肉屋から安く分けてもらって、えさとして使っています。もう、10年ぐらいになるそうで、中心のキム・ドクソン先生は僕らの湿地仲間。実際にえさをやっているのをみたのは、僕も初めてです。

 

 日本からのみんなもはじめてで、こんな感じで夢中でシャッターを押しています。ハゲワシは生きている動物は食べませんので、人間と同じですね、肉屋にある肉とか骨は食料になります。以前、60年代までは、韓国でも冬の渡り鳥として非武装地帯などにたくさん来たそうですが、最近は動物の死体がないので、数が減っています。今日のニュースでも10羽ほど死んでいるのが見つかりました。
 で、コソンでやっているのが、いわば人の手によってえさを食べているわけで、これが良いのか悪いのか、難しいところです。自然の環境で、毎日動物の屍骸があるというのは、ほぼ不可能に近いでしょう。このようなえさがなかったら、餓死するのも目に見えています。じゃあ、どうするか。トキの野生復帰でも、同じような問題にぶつかりそうな気がしました。

 

 ハゲワシを観察した後、すぐ脇の田圃をみてトキのえさがあるかどうかをチェックする土谷さん。さすが、モニタリングのベテラン、一つ一つ丁寧に説明してくれて、とても参考になりました。やはり、いっしょに現場を回ると、すぐ分かりますね。

 韓国でのトキの野生復帰にはいくつかの課題があります。
 まず、固体数の増加の問題。中国からは1つがいを貰っただけなので、これ以上増やすのは厳しいです。血統の違うトキを連れてくる必要があります。
 つぎに、国家の保護鳥になっていないという問題。すでに絶滅したため、保護鳥でないのです。そのため、人工飼育や野生復帰のために、国家予算が使えないという問題があります。
 最後に、トキのえさの確保の問題です。韓国で放鳥の対象になっている地域のウポ沼には私有地がたくさんありますが、農耕地の中には二毛作を行っているとことが多いそうです。そのような場合、どのようにして餌場となるビオトープを作るのかという問題。また、湿地保護地域でラムサール条約にも登録されているため、休耕地などを中心に環境部が買い上げた土地もかなりあります。そこを中心にビオトープと作ることになりますが、果たして<上>からのやりかたで、必要な面積を確保できるかという問題も出てくるでしょう。
 このほかにも、トキがほかの場所に移ってしまったらどうするか、寒い冬(水の少ない冬)をどのようにするかなど、問題はたくさんあります。

 では、このような問題はシンポジウムの場で解決できたでしょうか?(続く)

 

 

これから佐渡の方々とウポ沼に行きます

2010-12-08 12:03:44 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 いま、インチョン空港です。もうすぐ、佐渡でトキ保護活動をしている方々と合流して慶尚南道のウポ沼に行きます。ウポ沼では2008年に中国からもらった1つがいのトキから5羽が産まれ、いま7羽のトキがいます。2015年を目標に、野生復帰を目指しています。
 
 9日にウポ沼周辺の現地調査、10日に日韓シンポジウムが行われ、いつものように僕は通訳での参加です。4日間、同行しますので、あまり時間がありませんが、できるだけ写真や記事をアップしていきましょう。

4大河川事業(ハンガン)訴訟、敗訴!

2010-12-05 03:54:04 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 12月3日に、ソウル行政裁判所で4大河川事業のハンガン部分の工事許可の取り消しを求める訴訟の判決公判があり、裁判所は国側の主張を認め、原告敗訴となりました。新聞記事を訳しましたので、ご覧ください。

 日韓環境情報センターHP <環境保護 2 川、流域を守る>

 本当に公共事業の工事差し止めという裁判は日本でも難しいですが、韓国でも同様です。 
 ただ、このような裁判だけやっていたら、1歩も前進しないのも事実でしょう。差し止めを求める闘いは、いわば正面突破の正規戦。中央政府の決定というのは、そんじょそこらではひっくり返らないでしょう。やはり、もう少し工夫をして「ゲリラ戦」というか、相手の弱点をみつけて集中する戦いをしないといけないでしょう。

 また、環境関連の裁判で一番大切なのは被害者です。被害者で始まり、被害者で終わる、というのが日本の公害裁判の基本になっています。僕も4大河川で流域住民にどのような被害が出たか、分らないところもありますが、やはり被害を暴いて、被害者が立ち上がれるために、僕たちは何をすべきだったのか、もう一度点検する必要がありそうです。

 いま、4大河川事業を廻って、来年度の予算をどのように成立させるかで、与野党の攻防が激しく行われています。ただ、北朝鮮の砲撃事件以降、韓国全土が国家安保の問題をめぐって、様々な意見が飛び交っていて、4大河川事業反対という声は消されそうとしています。このままじゃあ、来年の12月ごろには、すべてダムが完成しそうです。

 5日は午後2時からソウル市庁前で4大河川反対の集会が行われます。果たして、どのくらい集まるのか注目です。