死刑の執行方法 絞首刑に対する考え方を聞かれた鳩山法相

2007-10-25 | 死刑/重刑/生命犯

死刑執行までの期間 鳩山法相、刑訴法改正の可能性を示唆
10月24日23時12分配信 産経新聞


 鳩山邦夫法相は24日の衆院法務委員会で、死刑判決確定から法相による執行命令までの期間を刑事訴訟法が6カ月以内と定めていることについて、「半年という規定が実態に合わずあまりに短すぎるなら、国会に諮って若干伸ばすという方法もあるかもしれない」と述べ、法改正の可能性を示唆した。

 神崎武法氏(公明)の質問に答えた。法務省は昨年10月の参院法務委員会で、平成8年から17年までの10年間に死刑を執行した32人の刑確定から執行までの平均期間は約7年5カ月だったことを明らかにしており、実際の執行手続きは刑訴法の規定通りに行われていないのが実情だ。

 さらに、保坂展人議員(社民)に絞首刑に対する考え方を聞かれた鳩山法相は、「現行法がそうであることは十分認識しているが、何かもっと少し安らかな方法はないかという率直な思いはある」と答弁した。

 鳩山法相は9月に東京拘置所を視察。その際に刑場の様子を見ており、「(刑場を見て)思い出したのはフランキー堺さんが主演したドラマ『私は貝になりたい』。刑の執行という恐ろしいドラマで、あの衝撃は忘れ得ないものがある」と述べた。

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<来栖のつぶやき>

 鳩山さんの発言、死刑制度の本丸に入ってきた。故死刑囚勝田清孝は、裁判で、事実関係とともに死刑制度についても争った(8名もの命を奪った被告人ゆえ、弁護人としては「制度」で争うしか方途が無かったか・・・)。絞首刑(縊首刑)が憲法の禁止する「残虐な刑」にあたるのではないか、という主張だった。また弁護人は、「縊首刑は、現行憲法においては、死刑の執行方法としては規定されていない。明治の太政官布告で定められたままである」とも主張した。残虐な刑を禁止している憲法だが、死刑がそれにあたるのか否か、肝心の執行方法の定めがない、と。「何が残虐であって、何がそうでないか。国民の感じ方は時代によっても、変化するのではないか」とも。

 鳩山発言を、清孝はどう眺めるだろう。

 鳩山さんの「自動的に」の発言に接したときは、なんというひどいことを、と思ったが、「法務大臣の立場にいる者でさえ、死刑執行の判を押したくない」という正直な気持ち。ことほど然様に、死刑とは、重いものだ。判決言い渡し(司法)においても、執行(行政)においても。

 鳩山発言が契機となり、今後広く議論されることを願っている。


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