てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

わげもん~長崎通訳異聞~第4話:光さす海5

2022年02月05日 | わげもん~長崎通訳異聞~

長崎の港の沖に停泊する、神頭有右生(こうず ゆうせい)髙嶋政宏 の唐船に長崎奉行所の捕り方から火のついた矢が放たれる。
船には、神頭の仲間吉次(きちじ)サンディー海・伊嶋壮多(いじま そうた)永瀬廉・トリ(都麗)久保田紗友そして、長崎奉行所の交渉人として森山栄之助(もりやま えいのすけ)小池徹平 が乗船していた。

栄之助が交渉前に、交渉が失敗し船が狼藉を犯したときは、躊躇なく攻撃して欲しいと長崎奉行:井戸対馬守覚弘(いどつしまのかみさとひろ)石黒賢や長崎奉行所の船掛:白井達之進(しらい たつのしん)宮川一朗太に頼んでいたため、焦った白井と大通詞で蘭語通詞会所の長:杉原尚蔵(すぎはら しょうぞう)矢島健一 が、長崎奉行に攻撃を進言したのだった。

容赦なく矢を打ち込んでくる奉行所側に、驚く栄之助や壮多。
栄之助が船から顔を出し、この事態について聞くと役人から奉行からの手配だと言われ
船から飛び降りるように命令される。

トリや壮多は、神頭の説得を試みる。

先生、長崎に帰ろう。

出直しましょう、船出は諦めていません。
次は、光の射す沖へ・・・。

その言葉に、心を動かされる神頭。
神頭は闇の中、ずっと光を求めてうごめいていたのだ。

だが・・・

お前は、何も解ってない。

この閉ざされた国では、許可なく自由に旅立つことを許されてはいないのだ。

その時、焼け落ちた船の帆掛けが降ってくるのを見て
神頭はとっさに、壮多を栄之助のいる方へ突き飛ばす。

燃える船と運命を共にするつもりなのか、神頭は壺を抱えて舳先へと昇る。
壮多は神頭を連れ出そうとするが、炎に邪魔されて彼の元には近づけない。
そんな壮多を見て、神頭は

俺を憐れむな、罵れっ!

そう言って、壺に入った液体をまき散らし
その中に、火のついた矢をつまんで放り込んだ。
火の勢いは益々強くなり、栄之助とトリに引き留められる壮多。

神頭さん、神頭さんっ!

栄之助とトリから船から連れ出されるとき、壮多の懐から
父親の手帳を甲板の上に落としてしまう。
神頭は壮多たちが避難するのを見届けるように、船と一緒に炎に包まれていった。

夜が明けて

まだ燃えて煙のくすぶっている船底を、浜辺から眺める壮多とトリ。
長崎は、壮多からまた大切な人を奪ってしまった。

長崎に、くんちとよばれる祭りの季節がやってきた。

柳屋では、男衆が店先の掃除をしている。
遠くではシャギリの音が賑やかだ。
アヤカの子どもにとっては、はじめてのくんち。
女将のしず(紅壱子)をはじめ、女たちにとってすっかり子どもは人気者だ。
めんじょかね。と言われ随分と可愛がられている。

壮多は、神頭の部屋だった今は自分の部屋の前の廊下に腰かけ
外の祭りの喧騒に気づかないのか、ぼんやりと中庭を眺めていた

壮多・・・くんちの稽古ば見に行こうでん、初めてやろ。

少し離れた場所から、トリが声をかける。

しかし、壮多はまだそんな気分にはなれず
浜へ行ってくる、そう言って出かけて行った。

あれから何日かが過ぎ、浜辺から見る長崎の海には、神頭の船の気配はどこにも残ってない。
すると、壮多に近づいてくる栄之助。

お前んとこに行く途中やった。

そう言って、栄之助は布に包まれたものを壮多に手渡す。
それは、少々焦げたあとの残る壮多の父の手帳だった。

こ、これっ。

ところどころ焦げてしもうたばってん、水には浸こうとらん。
字もそう滲んではおらんばい。
こん身より先に舟に投げ入れたけん。

森山さんが、これを・・・。

壮多が手帳を開くと、
「己の言葉を捨てよ」という父の書き残した心得の後ろに
文字の書かれた紙が挟まれていたことに気づく壮多。

大田さんが、忠弥(ちゅうや)蟷螂襲 さんから預かっとったもんたい。

ヤンセン - 村雨辰剛に殺された出島の内通詞:忠弥は、亡くなる直前に大通詞:大田崇善(おおた そうぜん)本田博太郎
に会いに来ていた。
どうやらそのとき、預かったようだ。
栄之助と壮多が後ろを振り返ると、そこには大田崇善・清十郎(おおた せいじゅうろう)浅香航大 親子がいた。

忠弥さんが・・・。

周吾さん、お前ん父親の書き付けたい。
どうということはなか、ただの単語の覚書きたい。

4~5枚の紙には、少しずつ単語が書かれており
その中の一枚には、筆記体で

My dear son
 壮多

そう書かれていた。

My dear son

壮多が読み上げると

私の愛しき息子 そがん意味ばい。

そう言って栄之助が内容を和訳してくれた。
時を超えて、父の自分への温もりが伝わってくる言葉だった。

そこへ、トリが未章(みしょう)トラウデン都仁 と一緒に駆けつけてくる。
探していた父親は失っていたが、長崎の新しい仲間たちが
今は壮多を支えてくれることに安心する栄之助。

新しき言葉は、お前が記せばよか。(壮多、顔を上げる。)
じゃぁ。

そう言って、栄之助は立ち去って行く。
その背中に向かって、壮多は声をかける。

森山さん、俺、通詞になります。
・・・長崎で。

振り返り、その言葉を聞いた栄之助は

塾で待っとる。

そう言い残して、戻って行く。
壮多のもとには、トリ・未章・清十郎が駆け寄ってくる。
清十郎は今度こそ、壮多と共に学べることを喜んでいる。
トリや未章に、涙目になっていることをからかわれる清十郎。

トリ:泣いちょる。

未章:泣いちょるばいっ、やーぃ!

清十郎:泣いちょらんっ!

トリ&未章:泣きべそかぶり、泣きべそかぶり、泣きべそかぶりっ!

清十郎:やぐらしかっ!

笑い出す若者たちを、遠巻きに見て微笑む崇善。
気にかけていた息子の成長が、素直に嬉しいらしい。

森山の私塾で

己の言葉を捨てよ。

通訳はいつでも
古きものにとらわれることなく
新しきことばと出会えるものであれ

ラナルド・マクドナルド(木村昴)との別れの言葉のとおり
大通詞杉原尚蔵の息子、稽古通詞:杉原敬生(すぎはらけいしょう)重岡漠 ら若き通詞見習いたちが
熱心に栄之助の英語塾に通っている。

壮多。

はい、和解いたします。

勿論、壮多の隣には清十郎も一緒だ。

don't be afraid.

恐れるな 己の言葉を持て

 

夕暮れたどこかの浜辺

海沿いの街道を旅人たちが通り過ぎる。
その浜に引き上げられた小舟。
顔に手拭いを巻いた男が、寝転んでいた。
起き上がったその男が、包帯か目隠しのように巻いた手拭いを外すと
それはなんと、顔の一部に火傷を負った神頭であった。
そう、この町では皆に認められなければ死んだことにはならない。
彼自身が言った言葉は、その後の彼にどのような行動を与えるのだろうか。

In the beginning was the word

エンディング

お疲れ様でした。
以前、スペシャルトークで高嶋さんが内田Pさんに神頭の名前についてちらっと言っていたのですが
神頭有右生(こうず ゆうせい)は、漂流後に名乗った名前で
もしかしたら、漁師の頃の神頭有右生(こうず ゆうせい)は、別の名前だったのかも知れません。
聖書を和解するにあたり God *** said(と言っていた) からモジっていたのかな。と考えられます。

くんちはシャギリの音だけだったけど、出てきましたね。
また純粋にお祭りを楽しむときが、いつか来て欲しいです。
本来なら出島もこのドラマで盛り上がっていた筈だもんね。

では、皆さま?おつきあいありがとうございました。

イムンア エナ ポーキィ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 良心的と言うベッキーですか | トップ | しばらくは忙しくなりそうなので »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

わげもん~長崎通訳異聞~」カテゴリの最新記事