魚を煮るときは、“煮汁を十分に煮立ててから魚を入れる”のが、旨味を損なわないための常識です。 ところが、今この方法で煮ると煮崩れしてしまうことが多いようです。 その訳は、アジやイシモチ、メバルなど昔は一本釣りで釣った魚なども、現在では網で大量に獲っているため、表面に傷が一杯付き、弱くなってしまっているからです。 また、一度冷凍された魚は、それ以上に皮の組織が弱くなっているので、急激な熟を加えると身がはじけて煮崩れしやすいようです。 そこで、魚を崩さずに仕上げるには、鍋に飾り包丁を入れた魚を並べ、そこに冷たいままの煮汁と調味料を入れ、中火にかけるます。 こうして煮ると、表面のタンパク質がゆっくりと固まっていくので身がはじけることもありません。 ただし、魚の味が多少水に摂られるので、煮汁は残さず煮切ることが肝心です。 さらに少し濃いめに味つけするのがコツですよ。 ちなみに、水から魚を煮ていく方法は、佃煮を作る時に使われます。