よりみち文化財

ちょっと寄り道して出会える、遺跡や石仏、史跡や鹿児島の田の神さぁを紹介

松下田の田の神さぁ

2007年05月30日 | 田の神さぁ
鹿児島県入来町松下田

山間に拓けた田圃が見える場所におられる田の神さぁ(タノカンサァ)。
像高は61㎝とわりあい小さいが、彩色が施され、造形に動きがある。
右手にメシゲ(飯をつぐための杓子)を持っているのが印象的だが、服装をよく見ると股引姿である。股引はむかし、農作業などによく使われたもので、裾のところを膝下で絞れるようになったズボンのようなものである。
今までよく見かけた田の神さぁは、袴姿だった。
服装の違いは造立年代の違いによるものとされる。銘には元文2年(1737年)の造立とあるから、袴姿が多かった田の神さぁに加え、この頃には股引姿の田の神さぁが現れるようである。




Photo