よりみち文化財

ちょっと寄り道して出会える、遺跡や石仏、史跡や鹿児島の田の神さぁを紹介

田の神さぁ 加治木町日木山

2007年05月12日 | 田の神さぁ
鹿児島県姶良郡加治木町、日木山の「田の神さぁ」(田の神さん)。

九州道加治木ICから高速道路に入る前に立ち寄りました。
田の神さんは鹿児島と宮崎の主に水田近辺に見られる、豊作を願って建てられた石像で、「たのかんさぁ」と呼ばれます。この田の神さぁを祭るお祭りの際に踊るのが「田の神舞」と呼ばれる舞(踊り)ですが、この田の神さぁはその「舞」を舞っている姿を映したものと言われます。
江戸時代の建立で、当時田の神さぁの眼の前に広がっていたであろう水田も、周辺の開発で少なくなってしまったようですが、ずっと笑顔で立っておられます。
表情や仕草の表現はリアルで、「今年はこれまでになく豊作の年で、思わず笑みがこぼれてしようがない」といったような、喜びにあふれています。
「田の神さぁ」といえばまずこの笑顔を思い出すのは私だけでしょうか?
石仏や石像を巡り歩いていると、たしかに心和むような笑顔によく出会いますが、ここまでうれしそうな表情をされると、こちらも思わず微笑んでしまいます。
右手に持っているのは飯をつぐ「メシゲ」と呼ばれる、しゃもじのようなものです。
現地の案内板によると、江戸時代・天保年間(西暦1830~1843年)の建立で、現地の石工、名島喜六の作だそうです。
加治木産二瀬戸石(ふたせといし)製
像高:約85cm
精矛神社(日木山神社)の参道を鳥居の手前で道なりに西へ向かい、徒歩7.8分。高速道路をくぐって北へ向かうとすぐ。








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