よりみち文化財

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室園神社の肥前鳥居

2007年05月29日 | 鳥居
佐賀県唐津市厳木町大字厳木 室園神社

佐賀から唐津に向かう国道203号線沿い、JR厳木駅近くの室園神社に古い鳥居がある。
室園神社は、天正2年の創建で、この近くにあった獅子ヶ城の城主が、城の鬼門の祭神としてここに蔵王権現を祀ったことに始まる。(獅子ヶ城からみて、この神社がある方角は鬼門にあたる。)
この神社には鳥居が2つあり、二の鳥居に「天正十八年庚寅十一月吉日」「願主 鶴田上総介源賢」の銘が刻まれている。
天正18年(西暦1590年)といえば、豊臣秀吉が文禄・慶長の役の本陣として肥前に名護屋城の築城を始める直前になる。400年以上こうしてここにあるらしく、
佐賀県内にある鳥居としては最も古いもののひとつと言われる。
高さ2.38m、笠木の長さは2.74mで、柱の太さのわりに貫までそれほど高くはない。くぐる際には思わず姿勢を低くしてしまう。それだけに、造立から経た時間の長さを感じさせる。

肥前鳥居は、佐賀県内に広く分布するこの地方に独特な形の鳥居で、
・笠木と一体になった島木、貫はそれぞれ3つの石の組み合わせになっている。
・3本継ぎの柱は、下部が次第に太くなる。
・笠木(及び島木)の両端ががゆるやかな曲線を描いて反り上がる。
等の特徴がある。




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