よりみち文化財

ちょっと寄り道して出会える、遺跡や石仏、史跡や鹿児島の田の神さぁを紹介

真中馬場の田の神さぁ

2007年11月30日 | 田の神さぁ
鹿児島県 湧水町

JR肥薩線の西を線路に平行して南北に走る、県道102号線(木場吉松えびの線)沿いに、田の神さぁが居られます。
以前、夜道をえびの方面に向かうところを迷ってしまった時に出会った田の神さぁです。今回鹿児島に向かう途中、えびのICで九州道を降りたので、ちょっとよりみちしました。

女性の田の神さぁのように見えます。観音様、といった雰囲気でしょうか。
身体の大半は地中に埋まってしまっているようです。長い年月の間に、斜面の土が少しずつ流れ落ちて、田の神さぁの身体を埋めてしまったのかもしれません。



田の神さぁの居られる場所には屋根があり、花も沢山供えられていました。大切に祀られているようです。


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地図に表示されている「新中馬場」というのは、「真中馬場」のことでしょうか。それとも、「新中馬場」という地名がすぐ近くにあるのかもしれません。
文献でも、田の神さぁの居られる場所は「真中馬場」とあるので、田の神さぁの名称は、「真中馬場の田の神さぁ」としました。










勝宿神社(かしゅくじんじゃ)

2007年11月29日 | 建築
佐賀市 久保泉町 川久保

夏にはよく車で涼みに寄っていた神社です。鳥居をくぐったところにある石橋にもみじの樹があったのを思い出して、紅葉を観に行きました。


鳥居の上の公孫樹も、見ごろとなっています。


拝殿
この勝宿神社には、神代勝利公をはじめとして歴代の川久保(当地)の領主が祀られているそうです。


本殿は”流造り”で、江戸時代に建てられたものです。
長崎から棟梁を招いて建てられたものと、現地の案内板にあります。
江戸時代に立てられた神社建築には壮麗な彫刻が多く見られますが、勝宿神社のものは特に緻密に彫りだされ、立派なものです。
小さな建築ですが、抖栱(ときょう)や反り屋根のバランスが素晴らしく、華麗な装飾ながら、どっしりとした、重厚な安定感があります。


懸魚(げぎょ・屋根の妻部分の装飾)の下には、龍と思われる彫刻があります。


抖栱(ときょう)。亀腹(かめばら)と呼ばれる台の上に、建物を支える木組みが見えます。








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星巖寺の五百羅漢像

2007年11月28日 | 紅葉
以前に龍宮造の山門を紹介しました小城市の星巖寺に、五百羅漢像があります。

写真は11月23日の午後に撮影したものですが、紅葉も見ごろになって、羅漢さまのそばにあるもみじも、真っ赤に染まっていました。
紅葉の時期になればずっといい眺めになるはず、と思っていた場所ですが、やはり紅葉に囲まれながら山道を歩くのは心がやすらぎます。

羅漢さまの姿や表情も、見ているだけで楽しいものです。
山門からまっすぐ歩いてきて階段を上ると、目の前に五百羅漢像と紅葉があるのですが、静寂な境内で、動きにあふれた像の様子と、風にそよぐ紅葉のざわめきがなんとなく不思議な空間を作り出して、たった今しがた羅漢さまがもみじの樹をゆすって一面の紅葉にしたようにも思われます。



現地の案内板によれば、この五百羅漢像は江戸時代中頃に造立されたもので、三里西川の石工、平川徳兵衛一族の作と伝えられているそうです。
小城市重要文化財







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神埼市 九年庵

2007年11月18日 | 紅葉
佐賀県 神埼市

仕事が午後からになったので、午前中は神埼市の九年庵に寄ってみました。

九年庵は明治時代に、佐賀の実業家伊丹弥太郎が造った別荘で、建物は明治25年に建てられましたが庭園は明治33年から9年の歳月をかけて築かれたと言われています。
「九年庵」というのはそこから名付けられたものですが、この「九年庵」(もとは別荘の建物そのものではなく、その西北にあった茶室の名前だそうです。この茶室は現在、基礎の部分のみが残っています。)とその庭園は毎年11月15日から23日までの9日間、一般公開されています。公開時間は午前8:30~午後4:00です。
ただし、人数の多い場合は入場を制限することがあるとのことで、開場時間の8:30には現地に到着しておくのがいいと思います。

私の今日、午前9:30に現地に着いたのですがもらった入場整理券の番号は、702800番でした。2800番目、ということでしょう。団体客が非常に多かったこともあってか、開場1時間後に着きながら、庭園内に入るまでの行列に並んだ時間(待ち時間)は30分でした。歩くと5分もかからない道のりなので、かなりの人出です。

紅葉はいまひとつ、と言うところでしょうか。昨年はどこでも、今頃はもみじも真っ赤に染まっていたのですが、やはり今年の紅葉は遅いようです。


茅葺の数奇屋建築です。平成7年に国の名勝として指定されました。庭園は久留米市の誓行寺住職、阿(ほとり)和尚の手によるもので、6800㎡もありますが、景色を見ながら歩いてゆくと、いつの間にか出口にたどり着いてしまいます。




各地からツアーが組まれているようで、団体でこられる方も多いようです。

公開中は、麓にある仁比山神社の仁王門南に本部が設営されて、入場整理券が配られます。
庭園を出たのは11時頃でしたが、入場整理券を配る本部前では、入場まで45分待ちの表示がありました。


駐車場がはなれた場所にありますが、シャトルバスによる送迎があります。
バスの駐車場からは少し距離がありますが、公園を歩いたり橋を渡っての移動であり、沿道には屋台・露店もでているので退屈はしません。
途中の道沿いには案内の方が要所に待機して居られ、駐車場へ誘導してくれます。

現地までのアクセスについては、神埼市観光協会のホームページに詳しい説明があります。






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紅葉の浄瑠璃世界 ~当尾・浄瑠璃寺

2007年11月02日 | 紅葉
京都府相楽郡 加茂町

11月に入り、九州は少し涼しくなってきました。天気予報によると明日朝はかなり冷え込むようで、やっと紅葉の季節が訪れそうです。
京都府の南端、相楽郡加茂町の当尾は石仏の里として有名ですが、そこに浄瑠璃寺というお寺があります。
昨年訪れたときは、山門をくぐってすぐ右手にあるもみじが非常に印象的だったのですが、今年の紅葉はまだかもしれません。
また、そのときはちょうど、11月だったので、秘仏とされる吉祥天女像の公開がありました。秋季は10月1日から11月30日まで公開されるそうです。鎌倉時代の造立ですが、色彩と造形がすばらしく、見ていると時間を忘れるほどです。


写真は境内の東側にある三重塔です。寺院創建時のご本尊が薬師如来像(重要文化財)であり、薬師如来の浄土である浄瑠璃世界から「浄瑠璃寺」と名付けられたそうです。


西方の阿弥陀堂

また、阿弥陀堂には、もうひとつのご本尊である九体阿弥陀如来像(国宝)がまつられています。薬師如来像も九体阿弥陀如来像も、「藤原時代」と、拝観のしおり(パンフレット)に書いてあるので、平安時代後期の造立です。



東方の三重塔は平安時代後期の治承2年(1178)の建立


奈良市内、近鉄奈良駅前からバスが出ていたので乗り、「浄瑠璃寺口」というバス停で降りてから石仏を見ながら歩くと、到着するまで2時間ほどもかかりました。やはり石仏を見て歩くことが当尾での楽しみなのですが、ほとんど車道を歩くことになり、また坂道も多く意外と疲れますので、充分に時間をかけて歩くのがいいと思います。
浄瑠璃寺からは岩船寺のほうに向かう道も延びていますが、JR加茂駅までいくつかのコースがあります。徒歩で石仏を訪れる山間部の道も多いようです。






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