おじいさんは年一度豆を撒く
その時「家長だ」と自分に言い聞かす
「福は内
鬼は外
恵比寿大黒目を覚ませ!」
うるさいから起きたよ俺は
と恵比寿大黒はいう
もう外へ出たよ
鬼はいう
内に入った
福はいう
おじいさんは止めない
年一度だけ声を張り
しゃんとして豆を撒く
「福は内
鬼は外
恵比寿大黒目を覚ませ!」
家族は豆を拾い年の数だけ食べる
年の数だけ食べられた頃の話さ
おじいさんが
本当のおじいさんになった頃
豆まきは誰もしなくなった
あれから
福と
鬼と
恵比寿大黒はどこへ行ったんだろう?
私はここに、いるのだけれど
R1.10.23
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