ひとっこひとりいない夜
けっぺき家の夜の子は
だれにも踏まれていない
道を歩こうとし
そんな道はないと考え
たちつくした
それを見ていた
夜は子供をさらい
道の上空においた
だれの足あともない道である
子供はふいに笑い
ちいさな夜を放ちはじめると
笛のように
息をすい
自分の歩はばで歩きだした
ようやく
うかんで
あるけるようになった子供だ
大きなかいなで
つゝむようにして
見守る
夜はそれを
ひみつにする
夜のおやこに
星がふりそそいだ夜の
話だ
R2.9.18
ひとっこひとりいない夜
けっぺき家の夜の子は
だれにも踏まれていない
道を歩こうとし
そんな道はないと考え
たちつくした
それを見ていた
夜は子供をさらい
道の上空においた
だれの足あともない道である
子供はふいに笑い
ちいさな夜を放ちはじめると
笛のように
息をすい
自分の歩はばで歩きだした
ようやく
うかんで
あるけるようになった子供だ
大きなかいなで
つゝむようにして
見守る
夜はそれを
ひみつにする
夜のおやこに
星がふりそそいだ夜の
話だ
R2.9.18