★★★相馬弁研究所★★★

影武者所長による相馬弁講座や相馬地方の紹介…つうか、前代未聞・抱腹絶倒の方言エンターテイメント!!

奥の細道 (序文)

2008-01-21 22:45:09 | 相馬弁で読む名作文学館
【原文】
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯をうかべ馬の口とらへて老を迎ふる者は、日々旅にして旅を栖とす。
古人も多く旅に死せるあり。
予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて漂泊の思やまず、海浜にさすらへ、去年の秋 江上の破屋に蜘蛛の古巣を払ひてやゝ年も暮、春立てる霞の空に、白川の関越えんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて取る物手につかず、股引の破れをつづり笠の緒つけかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかゝりて、住める方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、
  草の戸も 住みかはる代ぞ 雛の家
表八句を庵の柱にかけおく。



【相馬弁】
『月日』っつうのは、永遠に旅する旅人みでぇなもんだがらヨ~、
来たがど思ったっけ、すぐに去って行ぐ『年』、っつうのも旅人だべな。
船頭みでぇに舟の上で生涯を浮かべだり、馬子みでぇに馬のクツワを持ったまんまトショッていぐ奴゛なんかは、毎日゛旅してる みでな もんだどなぁ~。
昔゛の人でも、旅の途中で死んだ奴゛なんか、なんぼでも いっと。
オレも、いづ頃゛だがは忘っちゃげんちょ、ちぎれ雲が風さ流さっちぇんの見だりすっと、
「なんか、、、どっかさ行きてなぁ~・・・」なんて思って、海辺をさすらったりしてな、
去年の秋は墨田川のほとりのボッコレ家さ帰って、蜘蛛の巣はらったりまったりしてだんだげんちょも・・・
ほのうぢ、年も暮れでハ、春になってハ、霞がかる空なんか見でだっけ、
「白河の関、越えでみっかなぁ~~~」・・・なんて思ったくれにしてな。
ほ~したっけ、『そぞろ神』に手招きしらっちぇよ~ハ!
ソゾロッて いらんにぇぐなったわよハァ~!!いや、あやまった。

・・っつうゴドで、
モモヒギの、しっちゃげでっトゴ、繕ったり、笠の柄、付け替えだり、足三里のツボさ お灸やったりまったりして旅支度だ!!
も~・・・松島の名月、気になるしよぉ~~!!
家゛なんかは、人さ譲ったわよハ!!
旅立つまでは 杉風の別荘さ移るゴドにしたもんでよぉ~、

 「草の戸も 住みかはる代ぞ 雛の家」
  (草ブキ屋根の、このボッコレ家も、新たな住人を迎えるゴドになったど!
   節句の頃には 賑やかな雛飾りなんかも 見らいるようになんでねぇ~べが?
  ・・・今まで、ほ~ゆ~のには全然、縁が ながったげんちょな
 
・・・っつう句を庵の柱さ掛けでおいだがんな。


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コメント (4)
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