東洋医学の理論~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

「旧・東概」まとめ(12-1)~病とは陰陽の相克である~

2015-10-20 21:47:59 | 鍼灸理論・東洋医学
「第3章 東洋医学の疾病観」は東洋医学の疾病論。(以下、『』内、要旨)

「前説」
『東洋医学では、病を内界・外界の、自然・社会・精神の、変化が要因となり、小宇宙としての人間の陰陽等の不調和が惹き起こされ、それが病へとつながっていく、成っていく。と捉える。

内界の変化によるものを「内傷」、外界の変化によるものを「外感」。

鍼灸では、すべての病を臓腑経絡系の変動と捉え、経脈内の気血を整えることで、病の治癒を図る。』

人間は外界との相互浸透で生きている。その外界の変化に対応して行けないという事の、その量質転化の結果としての体内のバランスの異常から崩れへ、が病である。

そして、そのバランスの崩れを、出来ることならばバランスの異常の段階で、経脈の異常として診てとって、経脈に鍼灸の施術を施す事で回復を図る。という事であろうか。

ナイチンゲールは、「病とは回復過程である。」との<病>の見事な、弁証法的な概念規定をしているが、それに倣うならば、「病とは陰陽の相克である。」と言うのが東洋医学のそれである。のではと思う。

「旧・東概」では、病を病因から、内界の変化によるものを「内傷」、外界の変化によるものを「外感」。としているが、ここは検討を要するのではと思える。

病へと成っていく内界の変化とは、「七情」の乱された状態であり、「七情」=感情と捉えるのであるならば、その感情の乱れの大元は、感情=認識を乱す様な外界(自然・社会・精神)の反映があったからの筈であり、それを簡単に「外因」に対する「内因」としてしまっていいのか?と思う。

乱されているものが認識と実体の違いがあるのだから、そこを区別しなければならないというのはわかるのだが・・・・・・。引き続き考えて行きたい。

以下、「目次」

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第3章 東洋医学の疾病観

1.病因論

1)概要

2)外因(六淫)
(1)風(2)寒(3)暑(熱)(4)湿(5)燥(6)火(7)六邪以外の外邪

3)内因(七情)
(1)七情(2)内因と気血(3)内因と五臓

4)不内外因(飲食労倦)
(1)飲食(2)労倦(3)外傷

2.病理と病証

1)八綱病証
(1)病位の違いでとらえる(2)病情によってとらえる

2)気・血・津液の病理と病証
(1)気の病理と病証(2)血の病理と病証(3)津液の病理と病証

3)臓腑病証
(1)五臓の病証(2)六腑の病証

4)経絡の病証
(1)是動病と所生病(2)十二経脈の病証(3)奇経八脈病証

5)六経病証
(1)六経病(2)三陰三陽病

6)代表的な疾病

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