鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

T先生実技試験対策〜肩部痛から頚部痛へ〜

2017-07-22 21:48:30 | 鍼灸学校での学び・国試勉強・受験勉強
昨日の肩部痛から頚部痛へと繋がる症例。問題は同時にあるだけでは無しに連関してあるということ。

自身の個人的な都合で、T先生実技試験の受験が8月上旬に延期となった。予定外のことではあったが、T先生の説かれることの理解が未だ浅いと思えていたので、日々の施術で実践して見てそれを痛感しているので、この10日間ほどの時間を無駄にしないよう、日々の実践とともにT先生の説かれることの理解を深めていっての、そのことをしっかりと量質転化させるていく絶好の機会と捉えての……と思う。

さて、昨日の症例。70代男性、右肩部痛:肩部の問題として施術するも症状が取れ切れず、頚部の問題として施術して症状が取れた、というもの。

『肩部痛』
「問診:痛み、可動域制限の聴取」
右肩、三角筋部に痛みがあり、肩が上がらない。

「患部の観察:圧痛、可動域確認」
三角筋部に圧痛、肩甲挙筋に圧痛、外転150度で三角筋に痛み。肩甲骨固定で外転120度(正常)。肩甲骨上方回旋を補助してやると180度の挙上が出来、かつ三角筋部に痛み無し。

「徒手検査」
ドロップアーム、インピンジメント陰性、肩甲胸郭関節の可動域制限あり。

「損傷部の理解」
肩甲胸郭関節の動きを制限する筋。肩甲挙筋に短縮、緊張あり。僧帽筋、前鋸筋、広背筋、大・小胸筋の短縮、緊張無し。

「治療方針:肩甲胸郭関節」
指圧で肩甲挙筋の緊張を取るものの、取れ切れず、肩甲胸郭関節の可動域制限が僅かに残る、肩外転挙上は180度に限り無く近くが、肩外転時の三角筋部の痛みが残る。

『肩部痛から頚部痛へ』
肩部痛=肩外転時の痛みが取れ切れないのは、肩甲挙筋の緊張・短縮が軽減されるものの取れ切れないが故と考えると、問題は「肩部痛」から肩甲挙筋の緊張・短縮を取るという問題に、つまり「頚部痛」の問題へとなっていく。

「患部の観察:圧痛、可動域確認」
肩甲挙筋に圧痛。頚部右側、側屈時痛。頚部左回旋制限あり。

「徒手検査」
ジャクソンテスト、スパーリングテスト陰性。

「損傷部の理解」
僧帽筋、頚板状筋、胸鎖乳突筋。

「治療方針:SFL」
SFLの流れを意識して、筋の圧痛、緊張、短縮を確認すると、左胸鎖乳突筋短縮、緊張あったので、それに対して指圧を行い、その短縮、緊張を取ってやることで、右肩甲挙筋の緊張、短縮が解消され、結果として右肩外転180度時にあった僅かな制限と三角筋部痛が消失した。




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