東洋医学の実践的理論研究~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論の研究~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

雪駄の歩きかた、靴の歩きかた(増補)〜日本人の運動体の変化について〜

2017-06-16 22:45:36 | 鍼灸理論・東洋医学
雪駄と靴の歩きかたの違いについて考えると日本人の歩きかたにも歴史性があると思える、それゆえ経絡経穴にも。

先日、涼しげな浴衣姿で髪をアップにして綺麗な後ろ姿の女性が歩いていて、「いいなあ、やっぱり日本女性の浴衣姿は……」と一瞬思ったのだが、何か強烈な違和感があった。よくよく見ると歩きかたがおかしい、靴の歩きかたで颯爽と歩いておられる。足元を見ると下駄や雪駄では無くビーチサンダルのような踵から少しはみ出るような大きな履物を履いておられる。(下駄や雪駄は踵が1〜2センチくらい出るサイズが基本である)

浴衣は良いものを着てられるし着付けも綺麗に出来ているので誰かに着付けて貰っただろうに、履物の選びかた歩きかたを誰も教えなかった注意しなかったのだろうかと、残念に思えた。

そんなことがあって、後日、籐表の雪駄(八寸)で歩いていて、雪駄のサイズ形状から小股で摺足に近い歩きかたでしか歩けない自身の歩きかたをみて、「昔々の下駄、雪駄が当たり前の時代には今の自身のような歩きかたが通常であっただろう、それに対して現代の日本人は靴での歩きかたが通常であるから、日本人の運動形態というものはこの何十年かで随分と変化してしまっているのだなあ、であれば経絡経穴を四足歩行の体を二足歩行として使うこと、使い続けることの結果としての四足歩行体と二足歩行体との相克と考えるならば、同じ四足歩行体と二足歩行体との相克と言っても、下駄・雪駄に見合った形で創り上げられた二足歩行体と四足歩行体の相克と靴に見合った形で創り上げられた二足歩行体と四足歩行体の相克とでは違ったものになっていっている筈であるから、現代の日本人の経絡経穴というものも随分と変わったものへとなって来ているはず、例えば重心の位置一つとってみても下駄・雪駄と靴とでは全く違うのであるから……」と思えた。

とすれば、経絡経穴による施術も経絡経穴の歴史性を踏まえての、でなければと思う。これは欧米人の経絡経穴ともいうべきアナトミートレインが返って日本人には有効であるということの理由でもある、と思える。

雪駄を履いて日常的に歩くと、足の形状が厚く幅広いものへと変化していく。自身の年齢にしてそうなのであるから……。
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