わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

あれこれ ベトナム便り 4

2005年12月04日 | 日本語教師
こちらk-603. ようやく、3回目でなんとか納得のいく授業ができました。
これは、わたしの努力ではなく、生徒達のあたたかい雰囲気と、イ形容詞とナ形容詞の初出授業であったためだと、いえます。そして、なによりも、基本にもどって授業を構成したことが大きいともいえます。形容詞の授業はいちばんおもしろい例文が作りやすいと言われます。ですから、生徒の乗りがいいのです。
ちょうど、ベッカムの写真がありましたから、ベッカムはハンサムです。とやってから、じゃあ、せんせいは?と聞くと、かならず、ハンサムじゃありません。という生徒が出てきます。これで雰囲気は一気に前進モードになります。
基本にもどるということですが、わたしも初心者、生徒も日本語初心者なのです。ですから、語彙の導入-リピート-代入-・・・という基本中の基本を疎かにしてはならなかったようです。つまらないだろうと勝手に想像して、それらをはしょってしまうと、生徒は大混乱に陥ります。だから、あせらず、ゆっくりもって行かなくてはならないようです。
今週から週10~13コマの授業が始まります。一こまの教案作成に4時間ぐらいかかりますから、もう、うんざる、と言う動詞がほしくなります。

写真は刃物研ぎ屋です。
揚げバナナ屋というのもきます。リアカーではなくて、みんな フロントカーです。揚げバナナ屋は、荷台に火床を積んでいて、鍋の油をぐたぐた言わせながらやって来ます。けっこう人気があります。
研ぎ屋はかなりいいかげんです。日本の職人根性は、ここではみられません。発電機をかけ、グラインダーを回して、がんがん、研ぐというより削っていきますから、いつ鋼(刃の部分)がなくなってしまうかと心配です。
昼食は3軒隣の店で食べます。一食70円から110円です。バラエティーに富んだおかずをえらべるので、毎日飽きません。それに味付けが塩だったりするとこれはもう日本食と変わりません。ただ、米だけは違います。粘りけが少ないので、皿に盛られた飯を口に運ぶのに注意が必要です(決してぱさぱさではありません)。ベトナム人は左手にスプーン、右手に箸またはフォークを持って、これを口に運びます。小魚の骨をとるのも、これでとります。食事には ヌクマムという日本で言えば醤油のような基準調味料とでもいえそうな、そのまま飲むと強烈に辛い調味料が、ちいさな茶碗にはいってついてきます。最初の頃はこれはスープだと思って、ごくりとやって大失敗しました。
ヌクマムにキュウリを浸してたべたり、おかずをちょっとつけて食べたりします。これがうまい。おかずがなければ、ごはんにヌクマムをかけて食べてもけっこういけます。
それから、4cmぐらいの、細くて真っ赤な、生とうがらしがテーブルに置いてあります。これは強烈に辛い。ホーチミン市等南部の人はこれは口にしないそうです。主に中部の古都フエ近辺の人が口にするとききました。
さてこの昼食屋、夜になると大変身します。
何になると思いますか・・・。 


ところで、
この学校は生徒数150名ほどの小さな学校です。
これを、3人合わせて1.8名のベトナム人教師(経験3年の教師と、ほとんど頼りにならないベトナム人教師が2人)と、新参の私(これも頼りにならない?)と、在越5年の日本人教師の合計5人で教えます。仕事は非常にハードです。日本人教師がもう一人ほしいと言うことで、募集していたそうです。(私は詳細を知る立場ではないので知りません)
そして、なんとか、教師が決まったそうです。
一月に渡越との、又聞きの又聞きです。
その応募の方が、もしこのブログを読んでいてくだされば、ちょっと立ち止まってもう少し情報を集められることを、進言したいのです。
ここは、苦しみに平然としてこらえ、それを喜びに換える魔法の杖を持っている方だけがたどり着くところです。
おおげさにいえば、破天荒な終局の就職先とでもいえましょうか。
日本での教師の養成校も、就職率の公表数字をあげようと、就職の後押しをしてしまいますが、実態は想像を絶するものがあります。とくに、若い人は、こちらで教師の喜びが得られたとしても、もっと大切な、長い目で見た時のかけがえのないものを失ってしまいます。迷っているなら、やめた方がいい。でも、決心が固いようなら、やれるところまでやるしかない。もちろん、来てくださった方が、私の負担が減りますから、歓迎なのですが・・・。

前述の昼飯やですが、夜になると、カラオケバーに変身するのです。
いわずとしれた、女人禁制(客)の夜の交際所です。
もちろん、公安に見つかったらたいへんです(歌を歌うことは問題ありませんよ)。
でも、地獄の沙汰も ドン(ベトナムの通貨)次第だそうです。(外国人は即、国外退去?)

いま、街にはジングルベルが鳴り響いています。
ランニングシャツ一枚で聞くジングルベル。
なんともパンチがきいて、暑さが飛び跳ねています。

十年来ひいたことのない風邪をひきました。
つまり、冬の夏風邪です。
疲れているのかも知れません。

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