わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

ラダック Ⅰ

2005年10月19日 | 雑想
こちらK-603. ラダックという地名を知っていますか?
【イスラマバード19日共同】パキスタンのムシャラフ大統領は18日、パキスタン地震の救援や復興活動のため、インドと領有権を争うカシミール地方でインド側カシミールの住民が実効支配線(停戦ライン)を越えてパキスタン側に入ることを認めると述べた。インド政府はこの提案を歓迎した。(共同通信)
これは今日の配信記事です。およそ5万人という死者を出した大地震、この地震が戦争から平和へのとりなしになってくれなければ、死者の魂はどこへ落ち着いたらいいのでしょう。
<ラダック> この地名を知っていますか?
インド、パキスタン、中国、この三国にまたがった、カシミール地方のチベット系の人々が住む地域です。チベット大乗仏教を信じています。今度の地震をとても身近に感じ、心配したのは、震源地に近いラダックの地を思い浮かべたからです。
ラダックはどんな所なのでしょう。
ヒマラヤ山脈を中央にして、東にブータン王国があります。この国はGNPよりGNH(Gross National Happiness)つまり、国民総生産 より 国民総幸福 を国の指標にかかげています。
符合したように、ヒマラヤの西にあるラダックでも、人々はいつも穏やかで幸せでした。
“でした” というのは、今はそうでなくなりつつあるようなので、こう書かなければならないのですが、今から30年ほど前までは、次のような社会だったといいます。
(以下は ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ著 『ラダック 懐かしい世界』)
------ラダックで私が見たものは、廃棄物も汚染もなく、犯罪は事実上存在せず、地域共同体は健全で結束力が強く、十代の少年が母親や祖母に優しく愛情深く接するのに決して気後れすることのないような社会------
また、こんなことがあったそうです。
------ある日私は手紙を書くのに十時間もかかり、疲れとストレスで頭が痛くなった。(中略)
私は村人にストレスというものを説明しようとしたことがある。(筆者は苛立ってもいた。すると村人から)「つまり、働かなくてはいけないから、怒っているという意味か?」という意見が返ってきた。------

<ラダック> こころにひびく地名です。


最新の画像もっと見る