わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

年収5万円 ベトナム便り 120

2006年10月18日 | 雑想
情報 という点で気づいたことをひとつ。
先日、NHKで、『サイゴンでいま欧米のマナーを教える講習が盛況だ』という話題を放映していました。(国内で放映した番組の再放送)
その中で、「ベトナム人の平均年収が5万円だというのに、この講習会に参加するのに!万円ほどかかる」と言っていて、この5万円のところが気になったのです。

これを聞くと、多くの日本人は「ベトナム人はほとんどの人の年収は5万円ぐらいだ」と思うのではないでしょうか。
たまたま今日、あるクラスのDさんという26歳の女性が、同じ歳の女友達を見学に連れてきました。
Trさんといいます。
Trさんは 婦人用アンダーウエアーで有名なWという日本企業のベトナム工場に勤めています。
Trさんは、日本語を少し話すのですが、『もう少し日本語が上手になって、給料のいい別の日系企業に移りたい』というのが、勉強したい動機です。
「Trさんの給料はいくらですか」私が聞きました。
「いま、250万ドンです」
だいたい、2万円です。そうすると26歳のTrさんの年収は24万円です。
レストランのウエイターやウエイトレスが、だいたい 年収10万円です。ただし3食付です。

ここで、話を最初に戻しますが、欧米のマナーを勉強する人たちの階層がどういう人たちなのか、そういう人たちの年収はいくらぐらいなのか、給与生活者の年収は、農民の年収は、公務員の年収は、天秤棒を担いで売り歩いているおばちゃんの年収は、シクロのおっちゃんの年収は、・・・・。
一口に年収といっても、種々雑多です。5万円というのは乞食から華僑の大金持ちまで全部ひっくるめての年収なのかもしれません。
しかし、マナー講習会出席者が払う受講料を平均年収と比較するときは、この数字を引き合いに出したのでは、何かつじつまが合わないような気がします。
こんなときは、少なくともこの講習会に出席する人たちの階層とその階層の人口比率、彼らの平均年収、そして私たちに身近な給与所得者と公務員の年収を提示して、それとの比較も視聴者にさせる必要があったのではないかと思いました。

サイゴンで一年間に5万円の収入で暮らしている人といえば、これはもう地を這うような最低の生活者です。(たぶんサイゴンでは、5万円では暮らせない)
一方、大型の家電量販店では一台80万円もする携帯電話機が、売れていたりするのです。
また、『年収5万円』、これが平均というのなら、これ以下の人たちも当然いるはずです。(農村の自給自足の生活者?)
どこをとらえて、5万円という数字を出すのか。
情報というのは、鵜呑みにしてはいけないと思いました。

                                                                  V-603


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1 コメント

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年収5万円? (オリマル)
2006-10-19 12:15:24
K-603さん、お久しぶりです。

情報は、自分でちゃんと選ばないと

放送されるのが全部正しいとは限りませんね。

以前バンコクに住んでいたとき、日本に居る両親が

月2万円ぐらいで生活できるってTVで言っていたと

私に言ってきました。

嘘ではないけど、バンコクでは無理です。

地方の電気も通っていないところなら

考えられるけど。

情報は自分で見極めましょう。

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