松尾芭蕉は晩年に「わび」「さび」を超える最高の境地「かるみ」に到達する。敗戦を故郷・津軽で迎えた太宰治も、新時代を生きる希望を、かるみに見いだそうとした
▼「すべてを失い、すべてを捨てた者の平安こそ、その『かるみ』だ」「世界の大混乱の末の窮迫の空気から生まれ出た、翼のすきとおるほどの身軽な鳥だ」。小説『パンドラの匣』で主人公に語らせている
▼終戦直後、河北新報に連載された、太宰唯一の完結した新聞小説。「健康道場」で結核の療養生活を送る20歳の若者が、入所者や看護師らとの日常や淡い恋を、友人にあてた手紙につづる。明るい雰囲気に満ちた作品だ
▼太宰生誕100年を記念し、オール宮城県ロケによって映画化(冨永昌敬監督)された。来月10日からの全国公開に先立ち、きょうから仙台市など県内各地で先行上映される
▼脚色されているものの、原作に忠実な部分が多い。今も色あせない太宰文学の魅力を、あらためて感じさせる。せりふをすべてアフレコにしたことも、独特の効果を生んだ
▼映画化は、1947年以来2度目。前作は太宰も見て、「日本人には軽さがない。誠実、まじめ、そんなものにだまされやすい」と不満を述べたという。今度はどうか。東北発の映画がまた一つ、観客の評価の海へ飛び立つ。
河北春秋 2009年09月26日土曜日
マリー・トラバースの訃報を知ったのは銀色週間の朝刊でだった
フィンガーピッキング覚えたての頃
友人とコピーの正確さを競いあったのが
ドンスインクツァイスイッツオーライ(PPM)とキャシイズソング(S&G)
ギターのテクニックが上達することが楽しくてしょうがなかった
ただシンプルにストレートにそのことだけを考えて目指していた