風街せんちめんたる通り

ゆるやかな優しさで僕らの憧れを演出した
ときどき素敵な 風

☆巨匠の煙

2008-02-26 | Weblog
婦人の時間(1964)というトーク番組に出演した市川崑監督をNHKアーカイブで放映していた
東京オリンピック撮影当時だから監督まさに充実の年だったろう
前半は司会者と二人で後半は 池部良 淀川長治 両氏が加わる
皆さん若い
  
話の中身はさておき
市川監督は対談中ひっきりなしに煙草をふかす かなりヘビーなスモーカーです
最近はドラマの演技でも喫煙場面は少ないだけに出演者が咥え煙草で話す様には違和感を覚えてしまいました
だけどあの頃の僕らも喫茶店でああやって煙くゆらしながら長いこと話し込んでいたわけで…(今はもう吸わない)
  
演出の小道具として煙草はツカイデがあったと思う
煙草吸う人が多かったから煙草を使った心理描写は工夫のし甲斐があったことだろう
でも映像の市川監督の喫煙所作に風情や趣向はうかがえずただの口寂しさのようにしか見えない
もっと言えば強度のニコチン中毒症状
唇が火傷しそうなほど短くなるまで離さないので見ている方が気が気でない
  
監督は煙草に何をみていたのだろう
煙くゆらし頭の中で映像を奔放に動かしていたのかもしれない
吸い込み吐き出しした煙は監督の感性さながらに風と舞い群衆の中を漂い
フィルムにならなかったイメージたちと空に消えていったことだろう

☆殿 ご出立

2008-02-24 | Weblog
  
馬上少年過ぐ
  
仙台駅の定番待合わせスポット伊達政宗像が
藩校 有備館 のあるかつての城下町岩出山に寄贈されることになったらしい

待ち合わせをすることなんてこの頃はなくなった
みんなケータイを持っているから
逢うためにいちいち場所を決めて時間を決めてなんかしなくなった
リアルタイムで位置情報やら行動情報やらを交換し合えるのだもの
でも
ランドマークはなくなってほしくないなぁ
いろいろな意味で

あの頃からずっと街にあった店がドンドンなくなっていくのを目にすると
ちょっとさみしい
通りの姿や街並みが変わっていくのは
僕の時代が消えていくように感じてしまうのだ

そう思いながら
記憶の網膜にしっかりと焼きつけた心のランドマーク



 

☆奇祭のあと

2008-02-17 | Weblog
たしかに凄い
JR東が後込みしたのも分かる気がするなぁ
祭のポスターとしては異色な構図だし…笑えるし…
   
何も分からない都会の小娘に伝統ある祭りにとやかくいわれる筋合いはない
本寺の女住職様はおっしゃった
たかだか明治あたりに生まれた倫理観で歴史ある祭りを裁くなど文化の冒涜だ
TVのコメンテーターはおっしゃった
祭の古式ゆかしい風習に警察が介入するのはいかがなものか
ラジオのDJはおっしゃった
  
メディア的に盛り上がった奇祭ですが 結果は
平日開催の年の人出にしてはいつもよりやや多めだったとのこと
それに対して報道陣は例年の10倍の取材参加だったようでした
結局のところ騒いで煽るのはメディアばかりなりという
近頃のこの国の らしさ が際立ちました

 
祭の実行委員長さんは相当くたびれたご様子のコメントで
まったくお疲れ様でございました

☆眺めのいい部屋

2008-02-15 | Weblog

アンリサルバドール氏の訃報を新聞で知った
  
90歳
昨年9月に現役最後を告げるコンサートを日本で開催
  
ブログを始めた時つけた最初のタイトルが 眺めのいい部屋
その頃偶然耳にしたサルバドール氏の 眺めのいい部屋 の形容しがたい味わいに惹かれ
また 眺めのいい部屋 という言葉のイメージに魅かれ 
しばらくこの短い儚げな曲に陶酔したのでした
   
ライナーノーツで氏が90歳近い高齢シンガーであることを知り
それがまた驚きと衝撃だった
スピーカーから響くボーカルは洒落て枯れた魅惑な男を思わせたから…
枯れた味わいを感じたとはいえ そこまでの高齢は想像できなかった
むしろ老成した若者をイメージしたから90に近い年齢表記には目を疑った
  
現役引退を宣言した公演地に日本を選んだからには
サルバドール氏と日本の関係に深いものがあったのでしょう
そのへんの経緯には知識がないけれど
シャンソンと日本の繋がりが相当なものであることは容易に想像できる
  
ご冥福をお祈りしながら 眺めのいい部屋 を聴かせていただきます
  
          合掌

☆マイ バレンタイン

2008-02-15 | Weblog
昨日はバレンタインディ
チョコをもらって気付いたのでした
チョコは職場のお遊びお楽しみでのもので
義理チョコ友チョコというより儀式チョコ儀礼チョコみたいなものですけど
  
今自分が20代の独身若者だったらどんなバレンタインディを期待するのでしょうかね
実際そうだった当時はあまり気にもとめなかった気がするけど それは
世の雰囲気がその程度の盛り上がりだったように思うし
その頃はそういう風に(そういうって…)盛り上がるには出来上がりすぎてしまった(笑)相手がいたからかも…ね
  
胸キュンするバレンタインディの思い出
あればよかったのに

☆雨の民営郵便局

2008-02-12 | Weblog
民営化になった郵便局に水道代を支払いに行きました
葉書出したり切手買ったりなどで民営郵便局は何度か利用しましたが支払いは初めてです
  
水道代は1774円です
局員は4人いて新しい制服で愛想よく受け付けてくれました
お客は私を含めて3人です
郵送されてきた請求葉書を示し所定の用紙に必要事項を記入する
民営化前と同じ用紙で同じ要領
記入し提出すると 椅子に座ってお待ちください
よろしくね  ここも以前と変わらない
  
そこからだった
なかなか呼ばれないのだ
新しいお客が増えたわけでもないし局員さんが怠けているわけでもない
局員さんはセッセとキーボード打ったり書類に記入したり連絡し合ったり立ち働いている
のに ちっとも呼ばれる気配が無い
他のお客も呼ばれない
局員さんは忙しそう
  
一体なんだコリャ
おいおい たかが1774円だよ 水道代の支払いだよ
前はそこらをウロッとしてると呼ばれたもんだ なのに 何だよこれ
  
いい加減に…
そうつぶやきそうになった時 呼ばれました
  
なんだよっ民営化っ
降り始めた雨に濡れながらやや大股で来た道を戻ったのでした

☆寄せてくる波

2008-02-11 | Weblog
温暖化の影響なのかは知りませんが
今年も雪が少ないので週末は温泉によく行ってます
その時昼食に利用するお蕎麦屋さん
すっかり馴染みになってしまいました

で 蕎麦の話ではなく
その店に置いてあるコミックのこと
店の誰かの趣味だろうけど
さいとうたかお作品が多く置いてあります
行くたびに細切れに読んでいたのですが
三匹の侍 にすっかりハマってしまいました

三匹の侍と言えば
あの肉を切る音で話題になったテレビドラマ
平幹二郎 長門勇 加藤剛 
実はリアルタイムではあまり見ていない
改めて観たいと思いました 
丹波哲郎さんでの映画もあるようですね

近頃TVはほとんど見ない生活パターンなのに
先週はなぜか木曜時代劇鞍馬天狗に見入ってしまうなど
時代劇の波が僕に寄せて来てる気がするのですが
何なのでしょうかね これは

余談ですが(て ぜんぶ余談みたいなもんですけど…)
鞍馬天狗に出てくる役者さんが若く見える
時代劇の出演者は自分よりはるか年上
それが当然と思っていましたが
いつの間にやらこうなっていた
ちょっとショックでした

☆餃子騒動

2008-02-10 | Weblog

餃子はもう食生活のレギュラー選手だからね
いまさら食べられないなど考えられません
ここは月に数回はお邪魔する街道沿いのラーメン屋さんですが
餃子も結構いい味出しているんです
今日も皆さんおいしそうに頬張っておりましたよ

今回の騒動で考えさせられたのは
日本の食料自給率
こんなに海外依存して自立国家といえるのかと
もう少ししたら
自給自足の生活にスタイルをシフトしていこうか などど
ちょっと本気で考えてしまいました

☆賑やかな安らぎ

2008-02-08 | Weblog
夕方の五時がずいぶん明るいのに今頃気づいた
日が長くなっているんだなぁ
そう思いながら歩いている耳に斉藤哲夫の吉祥寺が流れた
  
語りかける歌い方 高音程のやや苦しげな声 フィンガーピッキングのギター …
そこには髪を肩まで伸ばしブリーチアウトしたジーンズで煙草くわえる僕がいる
  
斉藤哲夫の吉祥寺が特に僕にそれを思い出させるということではないけれど
この曲の遠景に若い僕が住んでいることは確かなのだ
  
この曲はその頃の僕が感じていた町のざわめきや風の匂い君の香りを思い出させてくれる
この曲はその頃の僕といつも一緒にいる70年代の日本のフォークミュージックの典型の一つなのだ
  
 私に人生と言えるものがあるなら あなたと暮らしたあの夏の日
  
夏だけでなく春の朝にも秋の夕暮れにも冬の夜にも僕らはいつも一緒だった
その時々の匂いも香りも表情も風景も僕の体内のどこかにしまわれているはずだけれど
人生を一年に喩えればそれはほんの数日かあるいは数時間の出来事
それはだからやはり夏なのだ
  
夏の風に揺れた長い髪が運んだ季節の匂いと記憶の香り
そして 僕の視線が切り取った情景
そういうものたちが遥か向こうの時間の町で僕をみている
  
それはとても賑やかなざわめきと無鉄砲な安らぎとあった時間だった

☆澄んだ夜空

2008-02-06 | Weblog
ロンメメロンメメロンメロンメロメロメロン
キェンセララケメキェンセラ
ドドンパドドンパホーレツラッパノツーレツ   
外国語なのだろうか日本語なのだろうか未だに意味不明な
   
アイジョージというラテン系人気歌手が
マーラゲェ~~
息継ぎなしで長ーーーーくのばして歌うと拍手が鳴り渡る予定調和  
三波春夫さんや島倉千代子さんの台詞語り歌謡の大衆芸の奥深さを今の年齢で味わいたい
  
寺尾聡のCD都会的に洒落ているけどやはり歌謡曲だなぁ メロディがそうなんだろうな
  
ブギのリズムをしばらく聴いてないことに気づいた
  
翌日さして予定のない夜の気楽な退屈