8カ月前から電波異常 北大研究グループ観測 「地震前兆の可能性」
(03/25 15:55)
未曽有の被害をもたらした東日本大震災の約8カ月前から、東北地方のFM放送の電波が強くなる電波異常が続いていたことが、北大の研究グループの観測で分かった。道内の過去の大地震発生前にも同様の異常があり、同グループは「前兆現象の可能性がある」とみている。
観測したのは、地震の予知に取り組んでいる北大地震火山研究観測センター研修支援推進員の森谷武男博士(元北大助教授)のグループ。2002年から、ふだんは200キロ以上離れた場所や山などの障害物がある地域では受信できないFM放送向けのVHF帯(超短波)が地震発生前になると、到達しない地域にまで届くようになることに注目。「地震発生前の岩盤破壊で電磁波が発生し、その影響で電波が散乱する」との仮説を立て、道内11カ所に観測用アンテナを設けて電波の変化を観測してきた。
マグニチュード(M)7・1を記録した08年の十勝沖地震では、地震発生10日前までの約40日間にわたり通常の2倍の強さの電波を観測。04年の留萌南部地震(M6・1)でも同様の現象が見られた。
今回は昨年7月ごろから異常を観測、日高管内えりも町と札幌市南区の観測地点ではほぼ毎日、岩手県のFM局の電波の強さが通常の2~3倍になった。
地震発生前の電磁波の異常に着目した予知の取り組みは日本と同様、地震の多いギリシャでも行われている。
地中に埋めた電極間の電圧の変化を測る方式で、1993年にM6・7の地震が起きた際は、このデータを元に付近の住民を事前に避難させたという。
ただ、地震発生と電磁波、電波との関係は科学的に証明されておらず、懐疑的な研究者も多い。大学教授らでつくる地震・火山噴火予知研究協議会(東京)の森田裕一企画部長は「大事なのは地震発生前に電磁波が出るメカニズムや、電波に影響を与えるプロセスを解明すること」と指摘する。森谷さんは「実績を積み重ねることで予知の道が開けると信じている」と話している。
8カ月前から電波異常 北大研究グループ観測 「地震前兆の可能性」-北海道新聞[道内]
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大震災40分前上空の電子急増 チリ地震と類似「前兆か」
(03/28 10:11)
国内最大のマグニチュード(M)9・0を記録した東日本大震災の40分前、震源地上空の電子の量が局地的に増えていたことが、北大理学研究院の日置(へき)幸介教授(地球惑星物理学)の調べで分かった。日置教授は震災後、昨年のチリ地震(M8・8)をはじめ、過去の大地震直前にも同様の現象が起きていることを確認。「電子の急増は、巨大地震の前兆の可能性がある」とみている。
日置教授によると、国土地理院の衛星利用測位システム(GPS)観測網のデータを基に、地上約80~500キロの電気を帯びた空気の層である「電離層」の電子の量を解析した。
その結果、11日午後2時46分発生の巨大地震から40分余り前の午後2時以降、震源地の三陸沖の上空で、電子の量が通常より2割ほど増えたことが分かった。
このため、同教授は過去の巨大地震に関してもさかのぼって分析。昨年2月のチリ地震の発生40分前、1994年10月の北海道東方沖地震(M8・2)の発生50分前に、震源地上空の電子が局地的に増える現象をそれぞれ確認した。
電子が増えた理由について、日置教授は「地震前にわずかな断層のひずみが生じ、そこから放出された電子で地表が広範囲に電気を帯び上空の電子を増やした可能性がある」とみている。
2003年9月の十勝沖地震(M8・0)では電子の増加はみられなかったことから、「M8を上回る巨大地震の40~50分前に共通して起こる現象ではないか」と推測する。
大震災40分前上空の電子急増 チリ地震と類似「前兆か」-北海道新聞[暮らし・話題]
(03/25 15:55)
未曽有の被害をもたらした東日本大震災の約8カ月前から、東北地方のFM放送の電波が強くなる電波異常が続いていたことが、北大の研究グループの観測で分かった。道内の過去の大地震発生前にも同様の異常があり、同グループは「前兆現象の可能性がある」とみている。
観測したのは、地震の予知に取り組んでいる北大地震火山研究観測センター研修支援推進員の森谷武男博士(元北大助教授)のグループ。2002年から、ふだんは200キロ以上離れた場所や山などの障害物がある地域では受信できないFM放送向けのVHF帯(超短波)が地震発生前になると、到達しない地域にまで届くようになることに注目。「地震発生前の岩盤破壊で電磁波が発生し、その影響で電波が散乱する」との仮説を立て、道内11カ所に観測用アンテナを設けて電波の変化を観測してきた。
マグニチュード(M)7・1を記録した08年の十勝沖地震では、地震発生10日前までの約40日間にわたり通常の2倍の強さの電波を観測。04年の留萌南部地震(M6・1)でも同様の現象が見られた。
今回は昨年7月ごろから異常を観測、日高管内えりも町と札幌市南区の観測地点ではほぼ毎日、岩手県のFM局の電波の強さが通常の2~3倍になった。
地震発生前の電磁波の異常に着目した予知の取り組みは日本と同様、地震の多いギリシャでも行われている。
地中に埋めた電極間の電圧の変化を測る方式で、1993年にM6・7の地震が起きた際は、このデータを元に付近の住民を事前に避難させたという。
ただ、地震発生と電磁波、電波との関係は科学的に証明されておらず、懐疑的な研究者も多い。大学教授らでつくる地震・火山噴火予知研究協議会(東京)の森田裕一企画部長は「大事なのは地震発生前に電磁波が出るメカニズムや、電波に影響を与えるプロセスを解明すること」と指摘する。森谷さんは「実績を積み重ねることで予知の道が開けると信じている」と話している。
8カ月前から電波異常 北大研究グループ観測 「地震前兆の可能性」-北海道新聞[道内]
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大震災40分前上空の電子急増 チリ地震と類似「前兆か」
(03/28 10:11)
国内最大のマグニチュード(M)9・0を記録した東日本大震災の40分前、震源地上空の電子の量が局地的に増えていたことが、北大理学研究院の日置(へき)幸介教授(地球惑星物理学)の調べで分かった。日置教授は震災後、昨年のチリ地震(M8・8)をはじめ、過去の大地震直前にも同様の現象が起きていることを確認。「電子の急増は、巨大地震の前兆の可能性がある」とみている。
日置教授によると、国土地理院の衛星利用測位システム(GPS)観測網のデータを基に、地上約80~500キロの電気を帯びた空気の層である「電離層」の電子の量を解析した。
その結果、11日午後2時46分発生の巨大地震から40分余り前の午後2時以降、震源地の三陸沖の上空で、電子の量が通常より2割ほど増えたことが分かった。
このため、同教授は過去の巨大地震に関してもさかのぼって分析。昨年2月のチリ地震の発生40分前、1994年10月の北海道東方沖地震(M8・2)の発生50分前に、震源地上空の電子が局地的に増える現象をそれぞれ確認した。
電子が増えた理由について、日置教授は「地震前にわずかな断層のひずみが生じ、そこから放出された電子で地表が広範囲に電気を帯び上空の電子を増やした可能性がある」とみている。
2003年9月の十勝沖地震(M8・0)では電子の増加はみられなかったことから、「M8を上回る巨大地震の40~50分前に共通して起こる現象ではないか」と推測する。
大震災40分前上空の電子急増 チリ地震と類似「前兆か」-北海道新聞[暮らし・話題]