台湾 避難施設での感染警戒を
8月28日 19時31分
台風8号で深刻な被害を受けた台湾で支援活動にあたってきた、日本の国際緊急援助隊の専門家チームが28日、台北で記者会見し、多くの被災者が集まって暮らす避難施設では、新型インフルエンザの感染が広がりやすいとして、引き続き警戒するよう呼びかけました。
日本の国際緊急援助隊の専門家チーム5人は、今月21日に台湾に到着し、南部の被災地にある避難施設を回って感染症の予防などの支援にあたってきました。支援活動を終えた5人は、台北で記者会見し、金川修造医師は、被災地では今のところ、感染症は発生していないものの、被災者が1000人以上生活している避難施設もあるとして、「
今後、新型インフルエンザが発生すると、急速に広がるおそれがあり、高いレベルでの注意が必要だ」と述べ、新型インフルエンザに引き続き警戒するよう呼びかけました。これに先立ち、5人は、衛生当局トップの楊志良衛生署長に対し、避難施設の被災者およそ6000人に新型インフルエンザのワクチンを優先的に投与することや、被災者の健康状態を把握するため健康管理手帳を作ることなどの提言をまとめた報告書を提出しました。これに対し楊署長は、「よい提言をいただいたので、検討して生かしていきたい」と述べました。専門家チームは、28日夜、日本に帰国する予定です。
NHKニュース 台湾 避難施設での感染警戒を
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緊急援助ニュースリリース
第三報
台湾における台風災害に対する国際緊急援助について~専門家チームの活動報告~
2009年08月28日
台湾における台風8号による災害に対して、公衆衛生活動の支援のため、今月21日にJICAを通じて派遣された国際緊急援助隊の専門家チームは、被災した高雄県、屏東県の関係機関と協力し、避難所5ヶ所、救援拠点4ヶ所において、衛生状態の調査、感染症の監視体制の状況確認などを行うとともに必要な助言を行いました。また、現地活動の結果を踏まえ、
健康管理手帳、受診者分類、検査体制、早期発見・隔離、ワクチン接種などの具体的な対策内容について専門的見地から台湾当局関係機関へ提言を行いました。
なお、被災地での活動中に同チームは、
レプトスピラ症(熱帯、亜熱帯地域で流行する人獣共通感染症の一種)の疑いの被災者が多く出ているとの屏東県衛生当局の説明を受け、この感染状況を確認するため、台湾ではすぐに入手できない迅速診断キットを、日本の国立感染症研究所および国立国際医療センターからの提供に基づき、26日に急遽、現地へ空輸しました。27日には、この迅速診断キットの一部を使って専門家チームが実際に検体検査を行うとともに、現地医師に使用方法を指導し、残りの診断キットを屏東県衛生局へ供与しました。
被災地での活動を終えた専門家チームは、28日に台湾行政院衛生署へ最終報告を行った後、同日夜に日本へ帰国する予定です。
台湾における台風災害に対する国際緊急援助について~専門家チームの活動報告~ 緊急援助ニュースリリース(2009年度) ニュースとお知らせ - JICA
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レプトスピラ症(Leptospirosis)は病原性レプトスピラの感染による人獣共通感染症。
古来より秋疫(あきやみ)、用水病、七日熱等の名前で呼ばれたが、大まかには黄疸出血性レプトスピラ(ワイル病)、秋季レプトスピラ、イヌ型レプトスピラなどに分けられる。感染症法の四類感染症であり、家畜伝染病予防法の届出伝染病にも指定されている。と畜場法においては全部廃棄の対象となる。
スピロヘータ目レプトスピラ科レプトスピラ属に属するグラム陰性菌を病原とする。ネズミなどの野性動物を自然宿主として、ヒトだけでなくイヌ,ウシ,ブタなどほとんどの哺乳類に感染。腎臓尿細管などで増殖し、排泄物を経由して汚染された水や土壌から経口・経皮的に感染する。ヒトからヒトへの感染は起こらない。
疫学
中南米、東南アジアなどの熱帯、亜熱帯地域での流行があり、東南アジアの流行は7~10月に集中している。特に被害が深刻なのはタイであり、年間数千人規模の流行がみられる。日本では1970年代前半までは年間50名以上の死亡が報告されていたが、近年では患者数、死亡者数とも激減し、各地で散発的に認められる程度となっている。例えば、
1999年に沖縄県八重山諸島で集団感染が発生した。下水道工事関係者や畜産関係者などの患者が多く職業病の一つである。近年の海外渡航者の増加に伴い、流行地からの輸入感染例が報告されている。また、海外からの家畜や伴侶動物などの輸入を介して国内にレプトスピラが持ち込まれる可能性が指摘されている。海外ではトライアスロンなどのウォータースポーツによる集団発生も報告されている。
症状
* ヒト
潜伏期間は3日から14日程度で、悪寒、発熱、頭痛、全身の倦怠感、眼球結膜の充血、筋肉痛、腰痛など急性熱性疾患の症状を示すとされる。軽症型の場合は風邪と似た症状でやがて回復するが、ワイル病の別名でも呼ばれる重症型では、5~8日後から黄疸、出血、肝臓・腎臓障害などの症状が見られ、エボラ出血熱と同レベルの全身出血を伴ったり、播種性血管内凝固症候群を引き起こす場合もある。重症型の死亡率は5~50%とされる。
* イヌ
急性の場合、出血、発熱、嘔吐、血便、口腔粘膜の潰瘍、黄疸、腎炎、出血傾向などの症状を示し、2~4日で死亡する。
* ウシ・ウマ・ブタ・ヒツジ・ヤギ
発熱、溶血性貧血、黄疸、流産・死産、生殖障害、間欠性眼炎、虹彩毛様体炎など、種によって様々な症状を示す。
キツネ、スカンク、オポッサムのほか,家鼠をはじめとする各種囓歯類では不顕性感染(症状が表れない)で保有体となって感染源になる。ただしハムスターは例外的に激しい症状を示して1~2週間で死亡する。また、ブタやウシも感染源となっている可能性が示唆されている。
治療方法
主に抗生物質が使用される。軽症型にはβラクタム系やアミノグリコシド系、テトラサイクリン系、重症型ではストレプトマイシンやペニシリン系の抗生剤が使用される事が多い。ただし投与後に発熱・低血圧などのショック症状(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)を起こす場合がある。
レプトスピラ症 - Wikipedia