炉心溶融 - Wikipedia
炉心溶融
炉心溶融(ろしんようゆう)、メルトダウン(英語: meltdown)とは、原子力発電所で使用される原子炉の炉心にある核燃料が過熱し、燃料集合体または炉心構造物が融解、破損することを指す原子力事故。最悪の場合は原子炉圧力容器や原子炉格納容器、原子炉そのものが破損され、放射性物質が周囲に拡散することも想定される。因で高温となり、燃料自体を溶かしてしまう現象を炉心溶融と言う。
炉心溶融が起こった後、冷却処理を取らなければ、核燃料の膨大な熱エネルギーによって原子炉圧力容器や格納容器、原子炉建屋などの構造物も破壊し、最終的には外部に放射性物質を大量に放出する恐れがある。
軽水炉においては、溶けた燃料棒が冷却水に落ちると冷却水が激しく蒸発し、水蒸気爆発が起きる可能性がある。
最悪の場合には放射性物質を大量放出する危険を持つため、原子力発電において想定しうる最も過酷な事故とされる・・
現在までに世界で正式に確認される炉心溶融事故は三件ある。
* 1966年 エンリコ・フェルミ炉
* 1979年 スリーマイル島原子力発電所事故
* 1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故
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【原発爆発】米メディア「メルトダウン」を警戒 駐米大使が事情説明 - MSN産経ニュース
米メディア「メルトダウン」を警戒 駐米大使が事情説明
2011.3.14 15:23
【ワシントン=佐々木類】東日本大震災で米国メディアは連日、被災地の状況を伝える一方、原子力発電所の爆発や炉心溶融に伴う被害の恐れが出ていることに警戒を強めている。
ワシントン・ポスト紙は14日付(電子版)で、AP通信電を紹介する形で、東京電力福島第1原子力発電所3号機でも爆発が起きたことを速報した。
同紙は13日付1面トップで、「犠牲者数の現実」という見出しとともに、放射線対策で白い防護服姿に青い手袋をはめた原発職員のカラー写真を掲載した。
記事は、「日本は今回の地震のような原発災害に配慮してきたが、想定外の自然の猛威にさらされ、技術的危機に直面している」と指摘。日本政府が避難対象地域を逐次拡大しているもようを詳しく伝えた。
その後、電子版の記事を刻々と差し替え、「原発の安定稼働に向け格闘」「作業員に部分的炉心溶融を懸念」との見出しで、原発の安全性に重大な懸念が生じていると指摘した。
13日付ニューヨーク・タイムズ(電子版)も「地震による死者が急増」と死傷者が激増していることを伝えつつ、「日本、メルトダウン回避に懸命」とし、原発の管理体制に重大な関心を寄せた。
クリントン米国務長官は13日の声明で、「米エネルギー庁、米原子力規制委員会(NRC)のほか、関係省庁が日本政府と緊密に情報交換している」とし、あらゆる支援を惜しまないとの意向を示した。
こうした米メディアや政府の懸念に対し、藤崎一郎駐米大使は連日、FOXやCNNテレビ、公共ラジオ放送などの番組に相次いで出演。「現在海水注入による原子炉の冷却作業を進めている段階」などと説明、一般的にメルトダウンと呼ばれるような状況ではないと強調した。
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原発2号機 炉心溶融か - NHK福島県のニュース
原発2号機 炉心溶融か
東京電力によりますと、福島第一原子力発電所2号機で、きょう午後6時20分から海水を入れる作業を始めましたが、その後、
海水が入っていることが確認できず、原子炉の中にある燃料棒がすべて露出している可能性があることを明らかにしました。
「炉心が溶けた可能性は否定できない」としています。
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと原子炉に海水を入れるためのポンプがうまく働いていないため、水を入れることができない状態になっているということです。
03月14日 20時08分
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最悪事態「我々にノウハウない」防衛省・自衛隊に緊張走る
2011.3.15 12:33
東日本大震災後に相次いで爆発が起こった東京電力福島第1原子力発電所の衛星画像。左下から第1号機~第4号機の順で並び、煙を上げているのは14日に爆発した3号機=14日、福島県大熊町(ロイター)
防衛省では、15日午前11時の災害対策本部会議などを取りやめ、省幹部が次々と大臣室に集結。原発から外部への放射性物質漏えいの拡大という前例のない異常事態に緊張が走った。
燃料の大半が溶けるメルトダウン(炉心溶融)など最悪の事態に陥った場合の対応について、陸上自衛隊幹部は「われわれにノウハウはない。原発事故への対処でこれ以上できることは何もない」と言い切った。
政府は福島第1原発の半径20キロから30キロの住民に屋内退避を新たに指示したが、陸自は14日夜から20キロ圏内に残っていた病院患者らの退避完了に向け、活動していた。
14日の3号機爆発では、東京電力社員らとともに原子炉冷却に当たっていた自衛隊員4人が負傷。いずれも中央特殊武器防護隊(埼玉県)隊員だが、冷却活動は「今までやったことのない任務」(陸自幹部)だった。
【放射能漏れ】最悪事態「我々にノウハウない」防衛省・自衛隊に緊張走る - MSN産経ニュース
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”5号機と6号機 温度上昇”
3月15日 18時21分
枝野官房長官は、午後4時すぎの記者会見で、福島第一原子力発電所について、午前中、高い数値を計測した敷地内の放射線の量が、その後、低下していることを明らかにし、「若干、安どしている」と述べるとともに、引き続き、放射性物質の漏えいの防止に取り組んでいく考えを示しました。一方、枝野長官は、5号機と6号機について、「じわじわと温度が上昇している」と述べ、それぞれの原子炉が冷却できるかどうか注視していく考えを示しました。
この中で、枝野官房長官は、福島第一原子力発電所について、「1号機と3号機は、現時点で安定的に給水が行われている。2号機については、給水が行われているが、安定的という見方をしてもいいものかどうかは、経緯を見る必要がある」と述べました。また、枝野長官は、午前中、正門付近で1時間当たり8217マイクロシーベルトの放射線の量を計測したことについて、「緊張感を持って受け止めなければならない数値だが、瞬間的な数値なので、低下してきており、この点は若干、安どしている」と述べました。さらに、3号機の付近で1時間当たり400ミリシーベルトという、人体に影響を及ぼす高い放射線の量を計測したことについて、「その後の分析によって、きのうの建屋の崩壊によって生じたがれきが原因ではないかという見方も出ている。断定はできないが、正門付近の数字も下がってきており、火災が起きた4号機から大変高い放射性物質が継続的に出ている状況ではない可能性がある」と述べ、引き続き、放射性物質の漏えいの防止に取り組んでいく考えを示しました。一方、枝野長官は、点検のために運転を停止していた5号機と6号機について、「津波の影響で原子炉を冷却するための動力がうまくいっておらず、じわじわと温度が上昇している。4号機のように水素爆発が起きないよう努力している」と述べ、それぞれの原子炉が冷却できるかどうか注視していく考えを示しました。
“5号機と6号機 温度上昇” NHKニュース