試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形サハ3608[3668F] 現行色 中間組込改造車 カプラー交換,側面行先表示器基準幕化

2016-02-22 21:41:01 | 京成線:3600形
金型。

マイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成のサハ3608を入場させた。
モハ3621では不都合が無かったTNカプラーSP化だがサハ3608はどうなるだろうか。
非動力車で3658F整備時の予行演習にもなる。


京成3600形サハ3608 現行色 中間組込改造車(3668F)。

6両編成化時に中間車化改造されたサハ3608は運転台跡とパンタグラフ搭載が特徴的だ。
整備に当たり繊細なパンタグラフを破損しないよう気を付けた。
分解はモハ3621に準拠するため作業は速くなるだろう。


入工中のサハ3608。

先にカプラー交換を済ませて車体の分解に入った。
最初にライトレンズを撤去しようとしたが様子がおかしい。
本来種別表示器用プリズムを避けるため凹形に嵌まっているはず。
ところがサハ3608は凸形になっていた。


逆向きに取り付けられていたライトレンズ。

工場で天地を逆にしたようだ。
左右対象デザインのお陰で逆でも装着できるらしい。
しかし凸部が貫通扉窓に重なりレンズがやや奥まった位置になる。
接着部品ではないため大事には至らなかったがパーツを増やした事が裏目に出た点だと思う。

次に取り外すのは妻面窓セルだ。
サハ3608は妻面貫通扉を有するため窓セルが平板状になっていた。
貫通扉の有無に関わらず妻面窓セル取り外しは同一手法で良いようだ。


貫通扉窓と一体化されている妻面窓セル。

側面窓セルは海側のS字部に大量の接着剤が投入されていた。
山側に比べて量が多すぎる。
よくここまで流し込んで車体に影響しなかったものだ。
S字部へ直接ニードルを差し込むのは危険なため接着剤の無い乗務員室扉窓側からゆっくりと剥離させた。
全て溶着されているとデザインナイフを持ち出さないと取り外せない。
不幸中の幸いだと言えよう。
その代わりここでかなり時間を要し分解時間はモハ3621と変わらなくなってしまった。


分解したサハ3608。

行先表示器白幕化はタックラベルから油性ペイントマーカーに変更した。
タックラベルは寸法合わせが手間な上に糊をセル全面に貼り付けるのが難しい。
同じ斑が出来るなら油性ペイントマーカーの方が簡便である。
一度では透過するため三度塗で斑が目立たないようにした。


油性ペイントマーカーに変更した行先表示器白幕化。

運行番号表示器はモハ3621同様にプラ板を嵌込んだ。
プラスチック厚でどうしても効果が薄くなるのが欠点である。
やや下方からでないとその存在が判り難い。
導光プリズムが挿入されておらずプリズムケースを薄くするのも一手だが破損のリスクを考え見送っている。


プラ板で白幕化した運行番号表示器。

側面行先表示器基準幕化を終え組立に移る。
接着剤痕が邪魔でやや嵌込みに手こずったが破損することなく窓セルを取り付けた。
妻面窓セルは平板状ながら念のため微量のゴム系接着剤で固定している。
このやり方で側面窓セルのガタつきは現れないため標準化していいだろう。




正規の向きに取り付けたライトレンズ。

尾灯レンズを赤マッキーで塗り潰し車体へ戻す。
天地方向を合わせたところ分解前よりライトレンズが前進した。
先頭車では考えにくいエラーだが中間車化改造車では気を付けた方が良いだろう。

いよいよ車体と嵌合させる。
果たしてTNカプラーSPの支障は何が原因なのか。
ここからが勝負である。


無加工で嵌合できたTNカプラーSP付床板。

ところがあっさり組み立てられてしまった。
ストレスそのものが無く手を加える必要がない。
モハ3668,モハ3661のTNカプラーSP化を断念させた理由は何なのか。
ここでもう一度モハ3668を分解してみた。
サハ3608と比較し違いが明らかになった。
中間車化改造車は貫通幌取付用の孔が設けられている。
つまり先頭車用とは金型が違う。


サハ3608,モハ3668 前面車体裾比較。

サハ3608には前面車体裾に欠き取りがあるがモハ3668には存在しない。
先頭車がTNカプラーSPを受け付けない理由はこれだった。
モハ3621も欠き取りがあり動力ユニットのボススパンは全く関係無かった。
何故先頭車と同一にしなかったのか不可解だが漏光との兼ね合いがあるのかもしれない。
仕様という理由だったのは意外だった。
3600形先頭車はTNダミーカプラー化がベターと言うことだろう。
ややストレスが残る部分はマウントを更に削って対処したい。




サハ3608(側面行先表示器基準幕化)。

原因が判明したものの複雑な心境の下で竣工したサハ3608。
先頭車用に廻すTNカプラーの予備があるのは幸いだと言えよう。
取り敢えずモハ3621,サハ3608竣工で中間車化改造車同士の連結面が再現できる様になった。


モハ3621+サハ3608。

TNカプラーSP同士で連結面間隔に不満はない。
ただ実車に則すとKATOカプラーでジャンパケーブルが有った方がそれらしい。
側面見附からするとこの点は非常に迷うところだ。
カプラーアダプターは保管してあり一度比較しても良いかもしれない。


モハ3621,サハ3608。

サハ3608とモハ3621の前面はほぼ同一スタイルである。
行先表示器白幕化を油性ペイントマーカーに変更したが余り変化は無いように見える。
皮肉にも斑まで同じになってしまった。
この結果ならば速乾性があり時短に繋がる油性ペイントマーカーにアドバンテージがある。
妻面窓セル固定と油性ペイントマーカーによる行先表示器白幕化がサハ3608で決定した標準化項目になる。
モハ3668,モハ3661は先頭車のため白幕化の必要は無いが減光に苦しんだ際の手段として頭に入れておく。
※モハ3668で行先表示器減光不要と判明。
次の入場はサハ3601で種別表示器をどう細工するか決めるつもりだ。

完全分解という手間でかなり整備進行速度が遅い3668F。
思うように進まないが3658F,芝山鉄道3600形3618Fのデータ採りを兼ねているため仕方がない。
実質2両しか竣工していないが焦らず作業をしていきたい。

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