試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-826[ラシ310F-3] 車体傾斜修正,Assyベンチレーター化

2016-09-12 21:20:03 | 国鉄/JR103系
変形。

KATO製JR103系ラシ310F-3(Tc373)で気になっていたのはクハ103-826の車体傾斜だった。
入場前のクハ103-373(ラシ310F-3)と比較しても明らかに運転台側の車体高が異なる。
9号車のモハ102-489とは全高差が無く運転台側に問題があるのは明らかだった。


JR103系ラシ310F (1999/3)。
ラシ310F-3:Tc373-[M331]-[M'487]-[T330]-[M332]-[M'488]-[T331]-[M333]-[M'489]-Tc826

回着当時から線路方向の傾斜があり旧LOT製品特有の症状だと思っていた。
しかし他KATO製クハ103形高運転台非ATC車には見られない異様な急傾斜であり解消させたい。
応急措置として旧クハ103-373(元ラシ310F-3)と床板を振替える手もあるがこれは最終手段とする。


クハ103-826(ラシ310F-3)。

クハ103-826は中古製品で回着した2005年LOT製品だった。
種車のクハ103-828をクハ103-826へ改番しラシ310F-3へ組み込んだため他車両とは出自が異なる。
最終的にKATO製クハ103-373と編成を組むようになったが両車の全高差異が際立っていた。
ラシ315F-3のAssyベンチレーター化に併せクハ103-826の車体高修正に取り掛かった。
試験的にクハ103-826用床板をクハ103-373に仮装着した。
予想通り運転台側が浮き上がるため原因は床板にあると考えていいだろう。
車体の不具合は考えず床板に集中して作業に当たる。


入工中のクハ103-826。

床板を詳しく見てみると微妙に波を打っていた。
全体的にへの字形に曲がっている。
運転台側に限ると台車付近がうねっておりこれが原因らしい。


歪みのある先頭部床板。

床板の波打ちとうねりの根源を断たない限り車体高修正は難しそうである。
取り敢えず床板を分解し各部品の状態を確かめた。
一見では何も変わりないように見えたが徐々におかしな点が浮かび上がった。


分解した床板。

への字形に曲がっていた原因はウエイトだった。
中央部を起点に両端が下垂していた。
運転台側にはうねりがあり床板の歪みとも一致する。
ひとまずウエイトを一直線に修正し仮組みを行った。


曲がりを矯正したウエイト。

しかし運転台側の浮き上がりは解消されなかった。
次に手を着けたのはセンターピンとダミーカプラー取付孔の中間にある瘤のようなものである。
台枠裏面からも変形がはっきりと判る上に光に照らすと剥けるほどプラスチックが薄くなっていた。
クハ103-373にはこの様な瘤は無く前オーナーさんに拠るものだと思われる。


製品には無い瘤のようなもの。

ここは尾灯用電球が当たる場所だった。
電球のライト基板で熱を持つ欠点があるのは確かではある。
通常走行で床板が溶ける事はまず有り得ない。
かなり電流値を上げ長時間単独で点灯させたのかもしれない。
床下側は手を着けられないため床上側の瘤だけを切除した。
このままでは肉厚が更に薄くなり漏光を引き起こす可能性が高い。
まだ貫通する前で取り敢えずマッキーで塗り潰した。


簡易修正した台枠。

ここで仮組みを行い再度クハ103-373と比較した。
完全ではないもののほぼ同じ車体高に収まってくれた。
これで運転台側の浮き上がり修正に目処が着いた。




クハ103-826+クハ103-373 (ラシ315F-3:車体傾斜修正施工車+製品原形車)。

ラシ310F-3はAssyベンチレーター交換の他に現行LOT台車への統一も並行している。
ところがKATOカプラーBタイプ付TR62非動力台車の遣り繰りが上手く行かず難航した。
出自都合で通常の金属車輪のまま存置されており黒染車輪化まで加わった。


台車枠はそのままに黒染車輪化したTR62非動力台車(2エンド側)。

先頭台車はカプラーが無く振り替える必要は無い。
しかし黒染車輪の予備が殆ど残っておらず捜索に時間を要している。
何とか1台車分を確保し切り抜けた。
連結面側は種車由来のカプラーポケット式TR62非動力台車だった。


現行LOT化されたTR62非動力台車(1エンド側)。

現行LOT台車供出車は再びラシ320F(Tc779)に頼りサハ103-331から転用している。
サハ103-331(ラシ320F)はTOMIX製車体にKATO製床板を組合せた特殊な車両だった。
こちらも廃車体から復帰した車両だが竣工に際しに現行LOT床板一式を用いたらしい。
モハ102-711(ラシ320F)は現行LOT品DT33非動力台車装着車でサハ103-331の2エンド側用TR62非動力台車を捻出した。
この振替えによりサハ103-331は前後でLOTの異なるTR62非動力台車を履くことになる。
ラシ320Fもサハ103-331を境にKATOカプラーBタイプ付台車とカプラーポケット式台車が分かれる。
何れはどちらかに統一したい。




サハ103-331+モハ103-344 (ラシ320F:カプラーポケット式TR62非動力台車装着車+カプラーポケット式DT33非動力台車装着車)。

最後にAssyベンチレーターへ交換し一通りの作業を終えた。
後は点灯試験を残すのみだがライトユニット周りの整形を行ったためやや不安があった。
ライトケースも熱で変形しておりとにかく点灯してくれれば御の字である。


クハ103-826 点灯試験[51C 中野]:車体傾斜修正施工。


クハ103-373 点灯比較[51C 中野]:ラシ310F-3(車体更新車)。

クハ103-373に比べ照度は劣るものの無事点灯に至った。
光量の違いはLOT差に拠るものかもしれない。
クハ103-278(ミツ6F)も当初はこれより照度が低かった。
現在アルミテープによる反射板試験中で経過は良好である。
まだ正式採用するか決まっておらずこのまま様子見する。
場合によっては床板に穴が開く危険性があり予備の床板を用意した方が良いかもしれない。




クハ103-826(車体傾斜修正,Assyベンチレーター化施工)。

不安要素を抱えるもののクハ103-826が竣工した。
ベンチレーター交換以上に拘った車体高均一化が図れ目標は達成できたと思う。

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