樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

まさに、夢の扉が開いたよ。

2011-03-09 | 持続可能な社会
りぐぱるを発明された 三重大学の船岡教授の話を聞いてきました。

脳天かち割られる位の 久々の衝撃でした。未来の価値観がズコンと変わりました。

木を資源として考えた時に、私の中では色々使い回した後に、エネルギーとして利用する もしくは 炭にして炭素を固定 して地球に還すというのが 最終的な利用としてベストだと思っていました。

ところが、分子レベルでみると それではいけないのだそうです。

木は セルロース ヘミセルロースが70% リグニンが30%から出来ています。このリグニンが接着剤の役目をして木が固い物体になっています。

このリグニンの組織を壊さず すべてを分離する技術を開発されて、すごくかいつまんでいうと
一つは、例えばプラスチック様のものを紙からつくれる事。今までも 木の粉を接着剤で固めたものはあったけど その場合は 後は燃やすしかない、りぐぱるは分子構造からの変化で作って また 分解して違うものに変化 させられるらしい。

もう一つ すごいのは、現在 石油から生成されるケミカルな製品がつくれる事。

でも、一番感動したのは、先生のものの考え方。

木を集めて運んで、大きな工場で分解するのではなく、山にプラントを持って行って、液体状にしてからタンクロリーで回収して、次の工程に移すとか、1日の製造量を限定させる規模の大きさの施設とか 反応に使う薬品もプラントの中で循環させて 汚水などがでない仕組み作りとか。

うまく 説明できないんだけど どこか お釈迦様の話しを聞いているようでもありました。

印象に残った言葉をいくつか。

林業から工業への流れをつくる。
今の枠組みでは難しい。

今の木材工業は 形状で利用が決まり 廃棄に至る。

太陽は 地球外エネルギー

石油は 一番扱い安い資源。工業はあるものを利用してるだけで 資源を作るという事を今までしていない。etc.

以下は私の感想
私の目的は、どんな状況になろうと、地域の方に住まいが提供出来る体制を確保しておく事。
樹脂などの製品も必要になる。石油が枯渇しても、対応できる可能性が出来た事は、非常に明るい未来を見せて頂いたと思う。
今、地域でやるべきは、本当の資源量を把握し、環境に負荷のない森林の持続性が担保できる山のあり方と規制する方法を確立する事ではないか。石油が少なくなる前に…
山村を中心に工業が生まれる可能性や木材工業の質が変わるかも☆