エクセレントパワーはフリークライマーなら誰でも知ってる小川山の
そこを訪れたクライマーなら誰でも知ってるマラ岩にある。
そしてマラ岩で最も目立つルート、それがエクセレントパワーである。
超有名ルートでは芸がないとも思ったが、これが僕の「マイフェイバリット」
である。
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当時まだ学生で、血気盛んだった僕は、+++++無遠慮にも試登中(ロッキーとシルク)にトライに参加。
大岩さんの初登を待ってましたとばかりにすぐに第二登を行った。
大岩さんは2本を下からつなげて登るトライを行い、秋も深まりし頃ついに成功。日本初の5.13a
「エクセレントパワー」が誕生した。
僕はというと、上下それぞれを第2登したことに満足してしまい、目標は別の岩場へと移り、エクセレントは
宿題としてのこされる形になった。
このルートをちゃんと登ったのはその翌々年くらいだったと思う。すでに第5登くらいまで記録され、そろそろ
登っておこうと再度トライを開始した。
数回のトライが必要だろうと思った僕は、とりあえず下部のシルクロード分のヌンチャクと予備数本を持って登り始めた。
体が覚えていてどんどん高度が上がっていく。気がつけば12cのセクションは足元になり、ロッキーへとつなげるところまで
来ていた。残りのヌンチャクは2本しかないが、いけるところまで行ってみようとそのまま突っ込む。合流してすぐの核心で
落ちるだろうと思っていたのだ。しかし、気負いがないのが良かったのかムーブはつながり、すべての核心を越えたレスト
ポイントまで到達していた。残すは11cのコーナーとフェイス。ここまできたらどう考えたって登っておくしかない。
しかし、もうすでにヌンチャクは1本もなく、この上で必要になるカム類ももっていない。
残った手段は一つ。
ノープロで登ること。
ではなく、、ギアを右下のテラスから放り投げてもうらうことだった。
指定したギアを素早く揃えて正確にトスしてくれたのは、当時コンペでその腕を鳴らしていた金子幸男氏だった。
残りのヌンチャク数本とカム3個を手にしたぼくは、首尾よく残りの20mを登りきることができた。
スタイル的にはマスターとレッドポイントの中間、デリバリースタイル。(!??)
このルートの素晴らしい点は、マラ岩を地面から頂上まで貫いている45mといった他に例を見ないスケールも
さることながら、その芸術的とも言えるライン取りである。
そして、決して危険ではなく、最小限に打ち込まれたボルト。ボルトプロテクションはかくあるべきのお手本
ようなルートである。
(上から2本目のボルトは後から足されたもので、初登時にはなかったので念のため。)
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Oh! Great!
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