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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

TR-751 TR-851 のボリューム修理

2012-07-18 11:48:59 | TR-751

以前にもTR-751のレストアで記事を書きましたが、TR-751、TR-851のボリューム不良は定番の故障です。

かなりの確率で中古機の AF GAIN、SQUELCH、RF GAIN、RITのボリュームが壊れています。ひどいものは音がまったく出なかったりします。ガリがあるのはあたりまえのような感じがします。

根本的にはボリュームを交換することが修理の方法ですが、アルプス製の特殊なVRで同じ仕様の物は有りません。KENWOODにも既に保守部品は無いようでKENWOODに修理に出しても「部品なし・修理不能」のようです。代替え品も見つかりませんでした。

昨日届いたTR-751もRF GAINとRITがまったくダメです。そこはアマチュア・・・・・・ボリュームをバラして修理することになります。AF GAINとSQUELCHのVRは交換した形跡があります。まだKENWOODに部品が有った時に修理してもらったようです。

 

1.無線機本体からVRを実装しているSUB基板を外します。

 

2.SUB基板からVRを外します。

ココが一番難しくて、また慎重に作業しないと抵抗体の脚にストレスがかかってこわしてしましまいます。半田吸い取り機で半田を吸い取って外すのが一番簡単です。半田吸い取り線やスッポンで取るのはかなり大変です。

 

3.2本のピンをやすりで削ってバラします。

バラす前に組み立て時のことを考えて油性マジックでマークを書いておくと間違えません。

001

 

 

4.可動ブラシがプラスティックの台から剥離しているので、これを元の位置に戻してにエポキシ系の接着剤を爪楊枝を使って塗布して固定します。

002_4 

 
 

ブラシが台から浮き上がっているのが分かると思います。

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接着剤で固定しています。細かい作業なので大変・・・・・。

 

5.抵抗体の表面を接点洗浄剤を綿棒に着けて清掃します。

600_003 

綿棒が真っ黒になります。

 

6.接着剤が十分に固まったら元通りに組み立てます。

このときの注意・・・・軸の挿入角度に注意です。間違えるとツマミの方向が180度反対になります。

 

7.最後にピンで固定します。

削って外したピンは再利用不可能です。ゼムクリップをまっすぐにのばした物が太さがピッタリでした。

 

005

 

このボリュームの修理はかなり慣れが必要です。私は何個か壊してしまい、そのために修理不能のTR-751が数台あります。何とか新品が手に入ると良いのですが・・・・。


TR-9300 #1 レストア

2012-07-17 12:44:00 | TR-9300

2台の内の以前からほったらかしで放置していた1台から手を付けました。

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PLLの出力周波数調整

チェックポイントはPLLユニットのTP2

MODEをUSBにしてメインダイヤルを50.999.9にして61.6964MHzにTC2を調整

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メインダイヤルを51.000.0にして61.6965MHzにVR1で調整

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これを何度か繰り返してPLLの周波数調整は完了です。

キャリア周波数調整

もちろんキャリアの周波数も調整します。TR-9000GとはUSBとLSBが逆になります。

チェックポイントと周波数

チェックポイント:

PLLユニットの右側のキャリアユニットのTPまたはNo.12コネクターの7番端子

周波数と調整箇所:

USB 10.6965MHz キャリアユニットTC3

LSB 10.6935MHz キャリアユニットTC1(オプションのLSB水晶が実装されている場合のみ)

CW送信時/AM送信時 10.6957MHz キャリアユニットTC2(CW受信時はUSBと同じ)

FM RXユニットTP7でチェックして10.695MHz 調整箇所はRXユニットTC1

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送信出力調整

IF部の調整も全部終わって最終的に51.00MHz FM で出力周波数51.000MHz13Wになりました。

Img_7257 

出力調整ポイント

FM HIGHでPLLユニットの奥のDRIVEユニットVR2で10W~13W程度

FM LOWでDRIVEユニットVR5で1W程度

AMの調整

TR-9000GやTR-9500Gには無いモードAMがあります。

送信キャリアのレベルをDRIVEユニットのVR7で3Wになるように調整して、変調レベルを同じくVR6で調整します。

もう一台のTR-9300で受信してみて音を確認しました。結構AM信号もしっかりした音で出てますね。でもやはり低電力変調よりは終段に直接変調をかけたAM信号の迫力は懐かしいですが。


増えた測定器

2012-07-17 07:08:58 | アマチュア無線

ブログの更新をさぼっている間に増えた測定機です。

 

● オーディオ・ジェネレータ

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2トーンはパソコンから出力して使ってましたが、シングルトーンはこれを使う方が手っ取り早いです。

LEADER LAG-120B です。古いですがとてもきれい。

出力電圧もかなり高いですしオシロで見る限り波形もきれい。周波数も合っています。

 

0002 出力電圧MAXの状態

 

Img_7237 周波数を1KHzに設定した状態


TR-9300レストア

2012-07-16 21:31:29 | TR-9300

ずいぶん前に手に入れていたTR-9300が手を付けずに置いてありました。

というのはServiceManualが手に入らず、それどころか回路図すら持っていなかったのでほったらかしになっていました。

先日もう1台TR-9300をオークションで手に入れてしまったので、回路図を何とか入手してこれからレストアしてみます。2台とも外観は傷も少なく比較的きれいで、何とか仕上げたいと思います。

TR-9000Gをずいぶんたくさんレストアしましたから、周波数こそ50MHzですが概ね似たようなものです。周波数構成はPLLの出力が60MHz帯でヘテロダインがTR-9000Gとは逆です。

受信系で言えば50MHz帯の受信信号を60MHz帯のPLLからの局発信号とMIXして下側の出力信号10.695MHzを中間周波数としています。

PLLの出力周波数がUSBモードで

50.9999MHZの時に61.6964MHz

51.0000MHzの時に61.6965MHz

になるようにPLLユニットのTC2とVR1で調整すれば良さそうです。要領はTR-9000GやTR-9500Gとまったく同じです。ちょっと違いがあるのはAMモードがあること・・・・。とりあえずやってみましょう。

Img_7228_2

上の写真は2台とも分解してクリーニングが終わって組み立てたところです。両方ともなんとなく動いていそうです。送信も10W程度は出ていますし、受信も-10dBμVの信号が受かってますから。

Tr9300spec 

 
回路図と一緒に手に入れた仕様です。SeviceManual無しでも回路図さえあれば何とかなりそうです。