以前にもTR-751のレストアで記事を書きましたが、TR-751、TR-851のボリューム不良は定番の故障です。
かなりの確率で中古機の AF GAIN、SQUELCH、RF GAIN、RITのボリュームが壊れています。ひどいものは音がまったく出なかったりします。ガリがあるのはあたりまえのような感じがします。
根本的にはボリュームを交換することが修理の方法ですが、アルプス製の特殊なVRで同じ仕様の物は有りません。KENWOODにも既に保守部品は無いようでKENWOODに修理に出しても「部品なし・修理不能」のようです。代替え品も見つかりませんでした。
昨日届いたTR-751もRF GAINとRITがまったくダメです。そこはアマチュア・・・・・・ボリュームをバラして修理することになります。AF GAINとSQUELCHのVRは交換した形跡があります。まだKENWOODに部品が有った時に修理してもらったようです。
1.無線機本体からVRを実装しているSUB基板を外します。
2.SUB基板からVRを外します。
ココが一番難しくて、また慎重に作業しないと抵抗体の脚にストレスがかかってこわしてしましまいます。半田吸い取り機で半田を吸い取って外すのが一番簡単です。半田吸い取り線やスッポンで取るのはかなり大変です。
3.2本のピンをやすりで削ってバラします。
バラす前に組み立て時のことを考えて油性マジックでマークを書いておくと間違えません。
4.可動ブラシがプラスティックの台から剥離しているので、これを元の位置に戻してにエポキシ系の接着剤を爪楊枝を使って塗布して固定します。
ブラシが台から浮き上がっているのが分かると思います。
接着剤で固定しています。細かい作業なので大変・・・・・。
5.抵抗体の表面を接点洗浄剤を綿棒に着けて清掃します。
綿棒が真っ黒になります。
6.接着剤が十分に固まったら元通りに組み立てます。
このときの注意・・・・軸の挿入角度に注意です。間違えるとツマミの方向が180度反対になります。
7.最後にピンで固定します。
削って外したピンは再利用不可能です。ゼムクリップをまっすぐにのばした物が太さがピッタリでした。
このボリュームの修理はかなり慣れが必要です。私は何個か壊してしまい、そのために修理不能のTR-751が数台あります。何とか新品が手に入ると良いのですが・・・・。