Jariaの玉手箱【更新終了】

鉄道ニュースについて管理人のツッコミ、そして時に自論を展開するブログ(※このブログは既に更新を終了しています)

福知山線事故から1年

2006年04月28日 23時33分52秒 | 鉄道ニュース(総合)
去る、今月25日で福知山線事故から1年が経ちました。

そういう時期にありがちなこととして、各メディアでは今月中旬頃から事故についての様々な報道がなされたことは、皆さんも既にご承知の通りだと思います。

今回はその一連の報道を見て、気付いたというか、気になったことを書かせて頂きます。
それは、報道内容が概ね、JR批判論と被害者追跡ドキュメンタリーのどちらか一方に属していたということ。
つまり、これ以外の切り口が極端に少ない、というか、私の見た限りでは見られなかったのです。

私は別に、この両者の切り口自体を批判している訳ではありません。
これ自体に大きな問題があるということではないのです。(但し、「被害者追跡~」については、被害者側が取材を望んでいることが前提となりますが。)
ただ、まるで誰かにコントロールされているかのように、綺麗に2パターンに分かれているということは、よくよく考えてみると少しおかしいのではないかと。
まあ、根拠の無い陰謀論を出した所で無意味ですし、私自身も第三の視点を提供できるほどの力はありませんから何とも言えんのですが…。

では、何故こんなことを書いたのか。
実は、これに関連して以前から疑問に思っていることがあるのです。

それは、国土交通省が批判の矢面に殆ど立たされないということ。

うちのブログでも以前似たようなことを書いた気がしますが、私が見る限り、監督省庁である国交省の責任を追求しようとする動きは、不思議なことに全くと言って良いほど見られないのです。

例えば、事故原因の憶測のひとつとして、亡くなられた運転士に運転士としての適性が欠けていたのではないかということが、最近よく取り上げられています。
そういうことを書いている記事の多くは、それをもってJR西日本の運転士選抜制度に問題があったのではないかと論じている訳ですが、何故だかそこでぴたりと完結してしまいます。
本来、この論理で議論を展開したのであれば、当然、その先にある電車運転士の免許制度等についても触れなければならないはずです。
仮に運転士の適性欠如が事故の原因であったなら、免許制度の改善も含めて、関連法の改正等何らかの方策が必要となります。
で、そういう方策が必要ということは、イコール、そういうものをきちんと整備しなかった国交省にも問題があるということになってしまうのです。

実際、せりあがり脱線が原因といわれる日比谷線中目黒事故の際に、脱線防止ガードの設置について統一基準の作成と義務化を行っていなかった旧運輸省が批判されたことは、記憶に新しいと思います。
勿論、この場合とは詳細が異なってくるので一概に比較することはできませんが、こうした報道の実例が過去にあったことを考えると、福知山線の事故に関する報道に、少しばかり違和感を感じずにはいられないのです。

ただ、以上は、あくまでも私の少ない情報の中での考えに過ぎません。
もし、「国交省も結構批判されてるよ」等、考えを改めなければならない情報をお持ちの方がいらっしゃれば、コメント欄にて御一報頂ければと思います。

最後に、改めて、福知山線の事故で亡くなられた皆様の御冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた皆様、そして遺族の皆様の傷が少しでも癒されるよう、心よりお祈り致します。


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