--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

中学生・高校生の提案

2005-12-17 | Weblog
今日二つ目の記事です。

まさに47次隊が昭和基地に降り立とうとしている日、私も朝から南極モードでした。
国立極地研究所で行われた「国際極年2007-2008企画 第2回中高生南極北極オープンフォーラム―中学生・高校生の提案を南極・北極へ―」を見にいったからです。
47次隊が成田を発ったことを伝える記事と一緒に、このコンテストで最優秀賞になった2つの提案を47次隊が行うという記事が出ていました。
それならばどんな提案か聞いておきたいと思い立ち、行ってみることにしたのです。
ひとつは「しゃぼん玉で極地の空気の汚染度を調べる」
もうひとつは「地磁気発電の比較検証実験~極地での発電量は増えるか、磁界の向きは確認できるか~」

しゃぼん玉の提案の中で驚いたのは、晴れや曇りの日に比べ、雨の日はしゃぼん玉は割れにくい(晴れや曇りの日の倍以上)ということ。
割れる要素の中に、しゃぼん玉が乾燥するというのが入っているのだと初めて知りました。
雨のほとんど降らない南極で、しかも南極は乾燥している・・と心配したのですが、専門家の方から、絶対湿度は低いけれど、必ずしも相対湿度が低いわけではないとの言葉があり、なるほど。
中学生の発表者は、汚染物質の多い北半球のほうがしゃぼん玉はつぶれやすいと考えたようです。
南極での実験について、しゃぼん玉が凍ってしまうのは何度だろう?凍ったしゃぼん玉は浮いていられるの?という疑問も。
ちゃんと打ち合わせも行ったとのことで「私の背の高さで、しゃぼん玉を吹いてもらうことにしました」と言っていたのがとってもかわいかったです。
47次隊の方たちがやってくれて、疑問が晴れるといいですね。

地磁気発電のほうは、実験が面白かったのです。
地球は大きな磁石だから、地磁気発電をしたら極地のほうが日本より大きな電流が流れるのではないかと考えたそうです。
南北方向や東西方向で、導線を縄跳びのようにまわしたり、導線を貼り付けた棒を落としたり、持ったままいろいろな方向に動かしたりして、試行錯誤しているのです。
昭和基地周辺は地磁気異常(どういう状態なのかはよく分かりませんでした)だということや、オーロラが出るような磁気嵐の起こる場所でもあることが出されました。
そういう条件のときに実験してみるのも面白そうですよね。
後者の発表は私の基礎知識が怪しく、ちょっと分からないところがあったりして、高校生ってすごい・・と感服しておりました。
私も、もっと勉強しよ。

他のもみんな書きたいくらい面白かったんです。
特別優秀賞の「氷床内に存在するDNAと進化の過程~氷床内に残存する生物から読み取る進化の過程について~」は、極地研の研究者の方々もびっくり、まさにやり始めた研究に近いものだとのことでした。

さらに、第1回の昨年の研究は46次隊の方が進めていますが、47次隊に引き継がれるものもあるとのことでした。
私も楽しみにしています。

極地研で働いている研究者の方どの方も、中高生の提案をよく読んでいて、質問やアドバイスをたくさんされていたのが印象的でした。
彼らの中から、将来極地研究に携わる人が出るといいなぁと思いました。
私もちょっとやり直したいかも。

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