--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

しらせ離岸

2006-02-13 | 南極だより
朝起きていつものように昭和基地リアルタイム画像のカメラ1に「しらせ」の姿を探しました。
無意識にです。
もう、来年までカメラに「しらせ」の姿を見ることはありません。
冬が近づき、雲のたれ込めた昭和基地が今朝はとても寂しそうに見えました。
でも、きっと元気に活動を開始している47次越冬隊。
私も、頑張らなくっちゃ。
では、渡井さんからの南極だよりです。
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2006年2月12日(日) 曇り時々晴れ しらせ離岸


しらせが離岸した。

非常時が来ない限り、もうヘリ便も緊急の飛行機便もない。
36人の隔絶された世界である。

今日はそれよりもなによりも夏隊との別れが非常に哀しかった。
昭和基地に入って以来47次隊とひとくくりされてきたのが、2月1日以降、越冬隊・夏隊と区別されるようになってきた。
確実に別離の時が迫っていることを実感させるのである。
会うのは1年後の成田。
苦楽を供にした夏隊の方々。
本当に、本当にありがとう。





-----本日の作業-----
・正日直
・液体窒素製造

<日の出日の入>
日の出  3:45 
日の入 21:23
<気象情報>
平均気温-2.7℃最高気温-0.4℃(1333)最低気温-5.2℃(0532)
平均風速 2.8m/s
最大平均風速7.8m/s 風向ENE(2350)
最大瞬間風速9.6m/s 風向ENE(2346)
日照時間 4.0時間

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渡井さんの便りはこみ上げる思いを抑えるかのように短い言葉をつなぎながら綴られています。
先ほど「しらせ」から届いた夏隊員さんの便りも、短い中に思いがたくさんつまったものでした。
別れの時、多くの隊員が涙したと聞きました。
一生のうちにこのような涙を流すことが何度あるでしょうか。
彼らはそう長い月日を過ごしたのではないのです。
ほんの半年間に凝縮された日々を、一緒に準備をし、汗して働き、笑い、感動を共にした仲間との別れだからこその涙なのかな、でもきっとこんなに薄っぺらな言葉では言い表せないくらいの、たぶん言葉にならないものがあるのだと思います。
私にはその本当の気持ちを分かることはできないけれど、今はただ思いを馳せていたいのです。
南極だよりを通して少しだけ共有させてもらった「47次隊の夏」は私にとってかけがえのないものでした。
どんなに楽しく、どんなにたくさんのことを学ばせてもらったことでしょう。
今度は日本に帰った夏隊の皆さんに越冬隊の様子を見てもらえるよう頑張りたいと思います。

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