--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

48次第1便到着!

2006-12-20 | 南極だより
今まで複数のアドレスで見ることができた昭和基地WEBカメラ リアルタイム画像ですが、新しいアドレスに完全に移行したのか、古いアドレスでは見られなくなってしまいました。
このブログでは、今までの分は以前からあったアドレスでリンクしているので、以前の記事からリンクしてあるものはリンク切れになっています。
新しいアドレスは
http://polaris.nipr.ac.jp/~webcam/
http://www.nipr.ac.jp/~webcam/です。
それでは、渡井さんからの南極だよりです。
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2006年12月19日(火)晴 48次第1便到着!

昭和時間1500、しらせからの第1便が到着した。
今年は思いのほか氷が薄く、「しらせ」は相当基地の近くまできているようだ。
しらせを飛び立ったヘリが、時間稼ぎのためか、ラングホブデ方面を行ったり来たりしているのが見えるのがご愛嬌ではある。

ヘリは2機編隊でAヘリ上空をlow pass。
その後左右に展開して、南側に分かれたヘリが西側から進入、第1便として到着した。

ヘリからは新鮮な食糧、託送品が降ろされ、そして48次隊の隊員が降りてくる。
実に10ヶ月ぶりの見知らぬ人との対面である。

#とうとう来た、第一便と第二便のヘリ

#待ってたのは、これ?
野菜の箱が次々・・


荷物は47次メインでヘリポート脇に集積する。
昭和基地に降り立ったばかりの48次隊員は、なにをしていいのかわからず戸惑い気味だ。
昨年の自分達47次もそうだったのだろう。

両隊長としらせ艦長の挨拶の後、乾杯。
47次隊には約1年ぶりの新鮮なビール、48次隊は早く昭和基地になじんでもらおうということで、貴重な?エビスの越冬ビールが手渡される。

#対面してお互いどんな気持ちだったのだろう?

#ヤッケってこんなにきれいだったんだ!!
47次のヤッケは既に真っ黒


託送品はバー横のビリヤード台の上に集積された。
観測隊指定の小ダンや中ダンではなく、思い思いの箱や梱包であることが、日本からの想いの詰まった荷物であることを窺わせる。

自分の託送品の中には、往路のしらせで早々に壊れてしまったデジカメの代替品、更新期限がきていたため新たに発行されたクレジットカード、そして親からの手紙が入っていた。
頼んではいなかったのだが、年賀状も同封されていた。
2006年の年賀状。
約1年遅れての到着だ。
あと箱の隅には梱包材がわりのわずかばかりのお菓子。
それなりにお菓子類はまだ残っているので、ありがたみは薄いのだが、これは両親の精一杯の心遣い。
その想いに不意に涙が零れてしまった。

今日の夕食は48次隊15人と一緒に管理棟食堂でとる。
48次隊がひとかたまりにならず、ばらけているのはいい傾向だ。
概して若い人はかなり緊張気味、ベテランは割合どうどうとしているのが面白い。

食卓には緊急物品として輸送された食材もならぶ。
野菜サラダ。
新鮮な野菜はやっぱり良い。
大好きな幸水も食卓に並んでいたのは嬉しかった。

#託送品の仕分け?
それぞれ持って行っているだけ?


#歯ごたえが感じられるように、にんじんもざっくりと切ってありますね

48次隊が来てみると、また昨日までとは違った気持ちになっているのに気付く。
昨日までは、来なければいいなぁ、このまま時が過ぎればいいなぁ、と思っていたのだが
48次隊がいざ昭和基地に着いてみると、頭ではなく無意識のうちに帰る日が迫っていることを感じるのだろうか、なんとも落ち着いた気持ちなのである。
また後輩を迎える先輩のように感じるのか、下手なところは見せられないぞという気持ちである。

さ、明日からは怒涛の夏作業が始まる。


-----12月19日本日の作業など-----
・HVS Air濃度計算
・昭和基地NOW!!執筆
・O3変動解析
・水トラップ修理
・第1便&2便受け入れ
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・鶴小南極便り

<日の出日の入>
日の出 なし  
日の入  なし  
<気象情報>
平均気温-1.7℃
最高気温1.4℃(1901) 最低気温-5.5℃(0319)
平均風速5.6m/s
最大平均風速11.5m/s風向E(0100) 最大瞬間風速15.0m/s風向E(0036)
日照時間 23.1時間

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47次隊が昭和基地に降り立ってから368日目。
第一便がやってきましたね。
私も数日間、なんだかそわそわしながら過ごしました。
クリオネに似ているヘリを見るのは久しぶりで、私もなんだか懐かしい感じです。
下りてきたオレンジ色のヤッケはとてもきれいで、そういえば47次もそうだったなぁと思い出しました。
そして黒く汚れた作業着を着た46次隊のメンバーを、とても大きな存在に思ったことも。
今回は47次が油や土などで真っ黒になった作業着を着て、むさ苦しくもかっこよく並んでいて、この1年の作業が一気に思い出されました。
思い出せば思い出すほど47次隊を誇らしく思い、48次隊の方たちに紹介してまわりたいくらいなのです(どちらの隊にとっても余計なお世話ですね・・)。
47次隊の姿を48次隊のメンバーはどのように感じたのかな、というのは聞いてみたいです。

この第一便「とうとうやってきた」の人も「ようやくやってきた」の人もそれぞれの思いだったに違いありません。
渡井さんは「とうとうやってきた」の人だったみたいですが、覚悟ができるのか、それとも新しく来た48次隊が日本との架け橋になっているのか、迎えてしまえばまた気持ちも変わってくるものなのですね。
初日は15人だったようですが、今日はもっとたくさんの48次隊のメンバーを迎えていることでしょう。
新しい仲間が増えるのは、やっぱり嬉しいことなのだろうな、と思います。
また、賑やかな夏が始まりますね。

いろいろな思いで迎えた第一便だったと思いますが、それでも、みんなの気持ちが一致していたのは、「待ってました!新鮮食材!!」とご家族からの託送品ですよね。
1年ぶり?の生野菜というのが、どういう感じなのかは、とても想像することができませんが、ニンジンの切り方が大きいのを見て、味もさることながら歯ごたえを求めているのかなと思いました。
個人的には、生卵かけごはんが食べたいのではないかな、と思うのですがどうでしょう?

託送品は、ご家族からの思いのこもった贈り物。
私なんかが何かを言うこともないですよね。
あ、私も渡井さんに2007年のカレンダーを送らせていただきました。
第一便ではないので、まだ海氷のただ中にいる「しらせ」で出番を待っているはず。
カレンダーだけに来年になるまでに手元に届くといいのですけれど。

そうそう、
ヘリの飛んでくる方向ですが、少し前に「第一便が海氷上を飛んでくるとしたら、北から来るよね?」と聞いたら「風が北東なら一旦南側にちょっと行ってから戻ってくる形になるかも」と言っていました。
ラングホブデの上空なら南から来たということでしょうけれど、風よりも時間待ちだったというのは予想外でした。
第一便は15時に着くとなれば、必ず15時。
観測隊は5分前行動が原則だそうですから、きっと少し前に来てラングホブデ上空で待っていたのですよね?

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