「ガラパゴス」(相場英雄著)を読んだ。
今や、全労働者の30%を超える非正規雇用労働者の現状を描いている。
怒りと悲哀が込み上げて、やり切れない思いに打ちのめされる。
大企業のコストカットの間で、自殺をよそ覆った殺人事件の捜査の過程で
浮び上る労働環境。人材派遣会社の倫理、矜持の無い暴力まがいのやり方。
大企業にとって、非正規労働者は部品と同じである。
世界でいちばん企業が活躍しやすい国とは、世界でいちばん労働者が
こき使われる国かなしみである。
捜査にあたった刑事が呟く。
普通に働き、普通にメシが食えて、普通に家族と過ごす。
こんな当たり前のことが難しくなった世の中って、どこか
狂っていないか?
なにがGDP600兆か、空しさだけが吹きぬける。
合掌