2010年7月24日(土)
肥中街道の続きを歩こうと、新山口駅から美祢駅までの切符を買って山陽本線に乗ったのはいいが、美祢線への乗換駅である厚狭駅に着いたところで、先の豪雨被害のために美祢線が未だに不通で、代行バス輸送中とのアナウンスがあった。
バスの出発時刻までに50分位時間があるので、どの程度の被害だったのかなぁと思い、厚狭駅前から商店街の方へと歩いてみて、吃驚(写真上)。
ほとんどの家で、まだ片付け作業の真っ最中で、水浸しになってどうしようもない廃棄物が軒先に山積みしてあり、市役所の廃棄物回収用のダンプカーが頻繁に出入りしていたものの、なかなか追いつかない様子。
こんな状態では商売どころではないだろうし、商店街の通りは、泥水と石灰(多分、消毒用?)とが入り交じったような臭いもしていて、毎日の生活に大きな支障が出ているだろうと想像する。このようなときにこそ行政のきめ細かな支援策が継続して行われることを、陰ながら期待せずにはいられない。
商店街を抜けたところにある厚狭川に架かる橋にも立ち寄ってみた(写真中)が、全国ニュースで放映された時はこの橋の下辺すれすれを濁流が流れていたのだから、いかに増水の量が大きかったのかが分かる。
今回の豪雨被害の主要因は、記録的な短時間の降水量であることは確かではあろうが、思うに、それ以外の要因、例えば上流の山々が持っていた保水や畜水などの「山力」が、近年は衰えてきている…てなことはないのだろうか?
落葉樹を中心とした豊潤な自然活動を支え、水源涵養林としての機能も併せ持っていた雑木林を、軒並み切り倒して造ったのは何かと言うと、杉や檜の造林や植林、大規模住宅地、ゴルフ場などで、その結果、山々に降った雨は山に蓄えられることなく一気に川に流れ込んでいるのではないかと思う。
もしこの推測が正しければ、これからも、豪雨による浸水被害はますますひどくなるのではないだろうか?そうなれば、天災とばかりも言っておれなくて、人災の一面もあるのじゃぁないかと思う。
山が豊かなら、川も豊かになるし、その結果、海も豊かになる。そんな自然の偉大な好循環を太古の昔から人類は知っていた筈なのに、何故か現代人はそれらを忘れて、当面の便利さや欲望ばかりを優先してしまっているように見える。人類はもっと、自然に対して謙虚であるべきじゃぁないのかなぁ………(と、珍しくマジメな雰囲気?)
不通のために、サビて泥を被った美祢線のレール(写真下)を眺めながら、自然が人類に対して、『ぼちぼち気がつけョ、オマイラ!!!』と警鐘を鳴らしているのではないかと、しみじみ思ったのだ。
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