今日も気分はニニ・ロッソ

私J.Yasudaがニニ・ロッソの思い出など、思いつくままに語ります。
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絵?それとも写真?

2007年09月05日 21時28分13秒 | 随想/ニニの事他
夜空のトランペットのカラオケをアップしてからというもの急にアクセスが増えています。
やっぱりこの曲は人気があるのだなと感心しながらも、僕の作ったカラオケがどこかで誰かの役に立つこともあるかもしれないと思うと少し良い気分です。

全盛期のニニ・ロッソは、日本でおよそ二ヶ月間約60回のコンサートを開いていました。

当時の一回のコンサートでオープニングとエンディングの2度「夜空のトランペット」を演奏していましたから1シーズンに約120回演奏をしたことになります。
僕もこの曲は、何度と無く演奏しましたが、2ヶ月間毎日2回ずつ吹くなどということはありません。
飽きないのかな?などと思うところですが、そもそもニニ・ロッソ個人が好きな音楽のジャンルはムードミュージックではないようです。
ニニの好きな音楽というのは基本的にはダンスナンバーのようで、イタリアでのライブは演奏曲のほぼ半分がダンスナンバーだったそうです。

日本で発売されているレコードのイメージとはずいぶん違いますが、夜空のトランペットのようなバラードを朗々と吹くことも、観客を躍らせることも出来る人であったことは確かです。

でも、コンサートで見たニニの「夜空のトランペット」を吹く様子は真剣そのものです。
オープニングで、にこやかに手を振りながら登場した直後なので、少し意外な感じがするほどトランペットを構えた瞬間に顔つきが変わります。
おそらく自分の好みの曲かどうかなどということは2の次、3の次なのでしょう。

プロとアマチュアの違いはよく、集中力だと言われます。
この考えには僕も賛成です。
素晴らしいプロ奏者の演奏は、アマチュアが考えながら何とか「美しい絵」を描こうとするのとは違って、そこにある美しい景色を瞬間的に「写真」に切り取ったような印象を受けます。

彼らの頭の中では、音楽は演奏開始と同時に完璧に完成しているかのようです。

ああ僕もいつかそんな日が来ますように
今日も気分はニニ・ロッソ

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1 コメント

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プロの表現力 (トランペットbar)
2007-09-06 15:45:28
「俳優の渡辺謙さん」がハリウッド映画の撮影中、演技力で壁にぶち当たったそうですが、そのとき監督からこんな助言をもらったらしいです。

「君は台本とにらめっこばかりして役のイメージを造ろうとしてる。でも今いるこの森の中でああやって風に揺られてる木の葉や、川や、君が踏みしめてる土が、その台本の中にあるストーリーを全部知っている。だから君が役に溶け込むためには、もっと廻りにある自然界と対話をしなければならない。」

このアドバイスをもらった「謙さん」はみごとスランプから脱し、役者としても飛躍したと何かのインタビューで言っておられました。

役者にしても音楽家にしても、プロの集中力、表現の正確度には凄まじいものを感じます。

映画「ラウンド・ミッドナイト」でデクスターゴードンがバラードのリエストを貰ったとき、「その曲の詩はどんな詩だったかな」と確認するシーンがとても印象的でした。

サックスでフレーズを吹くだけなのに、曲のストーリーや内容が分からないとプロは演奏できないんだなと思いました。

そういえばこの映画に出演してるフレディ・ハバードが、ジャズクラブのステージですばらしくセンチメンタルなバラードをフリューゲルで演奏してますが、僕はこれもショックでした。(だってあのバリバリハードバッパーがこんなスィートな演奏もできちゃうの?)









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