みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

桐花賞 南郷がんばった!!

2006年01月07日 | 岩手競馬
 新年も明けて、すっかり明け切ってしまって何日も経つんですが、いましばらく旧年ネタにおつきあい下さいませ・・・。



 3歳馬マツリダパレスが勝った桐花賞。久々に南郷騎手らしさが爆発したレースでしたね。
 最内枠からすっと先行集団に付け、前に2頭行かせながら3番手の位置をキープ。すんなり流れている時はおとなしく流れに乗り、ごちゃつきそうな時には押して出てその位置から引きませんでした。途中、関本浩司騎手のゲンパチコジーンがスローペースに耐えかねてか一気に動き、マツリダパレスのさらに内に突っ込もうとした時も、南郷家全騎手は頑固なまでに競り合ってついにその位置を譲らず、ポジション争いに敗れたゲンパチコジーンは後退していきます。
 気がついてみれば4コーナー、とうとうそこまで3番手を守りきった時点で、マツリダパレスと南郷騎手の作戦は8割方達成されていた事でしょう。後はいつ、前を行くカームの内に飛び込んでいくか?しかしそれも、カームがコースの中程に出ていったことであっけなく成就されました。

 南郷騎手が最内にこだわった訳はというと、本人いわく「コースの両端が高くて真ん中が低い。だからコースの中程には水が浮いているけど、両側には比較的乾いた、走りやすいコースがある。絶対にそこを譲りたくなかった」なのだそうです。そう思うと、前日の特別戦を全く同じような乗り方で勝ったのも桐花賞の伏線になっていましたね。

 このレース、マツリダパレスがトニージェントを振り切った瞬間には強烈な印象を受けたのですが、4コーナーで、南郷騎手がじっと内が開くタイミングを待っていた、そして開いた瞬間勇躍飛び込んでいった、その瞬間も忘れられません。

 南郷騎手は重特だとピンチヒッター的な騎乗機会しかなくて、自厩舎の馬でもなかなか連続して乗れないのですが、たまにこういう大レースに乗っても、平場と同じようにしれっと豪快なレースをしてしまうところが彼の凄いところだと思います。
 もちろん、馬にそれだけの力があったからこそ勝てたのですが、何と言っても光っていたのは南郷騎手の騎乗ぶり。今回は彼に対して「凄いよ!!」と言ってあげたいですね。

 と、こんな事を書いている今日、トウケイニセイ記念の枠順が出まして、マツリダパレスは小林騎手に乗り替わりとなりました。いや、南郷騎手はこういう事にもめげず、またあっと驚く騎乗を見せてくれるに違いありません。きっとそうに違いない。



 さて、桐花賞で4着に入ったカームですが、予定通りこのレースを最後に引退することになりました。今後は青森県八戸市にある山内牧場で種牡馬として繋養されることになっています。
 種牡馬としての条件は「産駒誕生後・10万円」と聞きました。馬主さんにはけっこう厳しい条件ですが、それでも是非カームの子供を見たい、という事でこういう条件になりました。
 種牡馬として数多くのライバルと戦っていくには、確かに成績面では少々もの足りませんけども、血統面や馬体では決して引けを取らない馬ですし、なんとかいい仔を出して、長く種牡馬として暮らしていってほしいです。

 カームにとって“青森で種牡馬入り”は都落ちのような印象を受けられるかもしれませんが、その点は、少なくとも生産者から望まれて青森に留まる、ということを書いておきたいです。
 まだこれから検査等が必要で、その所要時間からすると3月ごろに間に合わせるのがギリギリという感じですが、種付け頭数は一桁という事はなくてうまくすれば20頭近く集まるのではないかと思います。

 カームが青森に出発するのは1月12日の予定。早ければお昼頃にも厩舎を後にして、その日のうちに牧場入りすることになるでしょう。テシオでもカームの種牡馬入りを追いかけていきたいと思っています。

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