某掲示板で“ただのアホ”と言われたよこてんです。
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アホで~~す。 うはははは。
いや、私も関西の人間ですからアホと言われる事には慣れてますし、むしろフレンドリーな印象すら受けるのですが、“ただの”がくっつくとだいぶ様子が変わりますねぇ。書かれた方はきっと私の事をよほどよくご存じなのでしょう。よもや競馬場で見かけただけ、なんて事は・・・?
ま、一介のアホである事にはなんら抵抗感はありませんので、これからも精進せねばと思いますな。
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他にも「あー、こりゃ精進しないとなあ」と思わされる事がありました。
5月14日・土曜日の「岩手日報」夕刊、1面に載った『入場者増も売り上げ伸びず 岩手競馬』という記事の中に私が登場しております。ご覧になっていない方は
こちらの過去記事アーカイブに同文が掲載されていますのでご覧になってみて下さい。
「俺のコメントが新聞に出たぞ!」という宣伝ではありません。この記事をもって「よこてんが日報に荷担して組合批判をした」と受け取られたようで、まあありていに言って、とまどっている所なのです。
記事になったのは『岩手競馬専門雑誌テシオ編集部の横川典視さんは「開幕の告知が遅れたのが原因だ」とし、「ファンは30代後半以上がほとんど。若い客層を開拓できずにきたつけが出ている。元気のなさもそれが原因では」と構造的問題を指摘する。』(以上引用)という部分。
このために40分ほど電話取材を受けたのですが、その時のニュアンスと記事になった部分と、ちょっと違うような気がします。
言った・言わないになると余計にややこしいので、自分がどんな事を話したか、覚えている限り書いておく事にします。
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・県外のテレトラックでの落ち込みが激しいのは、開幕告知が遅れたぶん、県外のファンの立ち上がりが鈍かったのだろう。4月2日の開幕日にしても“もう予定が決まっていて行けない”という声を耳にした。今はかなり戻ってきていると思う。
・競合施設ができたのは一因ではあるが、自分はそれほど大きな影響はないと思う。ただ、内容を比較されて“新味がない”と判断されたかも。新種馬券導入やG1発売の拡大など新味を出す施策が欲しかった。
・客単価というのは、一般的なファン層はやはり1日1万円くらいのもので、昔からあまり変わってないのだと思う。それがなぜデータ的に大きく落ち込んでいるかを考えるとすると、1日に何十万も使っていた高額購買層が大きく減っているせいだろう。例えば馬主。岩手の地元系の馬主さんはこの2~3年で大きく減った。馬主さんは潜在的な高額購買層であって、地元の馬主さんたちの馬券購入額は大きかったはず。それが大幅に減った影響は少なくない。
・ではなぜ高額購買層が減ったか、というと、経済的状況がまず一つ。こう不景気では・・・という所。もう一つは、馬券の主流が馬複や馬単になったことで1日の投資額が小さく、お金の回転も(注・馬券を買って・当たって・それを元手にまた買って、のサイクル)縮小しがち。
・「テシオ」の読者層などをみると、熱心なのは30代中盤から40代の、いわゆる第二次競馬ブーム時に競馬を覚えた人たち。それ以下の若い世代がなかなか増えてこない。競馬は2時間くらい競馬場にいても場合によっては3レースくらいしかチャンスがなく、そういうペースが若い世代にはスローに感じられるのではないか。サイマル発売を活用して10分おきくらいにレースを、すなわち「儲けるチャンス」を用意してみる、という手はあると思う。
・また、熱心な層がすでに10年以上競馬をやっている世代ということで、だんだん競馬の楽しみ方が煮詰まってきて、初心者にはマニアックな、難しいものになっているかもしれない。これは自分もそういう世代として反省しなくてはならない部分かもしれない、と思う。
・売り上げ減に関しては、競馬というもののパイ自体が縮小していると思う。各地の競馬場が廃止されている影響が出てきている。これは岩手に限った問題ではない。
・競馬場に人がたくさんいれば“じゃあ俺も私も”とプラスの相乗効果がある。人が少なければ逆にマイナスの効果になってしまう。たくさんのファンに来てもらって賑わいを演出しないと、マイナスの方が強調されてしまって良くない。
もともと「一ファンとして岩手競馬の今の状況をどう思うか」みたいな聞かれ方だったんですけどね。まあ、今の状況を“すべてOK”だと言うつもりはないので、こういう風に受け取られても仕方ない部分はあるのかもしれませんが。
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ところで、これを書くに当たってテレトラックの売り上げの数字をちと見てみました。『県外テレトラックの単価は極端に低く、特に今季の横手(秋田県)と、つがる(青森県)はそれぞれ、4600円(前年比10・2%減)、2800円(同23・2%減)と大幅に落ち込んだ。』という部分が“どうだっけ?”と思ったからです。
テレトラ横手が入場者1人当たり売上額4600円で「前年比10.2%減」、つまり昨年でも5000円程度であるように、そもそも横手とつがるはJRAG1発売がある関係上、売り上げに対して入場者数が多い傾向にある所です。
今年のデータを見ると、5月1日に行われた天皇賞春、この日の対前年同日比入場者数が非常に多く、その割に「岩手競馬の」売り上げが伸びてないために平均が大きく下がっている事がわかります(岩手の分が伸びないのは、それはそれで問題ですが・・・)。
GW開催6日間の、テレトラ横手での入場者1人当たり売り上げは4782円ですが、ここから5月1日分を抜いて計算すると7878円に、天皇賞前売りがあった4月30日も抜いて残り4日で計算すると10441円になります。こういう計算の仕方は良くないですけれど、岩手競馬に限ってみれば、例え横手やつがるでもそう極端に1人当たり売り上げが低いわけでは無い事が分かって頂けると思います。
ついでに書くと、テレトラ山本の今季入場者1人当たり売り上げは9283円。以下同様に三本木10446円、十和田が7539円です。水沢本場が14441円、釜石17706円、種市21990円。
確かに県外テレトラックは県内に比べて少ない。が、売り上げ自体は、全体が対前年比86.9%で推移している中でどこも同80%台にあるのだから、落ちたというなら70%台になっている十和田やJRA福島・東京、電話投票が他と比較してそういえるでしょう。
つがる・三本木・十和田などは開幕3日間で前年比70%台前半の売上額だったのが、GWを終えて80%台に乗ってきていますから、むしろ好転していると言ってもいい。
いや、確かに本場に比べれば少ないんだけれども、『極端に低い』『大幅に落ち込んだ』という表現で実態を表せているのか。ちょっと疑問を感じる部分です。(注・この文章中「今季」としているのは開幕~5月5日までのデータを元に書いております)