みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

菅原 勲騎手落馬

2005年05月22日 | 岩手競馬
今日の1R、マルゼンリーダー号に騎乗していた菅原勲騎手ですが、ハナ奪って逃げ切り濃厚というゴール前50mほどの所で馬が転倒して落馬・競走中止となりました。

落馬した時にラチの支柱に激突したのが見えたし、落ちた時も頭からだったので心配されましたが、不幸中の幸いか大きな怪我にはならずに済んだようです。
ただ、やはり支柱にぶつかった時に腰のあたりを強く打ったので、今日は大事をとって騎乗を取りやめる、という事になりました。乗り替わりの詳細はNARのページでご確認下さい。

馬の方は、故障したから転倒したのか、転倒した時に故障したのか分かりませんが、いずれ左前の球節のところで骨折していました。

以上速報まで。

岩手日報の記事

2005年05月20日 | 岩手競馬
某掲示板で“ただのアホ”と言われたよこてんです。

・・・
アホで~~す。 うはははは。
 いや、私も関西の人間ですからアホと言われる事には慣れてますし、むしろフレンドリーな印象すら受けるのですが、“ただの”がくっつくとだいぶ様子が変わりますねぇ。書かれた方はきっと私の事をよほどよくご存じなのでしょう。よもや競馬場で見かけただけ、なんて事は・・・?

 ま、一介のアホである事にはなんら抵抗感はありませんので、これからも精進せねばと思いますな。



 他にも「あー、こりゃ精進しないとなあ」と思わされる事がありました。
 5月14日・土曜日の「岩手日報」夕刊、1面に載った『入場者増も売り上げ伸びず 岩手競馬』という記事の中に私が登場しております。ご覧になっていない方はこちらの過去記事アーカイブに同文が掲載されていますのでご覧になってみて下さい。
 「俺のコメントが新聞に出たぞ!」という宣伝ではありません。この記事をもって「よこてんが日報に荷担して組合批判をした」と受け取られたようで、まあありていに言って、とまどっている所なのです。

 記事になったのは『岩手競馬専門雑誌テシオ編集部の横川典視さんは「開幕の告知が遅れたのが原因だ」とし、「ファンは30代後半以上がほとんど。若い客層を開拓できずにきたつけが出ている。元気のなさもそれが原因では」と構造的問題を指摘する。』(以上引用)という部分。
 このために40分ほど電話取材を受けたのですが、その時のニュアンスと記事になった部分と、ちょっと違うような気がします。
 言った・言わないになると余計にややこしいので、自分がどんな事を話したか、覚えている限り書いておく事にします。



・県外のテレトラックでの落ち込みが激しいのは、開幕告知が遅れたぶん、県外のファンの立ち上がりが鈍かったのだろう。4月2日の開幕日にしても“もう予定が決まっていて行けない”という声を耳にした。今はかなり戻ってきていると思う。

・競合施設ができたのは一因ではあるが、自分はそれほど大きな影響はないと思う。ただ、内容を比較されて“新味がない”と判断されたかも。新種馬券導入やG1発売の拡大など新味を出す施策が欲しかった。

・客単価というのは、一般的なファン層はやはり1日1万円くらいのもので、昔からあまり変わってないのだと思う。それがなぜデータ的に大きく落ち込んでいるかを考えるとすると、1日に何十万も使っていた高額購買層が大きく減っているせいだろう。例えば馬主。岩手の地元系の馬主さんはこの2~3年で大きく減った。馬主さんは潜在的な高額購買層であって、地元の馬主さんたちの馬券購入額は大きかったはず。それが大幅に減った影響は少なくない。

・ではなぜ高額購買層が減ったか、というと、経済的状況がまず一つ。こう不景気では・・・という所。もう一つは、馬券の主流が馬複や馬単になったことで1日の投資額が小さく、お金の回転も(注・馬券を買って・当たって・それを元手にまた買って、のサイクル)縮小しがち。

・「テシオ」の読者層などをみると、熱心なのは30代中盤から40代の、いわゆる第二次競馬ブーム時に競馬を覚えた人たち。それ以下の若い世代がなかなか増えてこない。競馬は2時間くらい競馬場にいても場合によっては3レースくらいしかチャンスがなく、そういうペースが若い世代にはスローに感じられるのではないか。サイマル発売を活用して10分おきくらいにレースを、すなわち「儲けるチャンス」を用意してみる、という手はあると思う。

・また、熱心な層がすでに10年以上競馬をやっている世代ということで、だんだん競馬の楽しみ方が煮詰まってきて、初心者にはマニアックな、難しいものになっているかもしれない。これは自分もそういう世代として反省しなくてはならない部分かもしれない、と思う。

・売り上げ減に関しては、競馬というもののパイ自体が縮小していると思う。各地の競馬場が廃止されている影響が出てきている。これは岩手に限った問題ではない。

・競馬場に人がたくさんいれば“じゃあ俺も私も”とプラスの相乗効果がある。人が少なければ逆にマイナスの効果になってしまう。たくさんのファンに来てもらって賑わいを演出しないと、マイナスの方が強調されてしまって良くない。

 もともと「一ファンとして岩手競馬の今の状況をどう思うか」みたいな聞かれ方だったんですけどね。まあ、今の状況を“すべてOK”だと言うつもりはないので、こういう風に受け取られても仕方ない部分はあるのかもしれませんが。



 ところで、これを書くに当たってテレトラックの売り上げの数字をちと見てみました。『県外テレトラックの単価は極端に低く、特に今季の横手(秋田県)と、つがる(青森県)はそれぞれ、4600円(前年比10・2%減)、2800円(同23・2%減)と大幅に落ち込んだ。』という部分が“どうだっけ?”と思ったからです。

 テレトラ横手が入場者1人当たり売上額4600円で「前年比10.2%減」、つまり昨年でも5000円程度であるように、そもそも横手とつがるはJRAG1発売がある関係上、売り上げに対して入場者数が多い傾向にある所です。
 今年のデータを見ると、5月1日に行われた天皇賞春、この日の対前年同日比入場者数が非常に多く、その割に「岩手競馬の」売り上げが伸びてないために平均が大きく下がっている事がわかります(岩手の分が伸びないのは、それはそれで問題ですが・・・)。 
 GW開催6日間の、テレトラ横手での入場者1人当たり売り上げは4782円ですが、ここから5月1日分を抜いて計算すると7878円に、天皇賞前売りがあった4月30日も抜いて残り4日で計算すると10441円になります。こういう計算の仕方は良くないですけれど、岩手競馬に限ってみれば、例え横手やつがるでもそう極端に1人当たり売り上げが低いわけでは無い事が分かって頂けると思います。

 ついでに書くと、テレトラ山本の今季入場者1人当たり売り上げは9283円。以下同様に三本木10446円、十和田が7539円です。水沢本場が14441円、釜石17706円、種市21990円。
 確かに県外テレトラックは県内に比べて少ない。が、売り上げ自体は、全体が対前年比86.9%で推移している中でどこも同80%台にあるのだから、落ちたというなら70%台になっている十和田やJRA福島・東京、電話投票が他と比較してそういえるでしょう。
 つがる・三本木・十和田などは開幕3日間で前年比70%台前半の売上額だったのが、GWを終えて80%台に乗ってきていますから、むしろ好転していると言ってもいい。
 いや、確かに本場に比べれば少ないんだけれども、『極端に低い』『大幅に落ち込んだ』という表現で実態を表せているのか。ちょっと疑問を感じる部分です。(注・この文章中「今季」としているのは開幕~5月5日までのデータを元に書いております)

アーケード街でパレード/ちょっと寂しかった

2005年05月10日 | 岩手競馬
 古ネタ積み残し中にもかかわらず新ネタ行きます(^^;)
 今日は、先の5月7日、土曜日に行われたパレードの報告です。

 盛岡市内の繁華街を騎手が練り歩くというパレード、これは『盛岡開催が始まりますよ』という告知と『岩手競馬応援して下さい』という目的で行われたものです。街中で勝負服姿の騎手というのも珍しい話ですが、史上初めてというわけではなくて、昔は時々こういう事をやっていたそうですね。

 残念ながら当日は強い雨になってしまい、当初のパレードコースは半分取りやめ、肴町で1回、東大通りで1回の予定がアーケードのある肴町だけになりました。ポニーやチャグ馬の展示も中止になり、大幅に予定が変わったのが惜しかったですね。

 で、肴町アーケードの西端、ホームセンター前から中三側までを進むパレードだったんですが、騎手・岩手競馬関係者の他にも陸上自衛隊の音楽隊の皆さん・バトントワリングの皆さんが加わって、それはそれなりに賑やかなものでした。一時は見物の方よりも取材陣の方が多いのでは、という状態だったりもしましたが・・・。まあ、肴町の西半分は普段から人の少ない所なので、これは仕方ないかなあ。



 ちょっと脇道にそれますが、私、盛岡に住み始めた当初何に驚いたかって、肴町の商店街が夜7時にはあらかた閉まってしまう事に驚いたものでした(^^;)。ミスドとパチンコ屋くらいしか開いてない。その頃はコンビニも少なかったから、周辺含めて真っ暗って感じでしたねえ。



 閑話休題。
 こういうパレードって、私思うんですが、簡単なものだけにしっかり目的意識を持たないとダメだと思うんですよね。
 せっかく騎手を連れてきたのに、騎手に幕や幟を持たせてしまって、見に来たお客さんと話もできないという状態が良かったのか。騎手の皆さんには手間かもしれないけれど、騎手が自らビラを渡して「ぜひ競馬場に来て下さい」と一言付け加えたなら、お客様の心に対する響き方が違うと思う。
 ニュースで流れた映像を見た私の知り合いは「騎手が不満そうに歩いていて、見て面白くない」と言っていましたが、その不満げな顔は『せっかく来たのに、俺ら何したらいいの?』という事の現れもあったと思います。

 まあ、結構急に決まったイベントでしたし、雨という不利な状況もあって仕方ない点はあるにせよ、『誰に向かって行うイベントなのか』は追求してほしかった。このパレードがお客様の方を向いていたかどうか?



 表題の「ちょっと寂しかった」は、これから書く話に掛かります。
 パレードの後、大通りでビラ配りをするというので見に行きました(配るのは競馬組合の方たちです)。雨の大通り、ただでさえ人通りが少なめなんですが、ビラを渡そうとしても「競馬のビラはいらない」「競馬場に行かない」と言って受け取ってくれない人が、少なくないんですよね・・・。
 明らかに高校生風とか子供には渡せないので、配れる相手が限られるのは確かでしたが、女性はほとんどダメだったなあ・・・。
 私、ビラまきってけっこう好きな方なんですが、こういうのを見るとなかなかヘコみます。競馬ってそんなに悪いものなんですかねえ・・・。
 “次やる時は、平日の県庁と市役所前で配ろう”と冗談を言いあって、なんとか気を取り直したです。はい。

ワイルドサイレンス 残念!

2005年05月06日 | 岩手競馬
 花粉症やら変則開催やらで今まで使い物にならなかったよこてんです。なんか、今までで最悪の4月でした・・・。
 私のは杉花粉じゃないと思うんですけども、なんかの花粉です。ずっと“自分は花粉症じゃない”と思っていたのであまり気にしてなかったんですが、よくよく考えてみると小学生くらいの頃からずっと花粉症だった可能性があるんですよね。1週間くらいで酷いピークが終わっていたので「季節の変わり目は調子悪いなあ」くらいに思っていたんですが。



 えー、書く事はいっぱいあるんですが、まずはより新しいネタから。5月2日の能力検査にワイルドサイレンスが登場しました。その話題からいきましょう。
 ワイルドサイレンスについて改めてご紹介します。この馬は父サンデーサイレンス・母ワイルドピルエット、門別は白井牧場の生産馬です。父は言うまでもないですね。母は社台ファームの生産馬で、産駒は社台RHの募集馬となってきました。初仔がガントレットという馬、と言えば「あ~、あの馬の」という方がけっこういるんじゃないでしょうか。

 血統も生まれも『超』良血馬のそれなのですが、なぜそれが岩手に、というと、写真を見ていただければ一目瞭然、鼻が大きく曲がっているのです。
 先天性の、おそらくお母さんのおなかの中でぶつかったか蹴られたかしてしまったのではないでしょうか。いずれ右側の鼻腔はほとんどふさがっていて、左側も半分くらいなんだそうです。
 血統は何たってサンデー直仔だし、馬体そのものもそんなに悪くはない。という事で、この馬を中央でデビューさせようと努力はされてきたようですが、これだけの変形ではJRAの馬体検査を通らないという事もあって結局あきらめられ、その後ワイルドサイレンスは福島の斉藤さんという方に引き取られます。
 斉藤さんはワイルドサイレンスをこのままにしておくのは惜しい、なんとか競走馬としてデビューさせたい、と受け入れ先を探し、彼は佐々木修一調教師のもとへやってくる事になったのです。

 こういう馬が来るよ、という話は去年から聞いていたのですが、私が初めて彼にあったのは2月、厩舎に入ってからです。まあ聞いて想像するのと実際に見るのとは大違いというもので、彼が飼い葉桶に突っ込んでいた顔をパッと上げた時、私もさすがに驚きましたです。
 この頃、既に関東系のスポーツ紙や福島の地元紙が取材していたそうで、福島民報かな、福島の新聞のコピーを見せて頂きながら「こんな事情でもあるし、ダメもとでがんばってみるよ」という佐々木修一調教師のお話を聞いておりました。



 とにかく能力検査を通過しない事にはダメだから、まずはそこを目標に、というお話でしたので能検が近づくたびに「次はどうですか?」と伺ってみたりしていましたが、いよいよ5月2日の能検に出してみる、という事になり、私も水沢まで見に行く事にしました。
 そして能検本番。彼は3歳未出走馬ですから、これに合格しないとレースに出る事はできません。・・・なのですが、結果を先に言うと不合格でした。それも同走馬に大差で離されての・・・。

 まあ、普通なら黙って一周してきてもタイムオーバーで落ちる馬はほとんどないのですが、ワイルドサイレンスに関してはそうもいきません。現状では全力で走れるのはせいぜい800mくらい、それ以上となると・・・という状況。あとは馬の根性に期待、でしたが、やっぱり厳しかったようです。

 今回は落ちる覚悟。もう一度能検を使ってダメなら手術を考える、と言っていた佐々木修一調教師も1300mで1分41秒、1400mの能検よりも遅いタイムでは再検討せざるを得ず、最終的に即時手術を選択されました。
 この手術というのは、ふさがっている右鼻腔を拡げようというものです。もちろん、左側も正常ではないですから、右側を手術したといっても正常になるわけではないのですが、とにかく少しでも良い状態にしたいという事で、手術をして牧場に戻し、秋以降の再起を目指す事になるそうです。


 
 ワイルドサイレンスの写真を見て「なんでこんな馬を走らせるんだ」と思う方もいらっしゃるでしょう。でも、彼を競走馬に、というのは今の所有者である斉藤さんの「馬に罪はない。この馬にだってレースを走れるという事を証明したい」という意志ですし、佐々木修一調教師も、話題作り・血統の魅力というある意味、欲もあるけれど、やはり一番はその斉藤さんの気持ちに応えてみよう、ということで預かっているわけです。人間のエゴなのかもしれませんが、馬に走る気があるのなら、そのための舞台を用意してあげてもいいんじゃないかな、と私は思いますね。甘いのかもしれませんけど。

 「第二のハルウララに」なんていう話もあるようですが、どうなんでしょうね。いずれデビューしていない以上、ハルウララと同じ舞台にも立っていない訳ですし。第一、手術がうまくいったとしても、そこから先がまだまだ長いですよ。まだまだ。
 でもですね、佐々木修一調教師は「体はサンデー産駒らしさがあるし、走れるようになったら“ただ回ってくるだけ”でもないと思うんだけどなあ」とおっしゃるんですが、私にもそういう期待がないわけではありません。これからもワイルドサイレンスを取り上げていきたいと思います。

 えー、ワイルドサイレンスの写真を、ブログにアップできる分だけでは彼がどんな馬かはっきり分からないと思いますので、こちらにアップしました。よろしければご覧下さい。