みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

いよいよ桐花賞

2005年12月30日 | 岩手競馬
 今年もいよいよ残り1日半。競馬が開幕したのはつい先日という気がするけども、もうシーズンもラストですね。

 有馬記念、ディープインパクト4冠ならずでなんとなく気が抜けてしまったような感じのする競馬界ですが、まだまだお楽しみは残っていますよ。1年を締めくくる桐花賞、いよいよ明日です。

 今年は10頭立て、下馬評ではタイキシェンロン対トニージェントの一騎打ちムードの雰囲気ですね。順調さの面でタイキシェンロン有利なんでしょうが、史上初の4連覇がかかるトニージェントにも頑張ってもらいたい。一発ならマツリダ軍団かなあ。



 今回出走するカームですが、これが引退レースになる予定です。
 岩手でデビューしてから2年と1ヶ月、いろいろな話題を提供してくれましたが、生涯通算30戦目で初めて出走する重賞レースを花道として、来年からは種牡馬としての新たなスタートを切ることになっています。
 ところで、桐花賞でカームの手綱を取る予定だった村松学騎手、今日30日は風邪のため乗り替わってしまいました。明日どうなるかまだ未定ですけれど、どうせなら自厩舎の彼にラストを締めくくってほしいのですよね・・・。



 ところで、リーディング上位騎手が揃ってゴールデンジョッキーTかと見まごうばかりの桐花賞ですが、そこに阿部騎手の名前がないのにお気づきの方も多いと思います。
 実は阿部騎手、26日の調教中に馬に蹴られてしまって、左足骨折・全治約1ヶ月半の重傷を負ってしまいました。
 なんでも調教中、併走していた馬がいきなり阿部騎手の乗っていた馬を後ろ足で蹴ったそうで、「その時は自分の馬を放しちゃいけないと思って必死だったから気づかなかったけど、馬から下りてしばらくしたら立てないくらい痛くなって(阿部騎手)」検査したら複雑骨折に近い状態だったそうです。
 関節に近いところだから少し時間がかかるかも、今のところ3月に間に合うかな、という感じだそうですが、騎手という人間はすべからく鉄人ですからね。来年の開幕時には普通に騎乗している阿部騎手の姿が見られる事でしょう。
 


 さて、エアウィード。
 報知オールスターCに出走したエアウィードですが、12頭立ての9番人気で6着という成績でした。
 ちょっと調子が良くなかったのと、直線で刺さって追えなかった(4角外からゴールでは最内まで刺さっていた)との事で結果は奮いませんでしたが、初遠征だった前回に比べると馬が断然落ち着いていて、遠征に慣れてきた様子が感じられました。これならもっと状態の良い時、例えば今年の春~夏くらいの調子であれば何とかなりそうです。そういう手応えがあった点は収穫だったと言っていいでしょう。

ニュース二題

2005年12月27日 | 岩手競馬
 エアウィードの事とか雪の事とか書こうと思っていたら、大きなニュースが二つ入ったのでそちらを先に書きます。



 まずは「岩手競馬、特別開催実施」が正式発表されたニュースから。

 当初の予定では1月9日が今季開催の最終日となっていたのですが、これに6日間を加える事になりました。1月14~16日の3日間、そして3月25~27日の3日間です。これに伴い、平成17年度は3月27日が最終日という事になります。
 先日岩手日報でもちらりと報じられたので、この件についてご存じの方も多いと思いますが、今回正式に発表になりましたので改めて。

 昨年度は「新潟地震災害復興支援特別競馬」として特別開催を組みましたが、今回は「施設改善特別競馬」という形で行われます。
 特別競馬はどんな理由でも開催できるというものではなくて、昨年度のような『災害復興支援』の他、万博など『大イベント時の協賛』、そして今回のような『施設改善』を目的とする場合に、年度内に一度だけ開けるものと決められています。
 今年度は水沢競馬場の耐震改修工事を行いましたので、順番的には後先になりますが、これを『施設改善』の目的として取り上げることで特別開催が開ける事になりました。

 現場的には「ついに来たか」という感じ。事実上、例年より1週間開幕が早いという形になるのですが、もしこの3日間のために能力検査やゲート試験が行われるとしたら、3月に入ってすぐの頃には馬がある程度動ける状態になってないといけませんから、1週間どころではなく早い時期から調教等を進めないといけないでしょう。
 テシオ的にも微妙。重特は組まれないでしょうが、騎手や厩舎成績には関係しますから、開幕特集号恒例のジョッキーインタビューの順番だとかリーディングトレーナーだとか、今まで通りの形ではできないでしょうね。特に今年は騎手リーディング・厩舎リーディングがどちらも、ラスト3日でひっくり返ってもおかしくないですから・・・。むー。どうしよう?

 それと、もしかしたら3月の特別開催時から三連勝馬券が導入されるかもしれません。作業日程上厳しいらしく4月の開催からが濃厚ではありますが。
 いや、岩手のファンの皆さんには「岩手競馬は4月の5日くらいから始まる」という認識がかなり浸透しているようで、以前、4月1日に開幕した時、開幕日なのに妙にお客様が少なかった、という事があったんです。
 来年度も4月1日にスタートすることになるでしょうが、そんな話に加えて例年はない3月の開催では、思うようにお客様が集まらない可能性があると思います。そこに3連単があれば話題性十分、3月開催を周知できる非常にいい武器になると思うのですが・・・。



 もう一つは、ソフトバンク子会社による「D-net」買収のニュースです。
 今日の夕方入ったリリースなんですが、それによればソフトバンクの100%子会社であるソフトバンク・プレイヤーズが、日本レーシングサービスの在宅投票部門である「D-net」を分割・別法人化(→「オッズ・パーク株式会社」)したうえで、ソフトバンク・プレイヤーズがその別法人の全株式を購入するとの事。

 詳細は確認中ですが、ソフトバンクによるD-net買収だと考えていいと思います。
いやあ。予想はしていたし、既にそうなると報道されてきていましたが、いざリリースを見ると「来たーーーー!!」って思っちゃいますね。

 D-netが外れるNRSですが、こちらはひとまず“リンクス”(全国の騎手や調教師の成績データベース)はじめデータ部門が残るようですし、リリースの内容通り、NRSそのものの買収ではなく、D-net部門のシステムとノウハウの買収になる模様です。

 これでソフトバンク陣営(D-netグループ・岩手含む)対、楽天陣営(SPAT4グループ)という図式がはっきりしてきました。陣営間の変動も、という噂もあるし、今後の動きから目が離せません。

 で、影が薄くなった感のある岩手-ソフトバンク連携なんですが、そもそもいくらソフトバンクといえど単体で在宅投票システムを新規に起こしたり維持していったり、というのは難しかったわけで、これでシステム的な裏付けもサービスのノウハウも手に入ったわけですから、この買収で岩手のネット発売もいよいよ現実的になった、と考えるのが良いと思います。現実的な面で考えて前進と捉えて良いと思います。

アテスト頑張った!!

2005年12月23日 | 岩手競馬
 (本文書きました)

 全日本2歳優駿、アテスト頑張りましたね。単勝では6番人気でしたが、レースの内容は本命級の、良いレースをしてくれました。

 レース後、すぐ帰るという小林俊彦騎手をつかまえてちらりとお話を聞きましたが、4コーナーで前が開くのがもう少し早ければ、もっと際どい勝負になっていただろう、とのこと。そういわれるとちょっと悔しい気にもなりますが、まあ仕方がないですね。相手はG3を勝っているし、牝馬らしい水際だった末脚の切れを持つ馬ですから。
 いずれ勝ち馬・3着馬はG3勝ちという実績を持つ馬。そういう馬を相手に、G1の舞台で互角の戦いをしてくれたのですから、やはりアテストよくやった、と言わなくてはならないでしょう。

 レース内容も、決してマグレとか恵まれてのものではないですものね。スタート後一瞬だけ折り合いを欠きそうになったけど、あとは中団でしっかり折り合いをつけて、周りが盛んに出入りしても慌てず騒がず。その流れを上がり3ハロン39秒4の末脚に繋げて、自力で2着を掴み取りました。
 地元戦だとスピードの違いで前に行ってしまうので、小林騎手も常々揉まれる経験をさせたいと言ってはいたのですが、なかなかこういうレースができませんでした。それをG1できっちりこなしたのだから立派です。
 レース後、櫻田浩三調教師が「周りの流れが速い方が持ち味が出るタイプかも」とおっしゃっていましたが、確かにそうなのかもしれませんね。

 この結果でがぜん、来年のアテストが楽しみになりました。噂されていた中央入りの話もこれで無くなって、来年も岩手で走ってくれるのではと思います。
 もう一つ、アテストの好走によってダンディキングのこれからにも非常に興味が湧きます。どちらも次走は金杯。どんな戦いをしてくれるでしょうか。 



 こぼれ話。

★勝ったグレイスティアラの田中勝春騎手、モエレを交わしきったところで勝利を確信したか(ゴール前の写真を見るとこの辺から表情が緩んできている)、ゴールすると同時にガッツポーズ。しかし、楽勝!と思っていたら内にアテストが、それも馬体が並びそうな所にいて驚いた模様。

★3着のモエレソーブラッズは、このレース後にJRA・小島太厩舎に移籍の予定。川崎から美浦に直接移動という様な話で、調教師も観戦に訪れていたが・・・。

★ブルーカントリーの騎手が的場騎手から内田博騎手に変更になりましたが、これは当日6レースで的場騎手が負傷したためでした。
 なんでも、競走中止して、馬を止めて鞍を外そうとしたら馬が暴れて、足を踏まれてしまったとか。びっこを引きつつ帰ってきた的場騎手、「今日はもうダメだぁ。でも明日からは乗る!」と言ってましたが、実際その通り騎乗。50をまぢかにしてなんて頑丈な・・・。

今年も開かれました ジョッキーサンタ

2005年12月19日 | 岩手競馬
 18日の日曜日、水沢競馬場において毎年恒例「ジョッキーサンタクロース」が開催されました。
 このイベントは、福祉施設等の子供達を競馬場に招待して楽しい一日をプレゼントしようというもので、今年で17回目の開催になります。

 今年やってきた「みちのくみどり学園」は初めての招待になります。例年は小学生以下の子供達が多いのですが、今回は比較的年齢が高い子供達が多いと聞いていた騎手の皆さん、ヘタなシャレを言ったりすると外すのではないか?とか変な緊張をしていたのですが、はやて・かけるの着ぐるみにも騎手のサンタ姿にも素直に喜んでもらえてホッとした模様。レースが始まるまでの短い時間でしたが、最後はすっかりうち解けていたようです。

 この「みちのくみどり学園」という所、全国でここともう二カ所しかない養護施設と病院が併設された施設で、大変貴重な存在なんだそうですね。皆さん、ポニーの体験乗馬を楽しみにしていたようですが、どうでしょう、楽しい1日になったでしょうか。

 ちなみに今年のサンタは木村暁騎手と小野寺純一騎手、はやて・かけるに入ったのは高橋悠里騎手と山本政聡騎手。プレゼントはDVDレコーダーでした。



 今日19日の開催が中止になったわけですが、まあ昨日午後からの雪の降り方・朝まで通行止めが続いた高速の状況などから、今日の開催は難しそうだなとは思っていましたけど、もう少し早くHP上などでお知らせできないものでしょうかね。

 朝からずっと公式HPを見ていましたが、中止のお知らせがアップされたのが9時過ぎ。この時間だと、1レースから見よう・優待バスに乗ろうと、既に家を出ていた方もいたのではないかと思います。
 ギリギリまで天候の様子を見よう、除雪を頑張ろう、という気持ちは分かりますが、そんな天気の中競馬場まで来てみたら中止だった、なんて事になるとやっぱりお客様も困るわけですから、せめて8時くらいには伝えてもらえれば、と思うのです。

 先日の途中中止の時なんかも、なんの前触れもなく9レースの馬がパドックに出てこない。そうして何分も経ってからようやく「様子を見ている」旨の放送が流される。
 私はちょうどその時、9Rのパドック解説をやる予定で放送席に居て、業務エリアのあわただしい状況を見ていたからまだ状況が読めたのですが、一般のお客様、特に場外でモニターだけを見ている方には全く理解不能な状況だったのではないでしょうか。
 確かに『雪が激しいから中止にするかもしれない』とか『整備してみるけど難しいです』みたいな案内はできないでしょうし、ちょっとでも危なそうな案内をしてお客様に帰ってしまわれるのも困るんでしょうけど、決める時は決める、でそうなったら覚悟を決めてしっかり対応する、が一番なんじゃないでしょうか。
 緊急時やクレームが出た時の対応をきちんとするのが、逆にお客様の心を掴むチャンスだと、よく言いますしね。



 しかし、雪への対応といえば金沢競馬。思い切りましたよね。先週に続き今週も早々と開催中止を決めてしまいました。
 4日も連続で開催が無くなると、現場はきっと雪で調教どころではないくらいの大変な状態なんでしょうけど、関係者の収入は大丈夫なのかなと思ってしまいます。その分、どこかで代替開催があればいいんですが・・・。

 金沢といえば、今日届いた調教師・騎手免許合格者名簿の中に元上山の前野幸一騎手の名がありました。佐賀競馬をやめてしまってどうなるかと思っていましたが、もう一度騎手として再出発するんですね。新所属は、これも上山から金沢に移籍していた鈴木長次厩舎です。
 以前佐賀でお会いした時「俺は独り者だから、馬に乗れるならどこへだって行くんだよ」とおっしゃっていた前野騎手でしたが、金沢こそ腰を据えて戦える場所になってくれるよう、前野騎手の新しい出発の無事と、そしてご活躍をお祈りします。 

今週も寒かった

2005年12月13日 | 岩手競馬
 今週も寒かったですねえ。特に日曜日。あきれるほど風が冷たかったです。某騎手曰く「“寒い”っていう感覚を通り越してるね」。
 騎手ってもともと薄着な仕事のうえに、体脂肪がほとんどない人たちだからなあ。良くこんな寒さに耐えられるなと、心から感服いたします・・・。



 コース状態もコロコロ変わりました。土曜日は1秒半くらいタイムが速い印象。日曜日は水が浮いて少し遅め、月曜日は砂が凍って一転してタイムが遅くなりました。
 展開的にも、土曜日はスピード勝負・行ったモノ勝ち基調ながら差しも届きましたが、日曜日はコースがぐしゃぐしゃで、馬群の後ろに入ると思うように走れないための先行有利。月曜日は馬力を要求されるコース状態で、むしろ差し有利という感じでした。
 馬の状態も冬が来て判断しづらくなっているし、そのうえコースまでこう日替わりだと、馬券検討は難しいですね。最初の何レースかのうちにその日の傾向が掴めるかどうか。そこが分かれ道になりそうです。



 さて、先々週落馬した坂口裕一騎手ですが、鎖骨骨折のケガで今季は騎乗しない模様です。ひどい骨折というわけではなくて、無理に復帰してももうシーズンが少ないから、じっくりゆっくり直す事にした、ということだそうです。
 土曜日の5レースで、レース後に落馬負傷した菊地康朗騎手の方はというと、顎を6針縫ったもののその他のケガは軽く、今週あたりから調教に復帰できそうとか。転倒した馬の下敷きになるという危険度の高い落馬でしたが、不幸中の幸いではありました。


 
 報知オールスターC(12/23川崎)に登録しているエアウィードはこのまま出走を目指す方向。浦和記念は初物尽くしで力を出していないから、経験を積ませたいという意向があるようです。同じレースで補欠1番手になっているウツミジョンソンは、今のところ桐花賞と両睨み。
 全日本2歳優駿(12/21川崎)に向かうアテストは今のところ順調に調整を進めています。

 エアウィードを遠征に回すという事は、同馬主のトニージェントは桐花賞に出てくると考えていいのでしょう。史上初の4連覇がなるかどうか?ここまで来たのなら何とか達成してほしいと思いますよね。
 あ、桐花賞のファン投票は競馬場でもネットでも18日までです。今週の日曜日まで、ですので皆さんお忘れなく!

今日の水沢競馬は無事開催中

2005年12月04日 | 岩手競馬
 えー、水沢競馬場です。12月4日の水沢競馬は無事開催中です。
 お天気も非常に良く、早池峰山も見えているくらいです。

 コース状態は不良、冬の水沢らしい水の浮いた田んぼコース。タイムはしかし不良にしては少し掛かるかな、という感じですが、これから昼にかけて変わっていくでしょう。
 まずは速報で。

土曜日の水沢競馬は9R以降中止に

2005年12月03日 | 岩手競馬
 えー、さっき水沢競馬場から帰ってきました。午前中比較的穏やかだった盛岡に比べ水沢は大雪で、今日の水沢競馬は8Rで打ち切り、9R以降取りやめということになりました。
 前売りで発売された9~11Rの勝ち馬投票券は返還となります。また、この分の代替開催・代替レースは行われません。と聞いてきましたが、この辺、念のため主催者発表をご確認下さい。



 朝から既に雪が積もった状態で始まった今日の水沢競馬でしたが、途中しばしば向こう正面も見えなくなるほどの雪になり、コース上もハローをかけてもかけても、ハローが通ったそばから白くなる様な状態。結局、この状態でレースをするのは危険という判断で取りやめが決まりました。
 せっかく来て頂いたお客様・場外で楽しんで頂いていたお客様には大変申し訳ない事ですが、“コースに雪が降り積もりつつある状態”というのが実は一番危険なものでして、今回は何とかご理解頂ければと願うばかりです。

 明日・あさってに関しても、天気予報を見る限り楽観はできません。が、今日は夜通しハロー、明日は朝から雪かきという態勢で開催を目指すそうです。せっかく奥州市誕生記念イベントもある事ですし、G1もありますし、なんとか天気が保ってほしいなと思います。



 いやー、こんなに降るとは思わなかったですね。「今年は暖冬」という思いこみがありましたが・・・。
 水沢市内の道路は「シャーベット状の積雪」から少し圧雪気味、東北道も降雪が続いていました。今週末水沢競馬場に行かれる方は必ず積雪に備えた準備をしてお出掛けくださいませ。
 以上、さしあたっての速報でした。

 P.S. 万がいち、日曜の競馬開催が中止となった場合、明日の「勝ちそーTV・サンデー」は「後半戦主要レースを振り返る」という、おそらくレースビデオを繋いだ番組になる予定です。