みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

強風で途中中止のてんまつ

2004年11月30日 | 岩手競馬
 11月27日の水沢競馬は、強風のため5Rまで終了した時点で取りやめ、残りは30日の火曜日に延期となりました。
 岩手県内各地で観測史上最高を記録したほどの強風でしたから、仕方ないかなという部分もあるけれど、対応面の不備というのはちょっと感じましたね。

 当日の4Rまでは、風が強い強いといいながらもまだ大丈夫なレベルでした。私たちは盛岡から移動して行ったのですが、花巻や北上あたりの強風に比べたら「水沢は風が弱いくらいだね」と思うくらいでしたから。
 しかし、強風が激しいエリアは北から南へと移ってきたようで、水沢もだんだんと激しさが増します。増したというか、ただでさえ激しい目なのに、さらに凶暴になってきたという感じ。ただ立っているだけでも飛ばされそうなほど。

 そんな中で行われた5R。何気なく見ているぶんには普通にスタートして、普通に一周してゴールしたかに見えたのですが、着順掲示板には審議の表示がついたまま、いつまでも着順が表示されません。
 しばらくして「5Rは発走委員が真正な発走と認めなかった。出走馬が走ってしまったため公正が確保できない。全馬除外としてレースも不成立とする」むねの放送が入り、勝ち馬投票券の返還が始まりました。

 大元の原因は、いざゲートが開くという時に強風が吹いたため、開き方がばらついてしまった事。しかし、ゲート周辺の係員がカンパイを訴えても風のせいで騎手には聞こえず、コース上で旗を振る係も、旗が風のせいでうまくふれず、で結局馬たちは普通に“レース”を走り切ってしまったのです。
 場内実況もゴールまでしゃべってましたし、審議のランプがつくのはともかく、全馬ゴールを過ぎても着順が点滅すらしないという状態に「何でだろう?」と思っていたところに先の放送。

 まあ、そういうことなら仕方ない。仕方ないのですが、これで良かったのか。

 まずファンの目から見て一番納得がいかないのは、場内実況がゴールまで実況してしまっている点でしょう。実況があったからレースが成立するというものではないとはいえ、「○○が勝ったって言ってるじゃん」→「取ったと思ったのにどうしてくれるんだ」「外れたと思ったから馬券破っちゃった」という話になるのは当然。短い間とはいえ1分30秒もの猶予があるわけですから、その間に実況を止めるなりできなかったのか?

 また、係員がカンパイだと訴えても馬が走ってしまった、という事ですが、騎乗していた騎手たちの話では、風の音が酷い時は周りで少々叫ばれても聞こえないほどだったとのこと。つまるところ、そもそもそんな状況下で安全な競馬ができるものだったのか?「声が通らない時がある→緊急の指示が伝わらない可能性がある→危険」という判断はなかったのか。

 それから、5Rがそういう形で終わったあとの6Rでも、ゲート後ろの輪乗りまで行きながら、結局強風のためレース取りやめ。風の強さは5Rの時と変わりない感じでしたから(輪乗りの馬の上で、騎手が馬にしがみついているような状況でした)、見ている方は「やっぱり」ではありましたが、これももう少しなんとかならなかったのかなと思うところですよね。

 「風がだんだんと激しくなって途中中止にいたる」という状況が非常なレアケースなんでしょうが、今回を教訓として、今後はしっかりと処理してほしい所。今回はお客様が非常に優しかった、これまたレアケースに助けられただけです。これが日曜日だったらどんな事になっていたか・・・。
 それから、“スターティングゲートは風速何m以上で正常に開かなくなる”なんていう試験結果はないものですかね?そのレッドゾーンを超えたらスタート見合わせ、っていう基準も、あった方がいいのではないでしょうか。

ヌウアヌパリ!!

2004年11月26日 | 岩手競馬
 岩手に移籍して2連勝を挙げたヌウアヌパリ。父サンデーサイレンス・母ウインドフレスカという超良血馬が2連勝ということで、ファンの皆さんも注目しているようですね。

 ヌウアヌパリは今でも金子真人氏の持ち馬ですが、母ウインドフレスカもまた金子氏の馬。米国産のいわゆる○外、競走馬としては4戦0勝でしたが、繁殖牝馬として期待をかけ続け、初年度にはジェイドロバリー(カラバナブラック)、2年目から4年目まではいずれもサンデーサイレンスが種付けされました。
 2年目と3年目は牝馬(タルゴナイト・トロピカルナイト)で、4年目に待望の牡馬が誕生。それがヌウアヌパリでした。
 この血統をずっと追いかけていた方も多く、POGでヌウアヌパリを取った人もずいぶんいたようですねえ(Googleで検索してみただけでも相当数の夢の跡が・・・(^^;))。


 結果としてはクラシックどころか未出走のまま転出、思いもよらず地方競馬でデビュー・初勝利となったわけですが、とりあえず能力は証明したし、走りも大物感があるし、まだまだこの程度で終わる馬ではなさそうです。
 ところで「ヌウアヌパリ」という名前、これはハワイはオアフ島にある観光名所『Nuuanupali』にちなむものです。
 今では絶壁と絶景と強風で有名な(ついでにお化け話でも有名だとか・・・)ここですが、かつてはカメハメハ大王がオアフ島に侵攻した時に、最後の激戦が繰り広げられた所でもあります。
 つまりキングカメハメハとは「カメハメハつながり」の命名だったわけで、この辺りからも馬主さんの期待度が感じられますね。

 えー、なんでこういう事を調べたかというと、「ヌウアヌパリ」をどこで切るのが正解かな、と思ったからなんです。「ヌウア・ヌパリ」か「ヌウアヌ・パリ」か。「ヌウ・アヌパリ」だったりして?
 答えは「Nuuanu」が『涼しい高台』、「pali」が「崖」の意味のハワイ語だそうですので、「ヌウアヌ・パリ」と区切っていいようです。

 さてヌウアヌパリ。残念ながらいずれJRAに戻る予定だそうです。来年から地方-JRAの再転入条件が「地方で2勝以上、もしくは5戦以上して1勝」に変わるのを見越して、早めに2勝を挙げさせたとのこと。
 ですが、今シーズン中は岩手で走るということですから、今は素質だけで楽に走っている状態でもありますし、まだ何度か走る姿を見る事ができるでしょう。最下級だからレースの時間も早いけど、是非お見逃しなく!

競馬組合再建案発表/その解説

2004年11月25日 | 岩手競馬
  先週の土曜日になりますが、11月20日に岩手県庁において「岩手県競馬組合改革 実行計画」というものが発表されました。競馬組合副管理者・柴田氏はじめ組合関係者だけでなく、増田知事らも臨席しての発表となり、会場を通常の記者クラブでなく広い会議室に移したり、11時半から14時近くまでかけたり、発表する側も受けるマスコミ側も、相当に力が入ったようです。

 この計画は競馬組合再建にむけた「アクションプラン」という位置づけで、今後の経営計画や営業戦略を記載したものになっています。計画の資料は競馬組合のホームページのこちらにpdfでアップされています(注・「新着情報」というコーナーにあってすぐ場所が変わりそうなので、あえてファイルに直リンクしました。できればトップページから辿ってください)にありますので、お時間があればこちらを見てみて下さい。このファイル自体の裏(?)についてはあとで補足します。



 計画の要点は「平成19年度に経常損益の黒字化、平成28年度末までに累損解消」を目標として、増収策の展開、改正競馬法の活用、コスト削減・組合組織のリストラ、企業会計の導入の5点を挙げています。

 まず増収策ですが、ここでは『セグメント別営業戦術』をとってファン層別の商品展開、イベント展開を図る事を中心としています。目につくのは来年度は「126日開催で実施」としている事、「平成18年度以降3年ごとにJBC競走を実施する」と明記されていることですね。
 前者については、昨年度の開催時に“採算性の悪い開催日を取りやめる”という名目で126日の予定を6日削減し、今年度は当初から120日で日程が組まれた経緯がありました。これは結果的に「経費最小=競馬開催なし」の発想につながるものでしたから、とりあえず方針転換したものとして歓迎したい部分です。

 (競馬の「商品」はレースなわけで、レースが開催日として組まれた時点で「商品」がお客様の前に「陳列」されるといえます。ただし、その「商品」の資材たる馬や人は常に在庫状態にあり、店舗も流通経路も稼働状態にありますから、「商品」を売りに出さなければ単なる不良在庫でしかなくなってしまうわけですね)
 
 資料にはありませんが、会見の場では「売り上げで優位な水沢のウエイトを増す」意の説明があったそうで、現行の「盛岡10回・水沢11回」よりは水沢分が多くされることになりそうです。“水沢の方が客単価が高い、水沢は周辺の支援も強い”ことからの判断のようですが、イベントなどを併催した時の集客力は圧倒的に盛岡優位ですからね。ちょっと微妙かと思います。

 個人的に驚いたのはJBC開催を明記した事ですね。2度とやらないと言うかと思ってました。4つある交流重賞も現状維持でいくそうです。それをやる事による運営の厳しさよりは、イベント性の高さ、基幹競馬場としての機能の維持を取ったのでしょう。

 改正競馬法の活用に関しては発売施設(テレトラック)の民間委託とインターネット投票導入、M&Kでのブロック化推進が挙がりました。
 施設の民間委託がうまくいかなかった場合は不採算施設の統廃合に進むと記されています。決して赤字ではないにせよ収支が厳しい所は多いですから、合理化をしつつ、できれば整理もしたいという意図だと思います。
 関連して、これも資料にはないですが、小規模場外の導入、少し具体的にはパチンコ店への併設の話が、会見では出たそうです。
 インターネット投票は、やはりライブドアなり、現行D-NETの進出なりを念頭に置いている模様。
 ブロック化はまずトータリゼータシステムの統合という形で現れると思われます。

 コスト削減の部分は、まず競馬組合・振興公社職員の削減(現120名→80人。40人減)と各種委託費の削減が柱です。
 職員削減はただ数を減らすだけでなく、競馬組合は副管理者以下10名程度の運営部門だけ残し、開催関係の人員はすべて振興公社に移すという大改革になります。以前このBLOGでも書いたような「組合は責任担当部分のみに特化」という組織改革になるわけですね。
 ただし、リストラというものが「はいそうですか」で済むものではない以上、まだ紆余曲折がある部分でしょう。
 委託費の削減は、来年度分の削減目標17億円のうちのほとんどがこれを見込んだもので、東北映像・R-NAC・プラスミック・振興公社など各所に対しての委託費がほぼ30%減になるといわれています。
 以前の経費カットの際に水沢競馬場の大型ビジョンがなくなったのは記憶に新しいところですが、こうした経費削減が結局ファンサービスの低下につながらないか心配です。
 とはいえ、委託費の高さ、というか関連会社との関係が、周辺からは経営難の要因と見られているだけに現行通りでは周りが許してくれそうもなく、政治的には微妙な、難しい部分ではあります。

 企業会計の導入云々については実行策は特に記載されず、「官から民への意識改革」や組織改革を含めた全体の中で位置づけられているようです。

 もう一つ、構成団体の支援を仰ぐということで、県に10~50億円の融資今後10年間、頼む事が書かれています。これを受け、早速この12月議会で補正予算案として提案される予定で、今議会の議論の中心になりそうです。
 これは「借りたままで溜まっていく」ではなく毎年借りては返しという形になり、要は運転資金です。毎回の開催資金(払い戻し用の資金準備など)について、銀行から短期融資を受けていたものを県に頼もう、という事と、この先数年は組織改革に伴う経費用も見込んでいると考えられています。



 長くなりますので各マスコミの反応や評価の部分は別にしますが、最後に賞金について一言。
 来年のレース体系等について、資料内では明記はされていませんが、会見での質疑で出てきた話として、やはり賞金削減がある、という事と、その替わり、特に2歳馬に重点を置いて出走手当の増額があるそうです。
 賞金削減はざっと10%程度になりそう。出走手当増額は、若駒確保を主眼として行われるそうですが、具体的にどれくらいという示唆はなかった模様です。

マンボツイスト能検合格/その他動向など

2004年11月19日 | 岩手競馬
 本日金曜日、盛岡・水沢両競馬場で能力検査が行われました。既報の通り岩手に転入したマンボツイスト、そしてひまわり賞馬グローリサンディが登場。私はマンボツイストを見に水沢競馬場へ行ってきました。

 1Rに出てきたマンボツイストですが、501kgという馬体重で登場。本来2枠でしたが、1枠に入っていたトーエイダンサーが出走しなかったために実質最内枠からのスタートとなり、終始楽な手応えのまま1400mを1分29秒2というタイムで走破。無事、能力検査を合格しました。
 
 9歳という年齢ですが、厩舎で厩務員さん達が口を揃えていうには「馬が若い」そうで、実際毛づやや皮膚のハリは9歳馬とは思えないほど。どこが悪いという事も無いようですから、岩手での活躍を期待してもよさそう。
 ただ、転入馬は2回出走しないと重賞・特別に出られない事になっていますので、桐花賞となると「時間的にちょっと厳しい」と伊藤調教師。つい最近まで走ってきたし、1開催くらい休ませて、それから使ってみるか、という事になりそう、というお話でした。



 グローリサンディも無事合格しておりますが、こちらはそんなに長く岩手にいないとか・・・。
 ウツミジョーダンは浦和記念-桐花賞でほぼ確定の模様。
 ハイフレンドトーレも既報通りクイーン賞に向かい、その後TCK女王杯-エンプレス杯と重賞路線でいくそうです。
 日曜日の4Rに組まれた2歳新馬戦が、今シーズンの最後の認定競走になるそうです。血統名「あられ」がようやく登場します。POGオーナーの皆様、おまたせしました。



 今日の能検を見ていて感じたのは、それほど激しい雨でもないのに水が浮くようなコースになっていたことと、その一方で、はっきり分かるほど内ラチ沿いの砂が厚くなっている事でした。
 水が浮いているあたりはコースが荒れた感じがするので、案外内側の方が走りやすいかもしれませんが、とはいえ、先週までとはちょっと傾向が変わりそうですね。

JBC関連のお話など

2004年11月15日 | 岩手競馬
 えー、表題の話に行く前に遠征馬のニュースを。12月1日、浦和競馬場で行われる浦和記念G2にウツミジョーダンが選定されました。鞍上は当然ながら小林俊彦騎手です。また、補欠にはデンゲキヒーローが選ばれています。
 小回り・左回りの2000mという条件ですが、今のウツミジョーダンにとってはあまり関係ないでしょう。充実一途という今シーズンの成績ですから好勝負を期待したいですね。
 ウツミジョーダン・浦和という事で「行ったきり帰ってこないのでは?」と心配されるむきもあるでしょうが、今回の遠征は別に移籍前提という事ではないそうですのでご安心を。
 デンゲキヒーローが出走できればおもしろいと思うのですが、あと2週間ほどだし、もう一頭の選定馬が遠征慣れしたミツアキサイレンスだし、微妙だなあ・・・。

 それともう一つ。先日のひまわり賞を勝ち、ビューチフル・ドリーマーCで2着に入ったグローリサンディが岩手に転入しました。盛岡の葛西勝幸厩舎です。馬主さんつながりですね。この冬はどういうふうに使っていくんでしょうか?遠征中心かな??



 今回はなかなか書けずに(書かずに?)いたJBC関連のお話を。といっても2つのG1の話は皆さんもうご存じでしょうから、JBC前日にあった全日本リーディングジョッキーと、JBCの前に行われたTCKディスタフの話題をお伝えしようと思います。

 小林俊彦騎手が出場した「全日本リーディングジョッキーズシリーズ」から。昨年に続いての出場となった小林騎手。昨年は8位だったのですが、今年は有力馬にもあたって、昨年以上の順位を期待したいところ。
 まずは第1戦、7R「フレンドシップジョッキー」ダート1200m。ここで騎乗したブラボージョーが今回の“当たり”と見られていましたが、東海代表吉田稔騎手騎乗セイワクリスタル、高知代表中越豊光騎手騎乗タッチザゴールに及ばず3着。
 続く第2戦、9Rの「全日本リーディングジョッキー」ダート1800m。ここでも好成績なら総合優勝の可能性もあったのですが、残念ながら8着。2戦合計のポイントでは38点・6位という結果となりました。

 シリーズの結果は、1戦目を勝った吉田騎手と2戦目を勝った荒尾の吉留孝司騎手が、それぞれ54点で並んだものの、「同点の場合は2戦目の成績の良い方を上位」というルールで吉留騎手が総合1位。吉田騎手が2位、3位は53点の石崎隆之騎手でした。
 このシリーズは1着50点、2着35点、3着30点、というふうに着順に応じたポイントが与えられ、2戦の合計で総合順位を競うルールなのですが、小林騎手は1戦目で30点を得ていたから、2戦目で4位(25点)以上なら総合優勝の可能性もあったんですよね。小林騎手は「2戦目の馬が調子よくないと聞いてたからね。自分としてはまずまず」とさばさばしていましたけど、見ている方としてはちょっと残念。
 まあ、今のまま行けば来年のこのシリーズにも出場できるでしょうし、その他の騎手系招待競走にも出るチャンスがあるでしょうから、この分は来年、何とかしてもらう事にしましょう。
 この全日本リーディングジョッキーズシリーズの出場騎手の写真等、こちらにアップしてみました。お時間のある方は是非。

 さて、次はJBC当日に行われた「TCKディスタフ」。岩手からハイフレンドトーレが、村上忍騎手騎乗で出走していて、JBCよりもこっちの結果の方を気にしていた方も少なくなかったのでは。
 レースは、いい手応えで直線に入るも最後伸び負けて・・・、という6着でしたが、全体的には決して他に走り負けしていない、悪くない内容だったと思います。なにより、直線に入ってからというもの「外からハイフレンドトーレ!」と実況で連呼されていたのが、この時の勢いを表していましたね。
 レース後、村上忍騎手の話など聞くに、メンバーの割には比較的スローの流れになり、いわゆる“上がりの競馬”に持ち込まれて分が悪くなったそうなのですが、佐藤浩一調教師は「これくらいのメンバーなら力負けしない、という自信が持てる結果」と手応えがあった様子。次走はクイーン賞、行けるのなら牝馬の交流重賞路線で走らせていきたい、とレース後に話しておられました。

 私なんかも4コーナーでは「こりゃ勝てるんじゃないか!?」と思ったくらいなんですよねえ。つい最近までは“強そうなんだけどあてにならない馬”と見られていたのがガラッと変わって、すっかり実力馬の中に数えられるようになりました。女心と秋の空、ではないですが、一度変身し始めたレディーの変わりっぷりは、すごいですね!

来年9月に平泉市誕生/盛岡もオーロパーク市にしてみる??

2004年11月11日 | 岩手競馬
 表題後半はあくまで冗談ですので誤解なきよう(^^;)。

 平泉市。29対28の大接戦による決定は“平泉派”対“反平泉派”の戦いの様相すら呈したという事ですが、全国的な知名度という点では平泉は盛岡以上とも言えますからねえ(関東はまだしも、関西あたりまでいくと「岩手=安比」か、「岩手=平泉」という感覚でしょう)。

 ま、対抗馬「磐井市」が中庸すぎてピンとこなかったのも敗因だと思いますよ。広域の郡名を使うパターンは今のところかなり多いのですが、あんまり広い範囲を指し示す地名を使うのは、結局個性に欠けると思います。
 かといって全くの新呼称、それもひらがなやカタカナを使ったものもなんか好きじゃないですが。「心機一転やっていこう!」の気持ちはわかるし、既存のどこかの名前を使うと平等じゃないような気もするんでしょうが・・・。

 そんな事を考えながらネットで全国の合併情報を読んでいて、おもしろいなと思ったのが「那須塩原市」。東北新幹線の那須塩原駅の名前が新市名になった感じがするのですが、この那須塩原駅、新幹線ができる前は「東那須野駅」という名前だったんですよね。
 できた当初は「那須塩原って言われてもピンとこないなあ」と言われていた駅名が、22年を経て市名に選ばれるくらいに認知された。時間と共に許容されていった過程を思い浮かべると、非常に興味深いところです。

 「南アルプス市」は、大丈夫でしょうかね。きっとそのうち「北アルプス市」「中央アルプス市」ができるだろうし、そうすると今度は「南中央アルプス町」とか「東南アルプス町」ができてきて、あの辺一帯“アルプス”だらけになったりして・・・。



 全く競馬に関係ないですね。では無理矢理関係ある方向へ。
 「テレトラック種市」がある種市町と、おとなり大野村とが合併してできる新町名が「洋野(ひろの)町」に決まったそうです。
 「テレトラック山本」がある秋田県山本町は、周辺6市町村と合併するのですが、新市名「白神市」の是非を巡って住民投票なども行われるとか。
 新市名でもめていると言えば「テレトラック安代」のある安代町・松尾村・西根町。新しい名前に「八幡平市」を選んで、秋田県などと綱引きが続いています。
 「テレトラック田舎館」のある田舎館村は、周辺市町村と共に参加していた合併協議会が7月に解散しましたね。

 そういう状況だからといって「テレトラック洋野」とか「テレトラック白神」だとかになる事はないと思いますが、地元側が変えてくれと言ってくれば変えないわけにもいかない気がします。“平成の大合併”の余波は、こんなところにも出てくるんですね。

 とまあ、長々と書いてしまいましたが、今回のお話は「自治体財政競馬」という地方競馬の大前提が、枠組みからしてどんどん変わっていこうとしているのに、競馬の方は全然変わらなくていいのかな?って事です。
 『自治体の財政に貢献するからこそ、競馬は刑法の特例で除外されて存在できる』。じゃあ自治体って何?これからどうなるの?競馬の存在意義を特定の行政区分の枠に留めるのは、ごく近い将来には不可能になるといっていいのではないのか?枠の方が大きく変わるんだから、中身の方も大きく変わってもいいじゃないでしょうか?

 こんな事を書いていると、こんなニュースや、こんなニュースがありました。前にも書きましたが、こういう動きは発想が“自治体競馬”の枠内に留まっていてはありえないんですよね。商売でありサービス業であると認識しないと。
 雇用の確保とか文化的価値とかは、ひとまず二の次にしていい思いますよ。競馬がいかに産業として魅力あるものか、いかに商品として売れるものか。そしてそこにどんな可能性を見いだせるか。“自治体財政競馬”では縮小再生産のメビウスの輪から、いつまでも抜け出せないままだと思います。

もうすぐJBC

2004年11月02日 | 岩手競馬
 いよいよ11月。いよいよJBCも明日に迫りました。とはいえ2つのG1には岩手からの出走馬がないもので、自分の中ではなんとなく、ハイフレンドトーレの出るTCKディスタフが一番楽しみなんですよねえ。こういうの、いけないかな。

 いや、クラシックもスプリントも、レースはおもしろそうですね。クラシックは、南部杯でみんなが感じたであろう「アドマイヤドンの負かし方」を、色気のある面々が狙ってくるのではないでしょうか。考えてみれば帝王賞もけっこう危なかったですからね。ま、中心はドンとしても、2着は混戦だろうと思います。
 スプリントの方は、これは昨年以上に役者が揃っていますよね。6~7頭がどれも本命視していい馬ですからねえ。個人的にはデータ的に一押しアグネスウイングと、小牧!G1!ということでシャドウスケイプに期待しております(シャドウスケイプは江田騎手が良かったんだけどなあ)。マイネルセレクトは大西騎手じゃないと魅力半減と言いたい(^^;)。

 TCKディスタフですが、ハイフレンドトーレは2日の日中に輸送して夜の大井入りでレースに向かうそうです。状態は「いい状態をキープできたと思う」と佐藤浩一調教師が言っておりました。
 ちょっとひいき目かもしれないけれど、潜在能力を出し切ってくれればチャンスはあると思います。

 ちなみに騎乗する村上忍騎手の方は、翌朝追い切りがあるということで、TCKディスタフのあとJBCは見ないで水沢に帰るんだとか。レースが18:45発走で、新幹線は東京発20:16。・・・間に合うのかなあ?

 さて、私は一足早く、2日の全日本リーディングから大井に行っております。タビックスツアーの皆さまを大井でお待ちしております。