みちのくレースのおたのしみ

岩手競馬にまつわるあれこれ。とか。

もうすぐ1000&2500勝 そしてデビュー

2005年04月16日 | 岩手競馬
 今回は水沢競馬場でこの記事を書いています。

 昨土曜、2人の新人騎手がデビューしました。その2人を紹介しておきましょう。まずは山本聡哉騎手。水沢・佐藤浩一厩舎所属で、名前でピンと来た方もいるでしょうが、山本政聡騎手の3つ下の弟になります。もう一人は高橋悠里騎手。こちらは同じく水沢、鈴木七郎厩舎の所属です。

 最初にデビューを果たしたのは山本聡騎手でした。土曜日2レースの1枠1番・シンボリプレーリーに騎乗し、「思い切って行けという指示を頂いていました」(山本聡騎手)というとおり、果敢な先行策を取って3コーナーまでは先頭を守ります。そこから外側に並ばれて一旦は後退しかかったのですが、そこからもう一踏ん張り。最後捉えられて3着でしたが、ゴール寸前まで2着争いに踏みとどまりました。
 山本聡騎手は続く3レースでも5着に入る健闘。お兄さん同様小柄な体ですが、ガッツあふれる騎乗を見せてくれたと思います。

 高橋悠里騎手は4レースでデビューしました。騎乗馬は所属厩舎のセイントクロス。もともとこの馬にとって不利な条件ということで結果は10着と奮いませんでしたが、まずは無事デビューできたことが何よりでしょう。
 二人とも初の実戦は「課題ばかり」と言っていましたが、まあ新人なんですからね。一戦一戦、難しく考えずにがむしゃらにぶつかっていって、若いパワーを見せつけてほしいですね。

 さて、ニューフェイスの話題の次はベテランのお話。小林俊彦騎手の通算2500勝、板垣吉則騎手の1000勝が間近に迫っています。日曜日の時点で小林騎手があと4、板垣騎手があと6。
 ところで、これまで岩手競馬では「岩手競馬での成績」でこういう区切りの勝利を表彰してきました。その規定そのものは変わっていないようなのですが、上山から移籍してきたみなさんを念頭に置いて、地方競馬等をあわせた通算勝利数でも表彰というか、区切りの勝利として公表する事になっているようです。実際、昨年の菅原勲騎手3000勝は“岩手通算”でなく他も併せての勝利数で計算しています。
 板垣さんなんかは「そのために騎手を続けたんだ」と言うくらいですから、達成の時は感慨深いものがあるんでしょうね。

 これを書き始めた時はここまでのつもりでいたのですが、もう一つ付け加えないといけない事があります。
 櫻田勝男厩舎の小松丈二騎手は佐賀へ移籍、三野宮通厩舎の三野宮勇騎手は騎手を引退することになりました。三野宮勇騎手は自厩舎で厩務員を続けるようです。彼はデビュー後も身長が伸びていって減量が厳しかったから、まあこれも仕方ない事なのかな、と思います。
 気がついたら2002年秋デビューの4人は、千田和江騎手一人になってしまいました。彼らが実習生として来ていたのが、つい昨日の事のような気がするんですが・・・。。

新しい色?

2005年04月08日 | 岩手競馬
 今日能力検査を見るために盛岡競馬場に向かっていたんですが、競馬場に入ったところで見慣れぬ色の馬運車に目がとまりました。
 遠征馬かな?でも盛岡で競馬やってないしなあ・・・。どっかの業者さんか・・・?と思って通り過ぎようとしたら、あれ?岩手のじゃないか!?

 岩手競馬の馬運車はグレー系の塗り分けとベージュ系の塗り分けがあって、側面には歴代みちのく大賞典馬の名前が記入されています。グレー系が旧色、ベージュ系が新色で、とはいえベージュ系は7、8年前からあるのかなあ。登場時はすぐに全部塗り替えるのかと思っていたんですが、どうやら車検の際とか都合の良い機会を見つけて塗り替えていたようで、今でも何台かグレー系が残っています(確かグレー系のまま新しくした車もあったような・・・)。

 まあ、いつかベージュ系に統一されるだろうと思っていた所にこの塗り分け(「シネマパラダイス」ってグレー系の車に記入されていたような気が。でも名前の入れ替えもたまにあるのでナンバーを確認しないと)。なんか田舎のローカル私鉄みたいだなあ・・・。

 実はこの色は去年からあったけど、私が気づいていなかっただけという事もありますので、その場合はご容赦下さい(^^;)。

2005年シーズン開幕

2005年04月07日 | 岩手競馬
 4月2日、いよいよ岩手競馬シーズンが始まりました。事前の天気予報ではあまりよい空模様ではなかったのですが、当日になってみれば春らしい日差しの好天に恵まれて、穏やかな雰囲気のもとでのシーズンインとなりました。

 開幕恒例の騎手宣誓式では騎手会長の菅原勲騎手が登場。この式にしては珍しく「イサオー!」と声援が飛んで、やっぱりファンも勲さんの復帰を待っていたんだなと感じましたね。
 そして、復帰初戦となる2Rでは早速勝利。結局この日2勝を挙げ、半年ぶりの登場ながら存在感を十分に示してくれました。
 レースを見ていて、やはり勲さんがいるのといないのとではレースの雰囲気が全然違いますよね。勲さんだけでなく、小林俊彦騎手や村上忍騎手の緊張感もより増して、締まった感じがします。



 さて、気になる興行成績なんですが、既にご存じの方も多いかと思いますが、開幕初日・2日目は入場者・売り上げ共に前年比減、3日目は売り上げ微増・入場者減という形でスタートしました。
 数字がいっぱいなので箇条書きしてみます。左が今年、右カッコ内が昨年です。
 4月2日: 222,294,200円/16,371人(292,258,800円/16,718人 注・2004年4月3日)
 4月3日: 263,664,600円/18,981人(335,087,200円/22,826人 注・2004年4月4日)
 4月4日: 211,663,600円/8,157人(205,877,500円/8,961人 注・2004年4月5日)

 昨年比減でのスタート。厳しいですね。理由はいくつか思い当たるものがあって、例えば告知広報の遅れや“廃止報道”“融資報道”の影響は当然あるでしょうし、新種馬券導入ができず、新味が出せなかった影響もあるでしょう。競馬というギャンブルのパイの大きさ自体が引き続き縮小している事も、やはり影響しているでしょう。
 いちいち分析するだけの材料が今手元にないので、ここではひとまず触れずにおきますが、それにしてもこの後の売り上げ動向が非常に気になるところです。



 今回は、場外発売場との関連についてちょっと考えてみたいと思います。
 他の競馬場との広域相互場外は、最近はすっかり一般化しているのですが、売り上げに占める割合も軽視し得ないものになっています。
 上に書いた全体の売り上げを念頭に置きながら見て頂くと、

 4月2日 4236万2300円(ざっとの内訳:佐賀1898万、荒尾1572万、大井関連573万、D-net191万)
 4月3日 5063万5400円(上同:佐賀2765万、荒尾2151万、D-net146万)
 4月4日 6851万4900円(上同:佐賀1433万、荒尾1265万、名古屋1657万、笠松1037万、大井関連1162万、D-net293万)

 このように広域場外の発売額が占めている割合は大きくて、初日2日目が約20%、3日目は約32%にもなります。去年も、手元に3日目のデータしかないのですが、やはり約27%ほどを広域場外の売り上げが占めています。
 4月3日を例に取って発売場所毎の内訳を見ると、これもざっとですが水沢本場6000万・盛岡4000万・テレトラック11000万・広域5000万という割合。4月4日となると水沢本場4000万・盛岡2600万・テレトラック7400万・広域6800万。こうなるともうホント『広域さまさま』です。

 で、開幕週の売り上げ増減についてはこうした場外発売の影響もあったと思います。
 昨年開幕日には「佐賀・荒尾・上山・新潟場外」の4カ所で全レース発売。2日目は前記4カ所に加え笠松でも全レースで、3日目は佐賀・荒尾・上山全日と笠松で1R発売されました。
 それが今年は、開幕日は佐賀・荒尾の2カ所で全レースと大井(及び関連場外)でメインのみ、2日目は佐賀・荒尾のみ。3日目に佐賀・荒尾・金沢・笠松・名古屋全日発売、大井で2レースの発売となって、ようやく昨年以上の規模になりました。

 初日・2日目マイナス、3日目微増という売り上げにはこれら場外場の増減の影響も、結構あるのではと思っています。 

 大井での場外発売なんですが、南関4場とその直属場外だけでなく道営や旧新潟・上山・宇都宮・益田エリアでの発売があるので規模は大きいです。ですが、大井がナイター開催時だとこちらのメインの時間がむこうの1レース前になりますから、よほど熱心なファンの方でもないとそんな時間から来てくれません。
 実際、昨年全日発売だった時の上山、3日目には1828万円も売り上げがあったのに、南関場外としての今年3日目は僅か87万円にとどまりました。3日目の大井関連を合計しても昨年の上山全日分に及ばないわけです。
 南関での売れ方は日程が折り合ってハマった時の爆発力がすごいですから、これだけをもって「南関場外は売れない」とは言えないのですが、しかし売り方が難しい事は確かです。

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 まあ、広域場外の場合委託した場に対し「販売協力金」という形で手数料が支払われますので、同じ1000万円売れたのでも佐賀で売れるのと岩手で売れるのとでは実入りが違います。「他場の場外をやる事で自場の売り上げが流出している」という意見もあるようですが、でも今のような時代、他場で販売する事が持つ影響力の大きさを軽視する事はできないでしょう。
 問題は売り方、マーケティングという事になるんでしょうね。今のような全日場外式がいいのか、それともサイマル式がいいのか。お互いの宣伝はどうするか。いずれにせよ、残った地方競馬場が力を合わせないとうまくいかない問題だと思います。