ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Romancing the Countess

2012年01月29日 | M-N-O

Ashley March. 2010. Romancing the Countess. Signet Eclipse.



私はAshley Marchの作品は初めて。
ネットでいい評価が出てたので、随分前に買ってありました。

結果はハートマーク4つ。
読み応えアリ

                   


Sebastian(Wriothesly伯爵)は、美しくて非の打ち所のない完璧な貴婦人だと溺愛していた妻を事故で亡くします。
しかし、その事故で死んだのは最愛の妻だけでなく、妻の愛人もその事故で亡くなります。Sebastainは、最愛の妻を亡くしたことと同時に、妻に愛人がいたこと、さらにその愛人とは自分の親友Ianだった・・・と、何重ものショックを受けます。

息子Henryの出自を疑われてしまうと恐れたSebastianは、妻の不貞をなんとしても隠し通さなければならないと決心します。

が、Ianの妻、Mrs. Leah Georgeは次から次にスキャンダルを呼ぶような行為に走ります。

Leahは1年近くも夫Ianが浮気をしていたのを知っていました。
誰にも相談できず、表面では幸せな夫婦を装っていなければならず、生きながら心は死んだような生活を送っていました。
彼を愛していたし、彼も自分を愛していると思っていたのに。

Ianが死んだと分かった時、彼がこの世からいなくなってしまったことは悲しかったけど、同時に「もう彼を待つこともない、もう彼女の香水を彼の体から匂うこともない」と、囚われの身からすーっと開放された気持ちになります。

これからは何のフリをすることもない、自分の好きなように生きるんだと決心します。

ハウスパーティーをするなど、喪に服している未亡人がとうていやるようなことではないことを次から次にやってのけるLeah。
しかし、スキャンダルを避けたいSebastianがことごとく介入。

互いの妻・夫に裏切られた心の傷を負った二人のロマンスは、お互い傷ついているからとか、寂しいからとか、恍惚の間の出来事ではなく、このような悲劇の中で自分を見つめなおし、互いのことを改めて知り合い、恋に落ちていきます。
とても印象的なH/Hです。
ただ、SebastianとLeahの心情はあまのじゃくな書き方がしてあったので、読者はそこを読み取らないと、二人がどうやって恋に落ちるのか納得がいかないかもしれません。

本の裏表紙のあらすじにはSebastianがLeahを誘惑してスキャンダルを阻止…みたいなことが書いてあったけど、そんなに安っぽい話じゃなかったです。

各章の初めに、Sebastianの妻AngelaがIanに宛てたラブレターが出てくるのですが、それも悲劇の愛を描いていて切ないです。

でもLeahはCountess(伯爵夫人)じゃないのにナンデ題名はRomancing the Countessなのかな・・・。
ま、いっか



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