Deborah MacGillivray. 2007. In Her Bed. Zebra Historical Romance.
The Dragons of Challonシリーズ2冊目。
アマゾンでは、カルト宗教を思わせる熱狂したコメントが並んでいるばかりか、評価★★★をつけたレビューアーが作家本人からも噛み付かれています。おそろしや~。でも私からも「普通」のハートマーク3つです。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Damian St.Gilesは見知らぬ場所で目を覚まします。
二日酔いのような激しい頭痛がするばかりか、ここがどこかも検討もつきません。
しかも、ベッドの上で素っ裸で鎖でつながれていたのです。
すると夢で見たような赤毛の美しい女性があらわれ、彼を誘惑し始めます。
Lady Aithinne Oglvieは領地や民を守るため、死んだ伯爵と結婚したと偽り、妊娠して跡継ぎを確保するという方法をとります。
三つ子の弟達がさらってきた『種馬』というが、Damian St.Gilesでした。
アマゾンでみんなから噛み付かれているReba Belleの言っていることに全て同意。
作家本人に言わすと、「ヒロインがDamianの言動を勘違いしているのをそのままとらえたのだろう。そんなあなたはきちんとお話を読めていない」と息巻いています。
コヮ…。
それにしても、自分のお話を弁護する作家って、あんまりカッコよくないヮ。
ま、どちらの言い分もわかりますが、やっぱり、Reba Belleに賛同です。
AithinneがどれだけDamianを思っても、彼は彼女のいとこTamlynに片思いしているんだと思い込んでいるあたりですが、その思い込みを覆す、読者もヒロインも納得の行くような展開は最後の最後の最後までなく、それも物足りないし、H/Hはケンカばかり。
DamianがAithinneを自分のものにするぞという気持ちは分かるのですが、それなのに、彼のAithinneに対する冷たい態度やTamlyn優先(とAithinneには見える)の言動を読んでいると、おもしろくないと感じるのはヒロインだけではありません。
パラノーマルがここ数年流行っているようで、このシリーズも「スコットランドと言えば…」のような神秘的要素もありますが、このお話ではマイナス作用になっています。
Damianは将来が見える力があり、彼の妻を夢に見ます。そしてその姿にそっくりなTamlynに思い込みの恋をしてしまうのです。その後、実はあの女性はいとこのAithinneだったんだと分かっても、この将来が見える力のおかげで「彼女はオレのものだ」と強く信じ込む気持ち以外、DamianがAithinneをどう好きなのか十分描写されていませんでした。
最初のH/Hのベッドシーンですが、DamianはAithinneをTamlynだと思い込んでいます。あとでTamlynではなかったと分かるんだけど、でもラブシーン中はずっとTamlynだと思ってるんです。
レビューアーのReba Belleが言うように、私もこれには最後の最後までヒロインの立場で苦い思いをしました。
一方、作者本人や信仰者のコメントによると、これはDamienがその後すぐにあれはTamlynではなかったんだと悟るから、何も悪いことではないんだそうです。
Reba Belleや私のように感じた人は、「きちんとお話を理解していない」んだそうですよ。
アマゾンがあまりにも高評価でレビューアーのコメントもすごい勢いなんですが、私はどうしても納得が行かなくてAARとRT Reviewsもチェック。
RT Reviewsでは★★★。
AARではこのBook2のレビューはないけど、Book1の"A Restless Knight"があり、それはC+。このBook2は1とプロットがそんなに変わらないそうなので、いい目安になるかと。
もう1冊別の本がレビューされてますが、なんとFです。
と、このあたりを見ると、MacGillivrayの人気はもしかしたら偏っているのかも、とも思います。
良かった点は…あるけどあんまり思い出せないです。
ヒストリカルの設定は、私はスコットランドの歴史には無知だけど(ほかの事に関してもそうだけど)、ウォールペーパーでないのは確か。MacGillivrayは、ヒストリカルロマンスではなくて、ヒストリカルを書いたほうが良さそうな表現力を持っています。
読んでも損はしないし十分楽しめるけど、ヒロインに感情移入するとマイナス面が目立つ一冊。
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いろいろごたごたしてて、昨日お手紙をだしました。
遅くなってしまいました。すみません(^^;)
それではまたね~(^^)/
kana
楽しみにしてます☆
ではでは、またメールします!
K
このヒト、ちょっと変ですよね。
ハイランダーものの何かいい作品はないかとあちこち探していて、私もこのヒトに行き当たりました。
A Restless Knight 、Amazonで52人中50人が☆5つ付けているって普通ならちょっとあり得ないですよね。
私もすぐAAR確かめましたよ。
別の作品だけどFという評価もすごいですね。
そんな作品をわざわざレビューしなくてもいいのにね。ファンもどういう人たちなのか気になります。
私は Paula Quinn のLaird of the Mist をちょうど読み終えたところです。ハイランダーものの平均点がどのへんかわからないので客観的な評価はできないのですが、個人的にはとても面白かったですよ。
日本のロマンスファンの中には、リージェンシーはいいから、もっと中世ものを出せという声が少なからずあるようですが、こういう生と死が常に隣り合わせの世界を舞台にした、ドラマチックな物語を読んでいると、リージェンシーなんかは生ぬるく感じるのかなあと思いました。
スコットランドの歴史書って、日本ではあまり出ていないんですよ。とりあえず、ロブ・ロイ、ブレイブハートのDVD、昔読んだけど全然覚えていないスコットのアイヴァンホー、等を注文してみました。
ヒストリカルには関係ないけど、マクベス巡査というTVドラマのDVDもついでに。
ハイランダーもののお薦めがあったら、ぜひ教えて下さいね。
私も、ハイランダーものでかなりの評判だったので「どれどれ♡」と図書館で借りてきたんです。
がっかりでしたよー。
悪くはないんですけどね、でも特別良くもないです。
今朝ブログチェックした時に、新着コメント欄に"In Her Bed"が。でも、「ん?こんな本レビューしたっけ?聞いたことあるけど」と思い出せないほどでした…。
あ、Laird of the Mist、気になってたんですよ。
未読の山入りですね☆
感想、ありがとうございます
私もイマイチ、ハイランダーものの良し悪しの基準が…。
ワイルド系のヒーローがファンのツボをつくのかな。そういうのが好きだったら、やっぱりリージェンシーのダンディーは生ぬるいでしょうね(笑
残念ながら私からのオススメはないのですが、中世のもので私が次に絶対チェックしようと思っているのはVirginia Henleyです。
実は一冊だけレビューしてありますが、ケチョンケチョンです。
でも、正直このお話は今でもはっきり記憶に残っています。
この一冊はロマンスだとは思わずに、ヒストリカルフィクションを読むくらいの気持ちで読むといいのかも。
他には、Jane FeatherのWidow's Kissも結構良かったです。Featherのお話はじれったい部分が多いんですが、奥深いキャラを描く人です。
日本ではMargaret Mooreが人気じゃないですか?私は1冊だけ読んだかな。
最近よく見かけるのは、monakaさんが読まれたJoanna Bourneや、Hannah Howell。
あと、最近Julie Garwoodがスコティッシュロマンスで新刊を出してますよね。
Hanna Howellの"Highland Wolf"はRT Book Reviewsでは★★★★です。
その他、私がチェックしてみようと思ってるのは、
MC Beaton/Marion Chesney
時代設定は色々で、ミステリーもたくさんあるみたいですね^^
P.Quinnを読まれたならもうすでにチェック済みかと思うのですが、Shannon Drake "The Queen's Lady"
も私は気になります。
RaquelさんのところでレビューされているL.Sandsの "Brat"は中世ものじゃありませんでしたっけ?
あと、私はまだリージェンシーしか読んだことがないCathy Maxwellもスコットランドものを書いていますね。"In Highlander's Bed"はアマゾンでは今のところ読者数は少ないけど、高評価…。
あと、中世スコットランドにタイムスリップしちゃうやつでは、
Allie MacKay
"Highlander in Her Bed"
"Highlander in Her Dreams"
Cindy Miles
"Into the Thin Air"
"Spirited Away"
Brenda Joyce
"Dark Seduction"
パラノーマル系でもあります。
でも実は、伝統的なリージェンシーに興味が戻りつつある私…。上にあげたものはいつよむことになるか分かりません
V.Henleyだけは要チェックですけど^^
ブレイブハート、良かったですよ。
メル・ギブソンの演技が今でも目に焼きついています。迫真すぎて、恐かったです。(笑
レビューを見ると、マニアからは歴史的事実とは異なる部分が多すぎるとダメ出しもありますが、全体的にはそれでも高評価。私も好きです。
ロブ・ロイ、私も今度見ようかな。
人気が高い分野だけに、なんちゃってものも多そうですよね。
特に私はタイムトラベルものやパラノーマルがあまり好きではないので…。ハイランダーものとこの2つのジャンルの組み合わせは異常に多い…。
現代の女性が過去の世界に行ってヒーローと恋に落ちるっていう話は、読者(作者?)がヒロインと同化しやすいから人気なのでしょうか。その反対のパターンはあまり聞きませんが。
Laird of the Mist読んでいて、ロマンスっていいなあと思いましたよ。
だって死亡フラグ立ちまくりなんですもん。
ロマンス以外の小説だったら絶対、主人公どちらか、あるいは両方死んでます。これはロマンスだから大丈夫、と安心してハラハラできるところがロマンス小説の醍醐味ですね。
Julie Garwoodは日本でも大人気ですが、私はあまり好きじゃないんです。特にヒロインがダメ。
(評判の高い作品が好きになれなかった時って、ちょっと落ち込みませんか。)
歴史的事実をある程度踏まえて、作り物めかないように過酷な状況も描きながら、ロマンスの甘さも十分盛り込みつつ、納得のいく大団円に持っていく。
そんな作品が理想です。(ぜいたく過ぎ?)
マクベス巡査はM. C. Beatonの"The Hamish Macbeth Mysteries"をBBCでドラマ化したものだそうです。スコットランドのカルチャー入門編として最適とか。
Laird of the Mistの舞台となったスカイ島も出てくるということなので楽しみにしています。
(マクベス巡査が釣れている犬も可愛い。犬種はもちろんスコティッシュテリアです。)
なんのこっちゃ…
確かに釣りもスコットランド観光の目玉らしいけど。
マクベス巡査がびしょぬれのスコッティを釣ってる?
それともスコッティが釣竿を持って…?
ちゃんと釣りの宣伝もして。
漢字変換、たまにすごくイライラしますよね。
「つる」は「鶴」が出てきたし。削除して打ち直し…。
Laird of the Mist、早速これから図書館にあるかどうかチェックしてみますね!
マクベス巡査、MC.BeatonならM.Chasneyのことですね。私も気になります。
BBCのドラマ、好きです。
今度きちんと見直そうと思いながらナカナカ実現していないのが、アイルランドを舞台にしたドラマ、Ballykissangel(バリカセンジェルみたいな発音)です。普通の、恋愛もちょっとありの、ドラマです。
私もJulie Garwoodは1冊読んで、ヒロインとWallpaperな設定にかなり引きました。
でも他の方からいいもののオススメもあるので、彼女にももう一度チャンスをあげようじゃないの、ふ~…、なんて。(笑
タイムスリップもの、なぜかスコットランドものに多いですよね。
リージェンシーに行くものは見かけたことがありません。それにmonakaさんがおっしゃるように反対もあんまりありませんよね。上に挙げたリストの中にはいくつかありますが…。
それにしても、ワイルドなLairdにさらわれてみたい願望を持った女子が多いんでしょうか^^
私はそんなに嫌いじゃないです。上に挙げたものはそんなに高評価ではないけど、図書館で手に入るんだったら読んでみようと思ってます。
ただ、私は何が嫌かっていうと、アメリカ人女性が主人公のお話です。これには全般的に興味がないので、この辺りの興味はいつまで続くかはちょっと…。
(だから映画"Vanity Fair"も見てないんです…。)
そうそう、評判がいい本を読んで自分も同じように感動しなかった時って、自分がどこかおかしいのかなとおもわずにはいられません。
でも、そういうグループ心理みたいなものがこのMacGillivrayの作品の感想にはすごく影響しているんじゃないかなーとも思いました。
日本では、Julie Garwood の中世ものThe Bride とThe Wedding が続けて翻訳されて、やはり大人気です。
でも、こちらの掲示板で「爆弾発言しちゃいますけど実はガーウッドがあんまり好きじゃないんです。」という書き込みがあって、それに対して「実は私も」という反応が。
あら、私と同じ人がいると思いながら見ていたのですが、なんかこう声を大にしては言えない雰囲気があるんですよね。
みんなの好きなものにケチをつけるのは控えたい、でも一言言いたくて…という気持ちがよく現われていて面白かったです。
タイムトラベルものもパラノーマルもあまり好きじゃないと書きましたが、実は一つだけ例外があるんですよ。
異世界ものでしかもshapeshifterもの、しかもその異世界の住人(ヒーロー)がリージェンシーイングランドに迷い込むというお話、Dara Joy のRejar です。
多分、表紙を見ただけで引かれると思いますが、私はこの作品が、今まで読んだものの中でベスト5に入るくらい大好き。
万人向けとは言えないんですが、今でも好きな本の中に、このシリーズの前作に当たるKnight of a Trillion Stars を挙げている作家がいたり、AARのTop 100 Romances 候補に名前があがったりして、根強い人気があるようです。
Laird of the Mist、図書館にあるといいですね。
kさんが読み終わったら、あのシーンはどうだったとかおしゃべりしたいです。
「爆弾発言」しちゃった人、えらいですね^^
日本人は特に異なる意見を言う人に対して不快感を抱く人が多く、反対意見発言者本人も発言したがらない人が多いので、本の感想を話し合う時っていうのは、この文化背景がマイナスに作用する時の一例でしょうね。
英語話者の世界はAgree to disagreeで、異なる意見も尊重されるのが普通のはず。だからこそ、このIn her bedの高評価すぎる感想やファンの結束力に異様なものを感じました。
結局、何人であろうと、個人の好みってあるのに。
私はあの、今でも人気上位に入ってくるJudith MacNaughtのあの、ほら、あの作品(題名思い出せない) - あれは好きになれませんでした。
すごくドラマチックな展開で、H/Hのすれ違いがじれったい、印象的なお話なんですけど、私の好みの話じゃないです。
だからあれ以来この作家のお話からは遠ざかってます。今でも大人気の作家さんだけど☆
このブログに「私も好きになれなかった」とみふゆさんがカキコして下さって、ちょっとホッとしたりもしました。(笑
>Dara Joy
図書館には他の作品ならあるんですけどねー。
財布と相談します。
>Laird of the Mist
図書館にありました。
でもまだ取り寄せ中のサインが出てます。
ということは、システムに入れて、これを注文した人が一番に読んで、その後の順番待ちの人も読んで、私の手元に届くまで、・・・数ヶ月かかります…。
あー、引越しもあるし、どーしよーかなー、というところです…。
「あのシーン」!?
気になるヮ…