ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

The Scandalous Life of a True Lady

2008年07月07日 | M-N-O
Barbara Metzger. 2008. The Scandalous Life of a True Lady. Signet Eclipse.

Metzgerの作品は初挑戦です。RITA賞を獲得した作家さんだということだし、あらすじもおもしろそうだったので買いましたが、期待ハズレでした。

Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

Harry Harmonは英国に仕えるスパイ。変装のプロです。
今度催されるとあるハウスパーティーにフランス側についた英国人スパイが混じっているということが分かり、参加することになります。
が、このハウスパーティーは、紳士達が各々の愛人をつれてくるスキャンダラスなもの。そしてその女性達も、美しさだけでなく様々な分野で競争し、男性達が賭け事をするというのも主な目的の一つです。

Harryは、女性の趣味のよさを見せ付ける放蕩者の仮面をかぶるために、美しいだけでなくこの競争事に勝つことができる、教育も受けていて何でもできる高級娼婦が必要になります。
そしてそんな女性に最も重要な要素は、うそをつかないということ。というのも、Harryは、ウソをつかれると口いっぱいに苦い味がするという特殊な能力を持っているのです。


両親に死なれ、財産もなく、弟と二人きりになってしまったSimone Ryland。住み込み家庭教師になり、弟の学費だけはやっと払うという生活がしばらく続いていました。が、住み込み先の家の主人や若い息子に襲われそうになるというのが何度かあり、結局、最後には自分の身を守ろうとして家の主人を火かき棒で殴って傷つけてしまい、職を失います。もちろん、紹介状などもらえなかったので次の就職も出来ずにいました。
食べ物もなくなり、売るものもなくなり、家賃も払えなくなると、住んでいたアパートのお向かいに見える売春宿へむかいます。

そして、ちょっと頭がおかしそうな老人Harrison少佐に紹介されます。

                     

と、おもしろいのはここまで。
Harryが前半、Harrison少佐としてSimoneの前で生活していなければいけなかった理由や必要性がよくわかりません。売春宿の経営者でもある友人女性から連絡を受けてからSimoneに会うまでに時間がなかったというのが理由ですが、こじつけっぽいです。
どうしてもHarryが変装名人だということにしたかったんでしょうけど、たいしてこのことが重要な役割を遂げているわけでもありません。

ハウスパーティーに参加してからは、もっとお話はつまらなくなります。
スパイを探る部分のお話は、Harryが手紙でロンドンにいる関係者と手紙でやり取りするだけ。彼の命が狙われていると繰り返される割には、スリルもサスペンスもありません。

じゃ、ハウスパーティーで何が起こるかと言うと、高級娼婦達が縫い物や、水彩画、音楽の才能などを競い、男性陣が誰が勝つか賭けをするというものです。

色々な背景を持つ女性達それぞれがお話内で紹介され、それぞれの競争でその内の誰かが勝つわけですが、これがこのお話の醍醐味だったんでしょうか。
私は全然楽しめず、うたた寝ばかりでした。
HarryとSimoneのロマンスもよく探さないとダメなほど希薄。
それに、お話がおもしろかったら、ロマンス小説お約束のラブシーンもほとんどなくキスだけだったというのも気にならなかったでしょうね…(「え!?それだけ?それだけ?」)。

買って損した一冊でした。


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