6時起床。温泉で目を覚ましてから身支度を整え、7時半前にホテルを出る。本日最初の目的地は、西国第28番の成相寺。ここのすごいところは、御本尊を手の届く距離で拝めることである。内陣に入れるお寺はそこそこあるが、目の前30cmの距離で本尊を拝めるところはあまりない。少なくとも、私が今まで参拝したお寺では、そんなところは一箇所しかなかった。また、ここはそもそもお寺自体が山(成相山)の上のほうにあるのだが、そこから更に1キロ程登ったところに「日本一のパノラマ大展望」と銘を打った展望台があり、そこからの景色は本当に素晴らしかった。あまり天気の良くない中でこれだけの景色なのだから、晴れた日にはそれこそ「日本一」と言っても過言ではない絶景を拝むことが出来るだろう。
せっかくなので、記念写真も一枚。
成相寺から舞鶴方面へ1時間半ほどで、第29番の松尾寺に到着する。ここは西国札所にしては質素なお寺で、西国にしては珍しく入山料も取らない。個人的には、こういうお寺のほうが好きだ。特に、本堂が全体的に丸みを帯びた柔和な雰囲気のある造りで、境内の落ち着いた雰囲気と合わせてとても優しい空気を漂わせていたのが印象的だった。良い意味で、坂東札所っぽいお寺である。
松尾寺から京都縦貫自動車道経由で一気に南下し、第20番の善峯寺へ。この頃から本格的に雨が降り出し、お参りが少し難儀になったが、その一方でお寺には雨が似合う。この善峯寺もまさにそうで、しとしとと降る雨が境内の雰囲気をより優美なものにしていた。
善峯寺を後にして、1時間ほどで茨木駅へ。ここで、レンタカーを返却する。ここからは電車移動だ。東海道線と奈良線を乗り継いで、宇治へ。次の目的地である第10番の三室戸寺へ向かって歩き始めたところで、「茶だんご」の看板が目に入る。そういえば、今日は朝にパンをひとつかじっただけだったっけ。さっそく店内に入り、「茶だんご」と「ほうじ茶だんご」を食べる。どちらも、予想以上においしい。特に、「ほうじ茶だんご」は驚くほどおいしかった。ほうじ茶の香りと団子の甘さの組み合わせが素晴らしい。
茶だんご(奥)とほうじ茶だんご(手前)
三室寺に着く頃には、再び雨が本格的になってきていた。このお寺の名物ともいえる本堂前の蓮たちも、雨のしずくで綺麗に光っている。蓮の花はまだつぼみが多かったが、時期的にはもう少しでたくさんの花が咲くだろう。このお寺では他にもアジサイやツツジなども有名なので、その時期その時期で様々な花を楽しむことが出来そうだ。そして、これにて今回の西国巡礼は全て終了である。
参拝終了後、三室戸寺から三室戸駅へ向かう途中にある老舗茶屋「伊藤久右衛門」で休憩。昼食代わりに、「茶そば」と「抹茶クリームあんみつ」を食べる。創業280年以上の老舗だけあって、どちらもかなり良い仕事をしていた。そのため、職場へのお土産もここで一気に揃えることが出来た。全体には抹茶最中を、チームの方々には抹茶プリンを購入。
お茶の粉をかけて食べると、口の中にお茶の良い香りが広がる。
帰りは三室戸駅から京阪電車に乗り、京橋でJRに乗り換えて新大阪へ。帰りの新幹線まで時間があったので、レストラン街の居酒屋で串カツを食べる。串カツといえば新世界なのだが、ここの串カツもさっぱりしていておいしかった。その後、家族へのお土産に551(蓬莱)の豚まんを買い、ついでに自分用にフルーツアイスキャンディーも購入し、その場で頂く。蓬莱といえば豚まんのイメージが強いのだが、実はこのフルーツアイスキャンディーも、濃厚なミルクキャンディーの中に苺やみかんといったフルーツがたくさん入っていて、かなりいける。是非一度、お試しあれ。その後、駅構内の売店で「絹笠」の「とん蝶」を購入。これもまた、鉄板中の鉄板である。
見た目にはわからないが、中にはたくさんのフルーツが入っている。
18:50発のこだま682号に乗り、一路東京へ。なぜこだま号かというと、単純に安いからである。「ぷらっとこだま」という企画切符を使うと、10000円で新大阪から東京まで行ける。今回は奮発してグリーン車に乗ったので11500円だったが、それでも普通にのぞみ号に乗るより2000円程安い。その分、所要時間が4時間とかなり長くなるが、それさえ気にしなければかなりお得な手段である。実際、この3日間の日記の原稿を書いたり、とん蝶やアイスクリームを食べたりしていたら、4時間なんてあっという間だった。
ここまでの日記は、全て車内で書いた。
23時半前に帰宅。すぐに荷物を置いて、友人たちと銭湯へ。さすがに疲れていたが、あれこれとお喋りしているうちに3時を回り、家に帰って眠る頃には外が明るくなり始めていた。