たねまきびより ~いとえのバイオダイナミック農場日記~

小さな1つぶのたねから
ぐんぐん伸びていくその姿
ずっとながめていたくなる

脱都会!いとえ、英国の農場へ行く!

くまさん。

2012年01月31日 | Contents of 3kb

1月も終わり、、、f(^_^;)

 

1月に入り、めっきり更新頻度が減ってしまいました。

 

何故って、シードワークショップの仕事が

・計量

・袋詰め

・箱詰め

・請求書作成

・発送

↑の繰り返しなものだから、今ひとつ面白みにかけ、「伝えたい!」意欲が激減なのです。

 

でも、コミュニティー生活の中ではちょっとづつ毎日なにかしらが起きているのです。

 

その毎日の“なにかしら”。

 

一緒に住んでいるとある高齢のヴィレジャー。

彼女は、他人のことをよく「Stupid Onion!!」とか「Silly Sausage!!」と言う。

彼女は、本気で「ばぁか!!あ~ほ!!」と言っているのではなく、心許せる相手におどけて言っているのです。

ハウスペアレンツにも、ヨハナにも。もちろんいとえにも。

「スチューピッドオニオン!!」「シリーソウセイジ!!」と。

彼女は「ITOE」という名前を言えなかったので、なおのこと。

 

そう。。。。。わたしの名前、“言えなかった”のです。

 

年末年始にかけてのワークショップがお休みの間、いとえは今までになくお家に居る時間が長くなりました。

お家のクリスマスの飾り付けをしたり、一緒に料理をしたり、映画を観たり。

ワークショップに行かず、一緒に過ごす時間が長くなり、

この時間で、彼女の中に「ITOE」の存在がどうやら変わったようなのです。

年が明けてから、彼女はいとえに対してときおり

「You are priceless!!」と言ってくれるようになったのです!!

 

そして、夜中。今まで彼女は寝付けなかったり、悪い夢を見た時はハウスマザーの名前を叫んでいたのですが、

ここ最近「いとよ~!いぃとよ~!」と私を呼ぶようになり(あいかわらず“いとえ”とは言えない)

ついには先日「Can I sleep in your bed?」と、夜中に突然私の部屋に来たのです!

もちろん、連日夜中に眠りを妨げられるのは困ったものなのですが、信頼されているのは嬉しい事です。

 

そして、他にも嬉しいこと。

12月の頭にジェイムスボンドをネタにプレゼントをあげたヴィレジャー。

彼がこの年末年始を境に「You are great person. I like you.」と毎日のように言ってくれるようになったこと。

 

他のヴィレジャーも「Towe~! Towe~! I need you! My friend!」と顔を合わせる度に言ってくれるのです。

やっぱり「いとえ」はなかなか高齢の彼らには難しいようで名前の発音は妙なのですが、間違いなく、何かが変化しているのです。

 

この年末年始、家庭内でより多くの時間をすごしたことは、本当に大きなことだったようです。

逆に言えば、今までよっぽど存在感薄かったんだんだなぁと実感させられた時間でもありました。

 

 

この1月、いとえの頭の中はグルグルしております。

それは、6月以降のこと。

5月31日の朝、日本に帰国します。

そう。

帰国後の進む道、、、。

 

(これ以降、いとえのなかのグルグルをそのまま書いています。
文章にまとまりもなく、思いのままに書いていますのでお急ぎのかたは、ココでSTOPすることを軽くおすすめしておきます(笑))

 

グルグルしている旨を知人に、メールでぼやいたら

「(前略)でも状況はどんどん変わるから、自分を回りの環境に合わせてるとキリがないと思う。(以下略)」

って返事をいただいた。

周りの環境を気にせずに、いとえがしたいこと。なんなんだろう。

 

「なにになりたいの~??なにがゆめなの~?」と聞かれると決まって

「ん~。おばぁちゃんになりたい♪ 孫が欲しい♪」と答えているいとえ。

 

仕事に関しては、、、正直あまり「夢」とかないのです、、、f(^_^;)

「じゃぁ、イギリスでなにやってんのよ?!なんのためにバイオダイナミックなんて妙なものやってるのよ?」ってどつかれそうですよね(>_<)

もう、本当、ひっぱたいてやってください。このばかいとえ。

 

学生時代含め、経験したお仕事。

・飲食店(ファストフード、レストラン、式場など)接客

・花屋

・訪問営業

・店頭販促イベント

・車内販売

・雑誌編集部のお手伝い     など

飲食店時代、出した料理やお酒を「おいしい♪」と口にしてくれること、提供するサービスを心地よく過ごし「また来ます」と言ってくれること、それが本当に嬉しくて仕事をしている間、幸せでした。

花屋時代、季節ごとにきれいなお花に接することができること。そして、お花を目の前に、ほころぶお客さまの表情が大好きで、その人のものになるわけではないプレゼント用の花束を見て「かわいい♡すてき♡」と喜んでくださるお客さまのその心がすてきで、大好きで、毎日毎日幸せでした。

訪問営業&店頭販促イベント&車内販売時代、今まで接した事のないような人たちとお話をするのがおもしろく、そして毎日の成績を数字で確認し、その数字が運良くいつも高くて気分上々、数字を見るのが楽しみで、自信もついて大充実の楽しい毎日でした。

編集部時代、編集部の方々はみんな見上げると首が痛くなりそうなくらい高学歴な人や、目が飛び出るくらい才能に溢れる人たちばかりで、そんな中で短大卒のワタクシが混ぜていただけてることがビックリで、感謝で、今まで編集のHの字も撮影のSの字も知らなかった私に、ゼロから教えてくださる優しい編集部のみなさま、カメラマンさん、先生方が大好きで、なによりいっぱい時間をかけてちっこい文字とにらめっこしながらがんばったものが、天候や時間と戦いながら撮影したものが、「本」「雑誌」となって、「モノ」となって手元に残る、この感覚が嬉しくて、感動で、楽しくてしかたありませんでした。

 

そして、今。

この「学習障害」をもつ方々と暮らすコミュニティーで生活をしていて、先日この村の中心に立つ女性と2人で会話をする機会があり、彼女がこう言ってくれたのです。

「あなたのこと、あなたのハウスマザーから色々聞いてるのよ。
 あなたは、色々なスキルに溢れていると。モノをつくる技術がそう。
 だけど、それだけではなくて、あなたは自然に"Therapeutic talent"を持っていると思うのよ。
 なにがその人の助けになるか、なにが必要か、嬉しいか、そしてそれをユーモアやスキルを加えて表現出来るの。
 誰でもできることじゃないのよ?blah blah blah~~~」 

このコミュニティーの中心人物にそんなこと言われるのに、ビックリしすぎて、嬉しくて、なんて返事をしたらよいのかわからなくてトンチンカンな返答をしてとりあえず“Thank you”と言ったことしか覚えていません。

学習障害、自閉症、アスペルガー、ダウン症、要介護の高齢の方々と生活をしていて、その毎日も大変なことももちろんたくさんあるけれど、学ぶ事が多く、そして楽しくて、幸せな時間がたくさん溢れているのです。

 

仕事として、

「自分にむいていることってなんだろう?」

「自分のやりたいことってなんだろう?」

正直、わからないのです。

いとえはいつも「役にたてている!」「必要とされている!」「喜んでもらえている!」この実感があれば幸せで、嬉しくて、一生懸命頑張れるのです。

「周りの環境」によって、一生懸命頑張れるのです。

 

今居る「バイオダイナミックのシードワークショップ」。

役にたてている自信あり!そして、「いとえがいて助かる!」って思っていただけている実感あり。

なにより、これが一番の活力なのです。

 

そう。そう。バイオダイナミック。

ワタクシいとえは、「バイオダイナミックのタネの生産」のためにこの度、渡英したのです。

バイオダイナミック。とても興味深いのです。

今、日本(世界)の各地でたくさん耳にするLEDと液肥を利用した水耕栽培、野菜栽培の工場化がどうしても好きになれないいとえ。

生産性重視するのもわかるけど、「化学物質だけで育ったものは美味しそうって思えない!」これがいとえの野菜への考え方。

人間に例えて話しをしてみます。

「え??サプリメントだけで十分じゃない?必要栄養素摂れてればいいんじゃないの?」この価値観の方々を説得する力は持ち合わせていないので、割愛させてください。

「サプリだけ、、、。じゃ、やっぱり身体に優しくなさそうだよね、、、。」っていうその感覚!!それがいとえの中ではこの「野菜工場で育った野菜をおいしそうって思えない」感覚に繋がるのです。

いとえの中の「バイオダイナミック」への興味は全てこの延長線上にあるのです。

本来あるべき姿。この惑星が出来上がった当時はきちんと明確に存在していたであろう天体と植物、動物(ヒト含)の関連など。

わからないことだらけだけれど、知れば知るほど興味深いバイオダイナミック農法。

 

満月の日に海の潮は満ちる。海の水が影響を受けるのであれば、そりゃ大地の水分にだって月の力は影響あるでしょう。

そしたら、大地の水分を吸って生きている植物の生長になにかしら影響があっても驚かないでしょう。

そういうこと。

やっぱり、天体と、大地と、植物って関連があって、動物(ヒト)にももちろん関係しているでしょう。

 

バイオダイナミック農法をしているこの時間は、そんなことに真っ正面から向き合える大事な時間。

不思議なことだらけで、信じがたいこともたくさんあるのだけれど、この宇宙の、この地球の、この大地の上で共存しているヒトとして植物と接しているうえでの、大事なことがたくさんつまった農法なのです。

この2011年度、チューターたちの厚意によっていとえはトレーニング1年生コースに同行させてもらっています。

このトレーニングは2年制。

この興味深いバイオダイナミックトレーニングを全て見届けるには、もう1年の英国滞在が必要。

「5月末日に帰国した際に再度渡英のビザ申請をする」という選択肢が、今、目の前にあるのです。

 

しかし、この村への滞在はあくまでも「ボランティアワーク」。つまり、無収入。

Q.27歳になった今。無収入生活を2年送って、今後の生活のためになるのか?

A.わからんが、とりあえず、金銭面を考えると痛い。

Q.いとえは将来「バイオダイナミック」をして生活をするのか?

A.いや。現段階では断言しにくいが、可能性の高い方で言うと、たぶん、しない。わかんないけど。

Q.結婚願望とか、まだ持ってるの?

A.あるある!まだ見ぬ愛するパートナーを支えながら生活したいし、子育てしたいし、孫欲しい!

Q.知ってる?女性には色々限界があるってことを?

A.わかってるつもりではいます。日々、近づいていくのよね。。。。

Q.将来、ガーデニングやファームをするのか?

A.なにかしらの形で植物、野菜に関わっていたいけど、土地ないし、、、。土地入手には稼がなきゃだ。。。
 もし、自分1人、生涯独身で全部やっていくなら35までにまとまった金額稼いでプロジェクト開始したいな。
   家庭があったら、家庭優先したいもの。そっちの方が大事な夢!! 

Q.まぁさ、パートナーの話は自分一人じゃなんともならんからおいといて。とりあえず、稼がなきゃなら、ボランティアワークは非生産的では???

A.ごもっとも。帰国して働いて稼いだ方が良いよね。

Q.なにして働くの?

A.ん~~~。働きがいのあるところがいいな~ぁ。必要としてもらえるところで頑張りたい!

Q.あいかわらず、しごとに目標とか夢とかないのね。

A.、、、、、、、。←今ココ。全部いとえの中の自問自答。

 

 

いずれにしても、5月中旬にこの村を離れる予定なので、

さすがに、最近周りの人たちに「2年目、どうするの?もどってくるの?」ってしょっちゅう聞かれるようになった。

「ん~~~~~。まだ決めてなぁい。

 それにさぁ、まぁ、もしも私が“戻りたい”と強く願ったとしても、私だけの判断じゃないしね。

 ほら。ビザを貰えるかどうかは、大使館しだいだからさ!」といつもごまかしながら答える私。

それに対して、

「Don't worry. We will take you back somehow!」とか言ってくれちゃう人が居て、ちょっと嬉しくなってしまうのは、あいかわらずの3kbの単細胞。

もう、本当、ひっぱたいてやってください。このばかいとえ。

 

いとえ自身の意志はどこにあるのか。

 

ここまで書いてていとえの中のゆずれない部分はきっと「植物」「園芸」より、

もっとずっと「誰かのために」「力になりたい」「役にたちたい」この方が強いような気がしてきました、、、。

 

なんとなく、こんな感覚。

 

はるが きて

めが さめて

くまさん ぼんやり かんがえた

さいているのは たんぽぽだが

ええと ぼくは だれだっけ

だれだっけ

 

いとえがぼんやり川にたどりつくのは、いつだろう、、、。

 

自分の姿を確認して「よかったなぁ」って、言えるのは、いつだろう、、、。

(くまさん まどみちお 小学校の教科書に載っていて、未だに記憶に強く残っているのです。