11月22日の稿、『わが奈半利町が「市区町村ごとの人口あたりのスナック軒数」で栄えある全国第5位だったこと』に、そのネタ元である『スナック研究序説 日本の夜の公共圏』の編著者谷口功一さんからコメントをいただいたのは、2日後の24日だ。
日本の夜の公共圏:スナック研究序説 | |
谷口功一、スナック研究会 | |
白水社 |
このブログを開設してから10年近く、そのあいだ数々の本を紹介してきたが、著者さんからコメントが来るのはこれで2度目(1度目は昨年、『非常識な読書のすすめ』の著者清水克衛さんからいただいた)。清水さんの場合は、森崎さんという知人があいだに入ってくれていたが、今回はまっさらの状態から。インターネットでこのブログを見つけたであろう谷口さんが拙稿に「ご感想ありがとうございます」と感謝のコメントを寄せてくれた。いやいやどうしてどうして。こちらこそ「奇特な人もいるもんだ」と感謝しきりなのである。
そのとき、谷口功一さんが「奈半利町については、既にNHKでも、このスナック関連で取材が入っており、以下のような記事にもなっているので、ご参考までに」と教えてくれたのがこの記事。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/mirai/tokushu/2017_1101.html
そこで紹介されていたのは、見覚えのあるカウンターとこれまた見覚えのある諸先輩方。とある呑み会があった土曜日、その会がはねたあとの三次会、全国第5位の奈半利町スナック群のなかで老舗の中の老舗スナック「まや」に行く。年に何度しか行かない店だが(わたしの場合、奈半利町で呑むこと自体がそれほど多くない)、せっかくつながった縁だもの、労作を世に出した谷口先生に敬意を表す意味もある、行かねばならない。
ということで、先輩諸兄が記事中ですわっていた、その同じカウンターにすわった。
「ママ、NHKのインターネットニュースで紹介されちゅうやんか」
「え?見た?そんなことゆうてくれたがショウヘイちゃんが初めてや」
(わたしはこの店では”ショウヘイちゃん”と呼ばれている。名字はもちろん”ひの”。姓は”ひの”名は”ショウヘイ”だ)
「へ~そうながや」
「なんでわかったが?」
「あの記事のキッカケになった本を書いた大学の先生とひょんなことから知り合いになってね。教えてもろうたがよ」
(谷口さんは首都大学東京の教授である)
「けんどウチの名前は出てなかったろ?」
「出てなくてもわかるやろ、カウンターで」
「さすがやなあ」
「あたりまえやんか」
「横顔がちょっと写っちょったし」
「ちょっとだけね」
「けんど、店の名前が出てなかったねえ」
「そうながよ」
「NHKやきしゃあないか。代わりにワシがインターネットで宣伝しちょくわ」
「頼むわ」
と、そんな他愛もない会話のあと久々にカラオケ三昧。人口一人あたりのスナック軒数全国第5位高知県安芸郡奈半利町、わたしと同い年のママさんは、「インターネットで宣伝しちょくわ」と軽口をたたく眼前の「ひのもどき」が、まさか本当にこうやってWebで宣伝するなどとは夢にも思ってないだろうなとほくそ笑みつつ、スナック「まや」の夜はふけていった。
以上、『スナック研究序説 日本の夜の公共圏』外伝。
山と山とは会えないけれど、人と人とはまた会える。袖触れ合うも他生の縁、人生なんだかんだ言いますが、やっぱり縁(えにし)なんでございますよ。(桃知利男)
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