散日拾遺

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オランダ、トルコ、彼方の国々と羊たち

2015-10-11 07:56:24 | 日記

2015年10月11日(日)

 先日、前任校で御一緒していたH先生から絵はがきをいただいた。卒業生の某君が放送大学の事務に就職するので、声をかけてやってほしいというのである。H先生らしい相変わらずの細やかさで、微笑むところがあった。

 いただいた絵はがきが可愛らしい。これは手回しオルガンだろうか、卓上の人形たちが往時ヨーロッパの生活風景を、張り切って再現している。和蘭陀はユトレヒトの国立博物館所蔵というところまでは分かるが、オランダ語ができずドイツ語から類推する程度なので苦しい。

 もっとも、作品のタイトルは "tableau vivant" とあってフランス語である。H先生は相当な旅行家で、国内では定期的に恐山詣でをなさっており、その時に気に入りの学生ら ~ 男子に限る ~ が随行を命ぜられるのが小さな不思議として囁かれていた。上記某君は僕自身は会ったことがないが、その面々の一人だったかもしれない。

 

***

 朝刊一面、アンカラの中心部で自爆テロがあり、86人死亡、186人負傷とある。心痛む。

 トルコは難しい立場にある。イスラム世界の中にあって往時の超大国、現在も半先進地域として一定のリーダーシップを期待される。欧亜の架け橋と言えば聞こえは良いが、現在は難民問題とISなどの問題で欧からは危機管理を期待され、亜の側では多様な矛盾する利害・要求が常に噴出の機をうかがっており、舵取りは容易なことではないだろう。

 2020年五輪を東京と競ったとき、こうした事情を軽薄に揶揄して東京の優位を主張した元・都知事があった。テロの報に、彼なら「それ見たことか」と言うのだろうけれど、僕はこの際イスタンブールになれば良いと思っていた。国際社会が見守り五輪を成功させることで、この国の安定度の向上に寄与するならばと考えたのである。

 そんなの甘いと嗤われるかもしれないが、それを言うのは東京五輪が無事に終わってからにするがいい。安保法案後の日本、もはや対岸の火事では済まない理屈だ。

 それで思い出したことがあるが、教会から帰ってからにしよう。今日は幼稚科で羊の話をするのだ。トルコにも羊や羊飼いがたくさんたくさんいるに違いない。


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