散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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土曜出勤の見返り ~ 三人で三題噺/老後破産/伊昔紅顏美少年

2016-04-05 08:43:02 | 日記

2016年4月2日(土)に戻って・・・

 校務というのは博士課程のオリエンテーション、そして午後からさっそく特論の指導。昨年来この枠は宮本先生・大曽根先生と三人で3コマを共同運営することになっており、これが大変勉強になる。

 僕がトップバッターで、『大学の窓』で放送するとかでテレビの撮影が入り、やっぱりどこか緊張している。緊張するとなおさら脱線が増え、関与的観察から始まって、不確定性原理、パーソナリティ障害の診断の危うさ、うつ病診断のピットフォール、コミュニティ論などなど、放談におさまりがつかない。

 それでも心配要らないというのが、バトンを受け取った宮本先生が決してブレることのない明晰な実践的知性の塊だからで、用意されたレジュメが『家族というもの ~ 精神疾患における家族支援を通して』というシビれるようなタイトルである。こちらの放談を見事に受けとめ、現代家族論の的確なレビューをしてくださった。

 トリの大曽根先生は、ホップ・ステップを受けて「後見人制度」というジャンプで決める。ぐるっと回って僕も精神病者監護法やら保護(義務)者問題やらについてコメントする。頼もしい兄貴・姉貴に遊んでもらった感じで、いつもながら講義する側がいちばん得している図である。

 宮本先生からいただいたテレビ番組予告、タイトルも写真も強烈そのもの、見ざるべからず、ですね。

 

ずっと、まじめに生きてきた。

「団塊 忍び寄る老後破産」(NHKスペシャル 老人漂流社会」 4月16日(土)午後9時放送

***

 今回はセンチメンタルな意味でも特筆の機会。それというのが、かつて教養課程で教えてくださった当時新任の先生が、今春学生として入学し目の前に座っておらるのである。

 「須臾にして鶴髪乱れて糸のごとし」※

 思わずこの句が浮かび、心の中でごめんなさいを言う。かつては本当に、絵に描いたような紅顔の美青年であられた。とはいえ今、決して時の移ろいを悲しむものではない。気合いもさわやかさも少しも色あせておられない。こっちは白頭ならぬ禿頭爺だが、負けてはいられない。こんなふうに再会して一緒に勉強できるなんて、これだから人生は面白いのである。

 よろしくお願いします!

Ω

***** ※ *****

 『代悲白頭翁』 劉希夷

洛陽城東桃李花
飛來飛去落誰家
洛陽女兒惜顏色
行逢落花長歎息
今年花落顏色改
明年花開復誰在
已見松柏摧爲薪
更聞桑田變成海

古人無復洛城東
今人還對落花風
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同
寄言全盛紅顏子
應憐半死白頭翁
此翁白頭眞可憐
伊昔紅顏美少年

公子王孫芳樹下
清歌妙舞落花前
光祿池臺開錦繍
將軍樓閣畫仙
一朝臥病無人識
三春行樂在誰邊
宛轉蛾眉能幾時
須臾鶴髮亂如絲
但看古來歌舞地
惟有黄昏鳥雀悲

***

白頭を悲しむ翁に代る 劉希夷

洛陽城東 桃李の花
飛び来たり飛び去たって誰が家にか落つ
洛陽の女兒(じょじ)顏色を惜しみ
行くゆく落花に逢いて長歎息(ちょうたんそく)す
今年(こんねん)花落ちて顏色改まり
明年(みょうねん)花開いて復(ま)た誰か在る
已(すで)に見る松柏(しょうはく1)の摧(くだ)かれて薪と爲(な)るを
更に聞く桑田(そうでん)の変じて海と成るを

古人また洛城の東に無く
今人(こんじん)還(ま)た対す落花の風
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず
言(げん)を寄す全盛の紅顔子(こうがんし)
応(まさ)に憐れむべし半死の白頭翁
此翁(このおう)白頭(はくとう)真(まさ)に憐れむべし
伊(こ)れ昔 紅顔の美少年

公子王孫(こうしおうそん) 芳樹の下(もと)
清歌妙舞(せいかみょうぶ)す 落花の前
光禄(こうろく)の池台(ちだい)錦繍を開き
将軍の楼閣(ろうかく) 神仙(しんせん)を画く
一朝 病に臥して相識(そうしき)無く
三春の行楽 誰(た)が辺(ほと)りにか在(あ)る
宛転(えんてん)蛾眉(がび)能(よ)く幾時ぞ
須臾(しゅゆ)にして鶴髪(かくはつ)乱れて糸の如し
但(た)だ看(み)る古来(こらい)歌舞(かぶ)の地
惟(ただ)黄昏(こうこん)鳥雀(ちょうじゃく)の悲しむ有るのみ

 

(http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/r60.htm より拝借)


グループ交際

2016-04-05 08:09:30 | 日記

2016年4月5日(火)

「なるほど、グループ交際ってわけね」

三男が笑いこけた。

「ぐ、ぐるうぷ交際・・・」

ひたすら笑っている。どういうイメージが彼の中に駆け巡っているんだろう?

一対一のおつきあいはダメよ、仲良く健全に皆で遊ぶならいいけどね、そう指導された20世紀の中学生も今や還暦前、「グループ交際」はとっくに死語だったのだ。

「グループ同士の交際とか、そういうこと?あらかじめ人数あわせるわけ?」

「いや、そうじゃなくてね・・・」

三男のイメージの疾駆が止まらない。

え~っと、どこから話が始まったんだっけ?ああそうだ、そうだった。

Ω