散日拾遺

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真に謝罪すべきこと

2015-09-21 07:02:23 | 日記

2015年9月21日(月)

 「安保法 反対51% 賛成30%、採決進め方『よくない』67%」

 朝刊一面の見出し、19・20日に朝日が実施した緊急世論調査(電話)の結果である。別の新聞は別の結果を報じるだろうし鬼の首を取ったように息巻くつもりはないが、乖離というか大きな違和感が世の中にあることは間違いない。間接民主制のもどかしさだけれど、「だったら選挙の結果は何なの」ということに話が戻ってしまう。いろいろ説明されても結局よく分からない、僕には永遠に近い謎である。

 「国民は自分にふさわしい政府をもつものだ」という趣旨の格言があるよね。為政者ばかりを詰るのでは済まないこと、これは間違いない。今日これから埼玉へ小講演に行ってくる ~ シルバーウィーク中唯一のおでかけ ~ のだけれど、そこで話すこともこれに関わっている。この一世紀半、精神障害者の受難を作り出してきた元凶は永田町や霞ヶ関ばかりにあったのではない。新聞やメディアに責任転嫁すべきでもない。スティグマと差別は他ならぬ僕らの心の中にこそ温床をもったのだ。

 僕ら自身の愚かさをふりかえる意味で、あえてここに掲げておく。天声人語さん、社会戯評さん、御容赦ください。どこの新聞も同じだったのだから、ことさら貴紙を非難する謂ではないのです。ただ過去の過ちについて謝罪する必要があるとすれば、私たちが心から謝らねばならない人たちがここにいると思いますよ。当時、皆さんも私たちも(私は7歳の子供でしたが、あえて「私たち」と言います)、ただただ太平洋の彼方の某国に向かってひれ伏さんばかりに詫び続けていたのです。

***

 「春先になると、精神病者や変質者の犯罪が急に増える。毎年のことだがこれが恐ろしい。危険人物を野放しにしておかないように、国家もその周囲の人ももっと気を配らなければならない。犯人が精神病的だったからといって、外国大使を傷つけた日本の責任が軽くなるというものではない・・・」(1964年3月25日)

 (同 3月26日)